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翼を広げて歴史を刻む、森の団地
中登美第3団地

奈良県内で最大規模を誇る団地がこちら。大阪都心から電車で1時間以内で到着できる便利な立地にありながら、車窓からの景色はみるみる開ける、丘の上につくられた森のような団地です。敷地内には、背の高い樹々が生い茂り、多くの自然が共存。さらに、保育園や年配層支援窓口など、暮らしに便利な機能も集約されていています。今回は、そんな丘に広がる街のような、奈良市の中登美第3団地を紹介します。

トビに由来する、贅沢な緑の丘に広がる街

地図を俯瞰すると見えてくる、近鉄奈良線「生駒駅」から東へググッと延長した2本の線路。それらの線上にある、近鉄けいはんな線の終点「学研奈良登美ヶ丘駅」と、近鉄難波・奈良線「学園前駅」。登美ヶ丘の街は、この2駅の隙間を埋めるかのように広がっています。山の一部を開拓して新たな街を築いていった、先人たちの歴史的努力を感じます。

この街の中央部に住む人たちは、南側の最寄り駅である「学園前駅」、または始発で座れる可能性の高い北側の「学研奈良登美ヶ丘駅」を、通勤や通学などの日常ルートとして主に利用しているそう。駅周辺には大きなショッピングモール、街なかには病院・美術館・図書館、学びの場は小学校から大学までが揃っていて、奈良の中で特に人気のある文教地区でもあります。ファミリー層なら尚更、長年の住処として選びたくなる注目の街です。

ちなみに、この街の名前の由来には、興味深い話がありまして。日本神話に初代天皇として登場する伝説の人物、神武天皇。東征した際に長髄彦と戦った場所が、このあたりの地域だといわれています。神武天皇の弓の上に金色のトビが留まったおかげで、その輝きに相手が目をくらませ、神武天皇は見事勝利。この出来事から、登美ヶ丘・富雄・鳥見町など、周辺各所は「トビ」から派生した地名が付けられているそう。そんな歴史に思い馳せながら登美ヶ丘を歩くと、また違った側面から、この街を楽しめるかもしれませんね。

まるで異国の地、表情豊かな起伏ある団地

「学研奈良登美ヶ丘駅」からは徒歩約12分、「学園前駅」からは奈良交通バスで乗車9分のち徒歩5分。バスに乗ると、制服姿の学生たちによく出会います。大きなお屋敷の高級住宅街が横目に入る頃、中登美第3団地の姿が見えはじめます。昭和42年から44年に掛けて完成した奈良最大級のマンモス団地。その数、約2500戸・100棟越え。といっても、圧迫感漂う印象ではありません。実はこの地形、真ん中がスリ鉢状になっているのです。南側の一部が分譲の住棟、残り100棟あまりが賃貸の住棟。その大半が板状の階段室型の5階建てですが、地形の起伏に合わせて緩やかに高低差が生まれ、団地の景観にバラエティをもたらしています。なんだか異国の地を旅している心地です。

団地内の森林浴ウォーキングで、健康的な生活

団地を上空から見ると、その姿はまるで巨大な鳥がゆったりと翼を広げているよう。思わず脳裏に、あの黄金のトビがよぎります。羽と羽の間を縫うように、団地内には住民たちに親しまれるウォーキングコースがあります。30分で約70kcal、20分で約50kcal、15分で約40kcalと、所要時間と消費カロリーが3パターンに分かれたウォーキングマップまでつくられているほど。適度な坂道と豊富な緑、そんな清々しいコースを毎朝ひとっぱしり!という健康的な生活だって夢じゃありません。

敷地内は、背の高い樹々が多く森のよう。まさに森林浴ウォーキングです。仲良く並んで天高く伸びる、象徴的な2本の木。春には桜の花がアーチをつくり、夏はサルスベリ、秋はキンモクセイなどと、四季折々の表情を楽しめます。以前はハトが出現したこともあったそうですが、住みついて建物を汚してしまわないようにと、今はハト除け対策をしています。その方法が、週に一回程度、鷹匠によって鷹を飛ばすというもの。この地は今も昔も、大きな鳥に守られているようですね。

