連載ブログ 音をたずねて
無印良品は、創業当初から独自の店内音楽を制作しています。テーマは暮らしの中から生まれ、親から子へ、ベテランの演奏家から若い演奏家へと受け継がれてきた音楽です。伝統音楽とは図書館に収蔵される資料ではなく、さらなる進化を遂げるLiving Tradition(今を生き続ける伝統)だと思います。伝統音楽は時代に左右されない「安心」であり、無印良品の「思い」とも通じます。世界各地に私たちと同じような思いで生活している仲間達がいることを音楽と共にお伝えできたらと思います。レコーディングの合間に見た、現地の風景や生活をBlogとして書いていきます。

ストックホルム探訪

2013年06月26日

おかげさまでブログ「音をたずねて」は今回ストックホルムで105回を迎えることが出来ました。2002年から始まったMUJI BGM 海外シリーズで撮りためた写真やデータ、記憶をもとに約二年書いてまいりましたがそろそろ素材切れになりました。今後は年1回、新しいBGMが店内にお目見えする時期に収録地をご紹介致したく思います。このブログを書きながら、いろんな言語や習慣があっても、人の思いは共通、家族や友人の幸せを願う気持ちでこの世界を作くられているということを再確認いたしました。

連載最後のブログはストックホルムの風景をご紹介します。今回の旅に求めたスウェーデンスタイルとは自然と共生するスウェーデンの人々の普段の生活や文化が蒸留され昇華したもののように私は思いました。今回はストックホルムの様々な風景をご紹介致します。

伝統的な衣装に身を包んだSkansenの少女達です。

ストックホルムの街角のストリート・パフォーマーです。ヨーロッパでよく見かけるパフォーマーは小銭をいれる何かを前に置いて演奏しています。そしてうまくても下手でも彼らに対して多くの方々が寄付をしている光景を目にします。私の目にそれは浄財のように見えました。音楽家に対する尊敬と音楽に対しての愛が感じられる光景です。

この美しさはなんでしょう。思わず皆でシャッターを押しました。日本の城や古い街並みが持つ洗練と同じような美しさを感じました。

風景が変わってもトーンは一緒です。画面内の要素が増えても同じ美しさを感じました。ストックホルムの風景と同じような印象をアメリカのシアトルで感じた事があります。聞いたところシアトルは北欧の方々の移住者がとても多いそうです。

シアトルのようにも見えるストックホルムの路地。

ストックホルムの食の印象はうまいスープでした。さまざまな店で出されるスープの滋養に満ちた味は素材の味でした。なにも飾らないパンとスープという一番当たり前の食事にもスウェーデンスタイルを見た気がしました。

海鮮を誇る日本も値段という点では勝てないかもしれないと思いました。シンプルですがうまいスモークや海老、蟹これだけの量と質で日本のサービス・ランチ程度の値段でした。

MUJI BGM8のレコーディングに参加してくださったスウェーデンスが誇るバンド、ヴェーセンのウーロフ・ヨハンセンさんが弾く伝統楽器ニッケルハルパ。

ノテリエの森からダーラナ地方の湖水、そしてストックホルムの伝統と先鋭。撮影と音楽収録の旅の終わりにお世話になった皆さんで記念撮影。音を探しに行く旅はいつも、優しく美しい音楽と思い出深い写真、そして幸せな気持ちを残してくれます。それはたぶんミュージシャンを通してその国の文化や気質が映し出されるからだろうと思います。そしてミュージシャンはどこの国でも素敵な人々です。音楽を仕事にしたことをとても幸せに感じます。次回は来年春になると思いますがスペインガリシアの素敵な音をご紹介できると思います。どうぞお楽しみに。長い間お付き合いいただきありがとうございました。

  • プロフィール くらしの良品研究所所員
    Y.Iさん

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