両親の共働きや、年配層にも優しい仕組み

森林浴ウォーキングの話を聞いて、日々のデスクワークで運動不足を懸念していた働き盛りの方々は、ご興味を少しお持ちいただけたかもしれません。では今度は、小さなお子さんをお持ちのご家族や、ご年配の方々が惹かれるような、この団地の魅力を紹介しましょう。

登美ヶ丘第3団地内には、なんと公園が10箇所程度も。砂場はもちろん、ブランコや滑り台など遊具もさまざま。「今日は北側の公園に行ってみよう」「明日は西側の公園でブランコに乗ってみよう」などと、近距離内で公園の選択肢が多いのは、子供の発育にも良い刺激となり、ご両親にとっても移動の負担が少なく嬉しいもの。また団地内は、歩車分離を重視して設計されているため、お子さんが元気に走り回っても、飛び出し事故の危険性が少なくて安心です。

さらに、団地の真ん中には社会福祉施設が整っています。保育園・学童保育・子育て支援センターなどがあり、平日の一時預かりをお願いすることも、「親子運動会」や「絵本のおはなし会」などの企画に参加することもできます。保育園の向かい側にある住棟の壁には、保育園の日常をイメージして、遊具で遊ぶ子供たちのイラストが大きく描かれています。

そして、その保育園の隣には、ご年配の方々を総合的に支援する相談窓口を設置。玄関先には、健康・文化・交流などをサポートする様々な案内が貼り出され、より安心でより楽しい暮らしを送るための情報が多く揃えられています。そのそばにあるEラウンジでは、60歳以上の住民であれば無料で使用できるお部屋も。そこでは「詩吟教室」や「健康麻雀の集い」なども企画されています。

団地の角には、住人が営むカフェと雑貨のお店も

団地内で無理のない適度な交流を希望される方の中には「子供がおらず公園や保育園は当てはまらない」「Eラウンジは少し年齢層が高そうかな」と思われる方もいらっしゃるでしょう。そんな方には、団地の角にあるアンティームというお店がお薦め。中登美第3団地で育ったお兄さんと妹さんが、大阪や東京など都会暮らしを経てUターン。幼少時代の思い出が詰まったこの団地の角で、住人の方々や地域の人たちが気軽に集えるカフェと雑貨のお店を営んでいます。

雑貨は、可愛らしいアクセサリーや幼児用のおもちゃ、さらに地元農家さんがつくった食材なども置いてあります。カフェスペースには、テーブル席の他、ゆったりとしたソファー席もあり、子連れのママ同士が楽しくお茶をしている姿もしばしば。2階では「ヨガの会」や「星とハーブの講座」など、イベントも多数企画しているので、ここでの出会いをきっかけに団地内のコミュニティが築けるかもしれませんね。

※取材日(2016年10月)時点の情報になります

リノベーション住戸について

登美ヶ丘第3団地の魅力、ご理解いただけましたか?街としても団地としても良さそうな環境だなと思っていただけましたら、最後はお部屋のご案内を。今回のMUJI×UR団地リノベーションプロジェクトで対象となるのは、各棟4・5階にある3部屋です。2016年10月上旬に1部屋の改装が終わり、残り2部屋が2017年1月末に完成予定となっています。もともと3K(43.33m²)だった間取りを開放的にリノベーションして、1LDKの状態に。

お部屋の両サイドには窓。階段室型の団地がもともと持つ魅力を余すことなく発揮して、太陽光の注ぎ具合や、風通しの良さは抜群です。もちろん窓から見えるのは、たっぷりとした緑と高低差のある表情豊かな住棟。あの異国情緒溢れる景色が広がっています。

室内は白を基調としたデザインを意識しつつ、これまでこの部屋で暮らしてきた歴代の住人たちがつけたであろうペンキの跡などは、古き良き味わいとして、あえて残しています。そんな空間が持つストーリーを受け継ぎながら、ご自身の新たなストーリーを育んでくださる、次の住み手をお待ちしております。