新田さんが最初に出会ったのが、熊本県八代地方のレンコン農家さんです。はすの葉を使ったお茶は、世界三大美女である楊貴妃が愛飲した“美容茶”として知られていますが、熊本の在来種「あか根レンコン」の葉はそれまでお茶には利用されていませんでした。

そこで阿蘇の薬草研究家と一緒に商品化したのが「八代の日本古来のはすの葉茶」。はすの葉のやさしい甘さとまろやかさが混じり、金木犀のような甘く豊かな香りが立つこの薬草茶は、お腹の調子を整えたり、血の巡りをよくしてくれます。

ほかにも、宮崎県霧島地方のおじいちゃんたちが山で手摘みした野草「カキドオシ」を使った「霧島のカキドオシとハトムギ茶」や、沖縄県の石垣島で育った「月桃」を使った「石垣島の香り華やか月桃茶」、奈良県高取町の在来種「大和当帰」を使った「奈良高取の寒さに負けない大和当帰茶」を展開している{tabel}の伝統茶。

薬草にはカフェインが含まれていないため、妊婦さんやお子様も安心して飲めます。また、できるだけ一つひとつの薬草の効果・効能を大切にするため、ブレンドは最小限にシンプルに。そして、「できるだけ食物と近い場所で加工まで行いたい」と、地域の人々と協力しながら仕上げています。

「これまで見向きもされてこなかった、雑草のように生えている薬草が商品になることで、地域の魅力に改めて気付くことにもつながっています。健康やおいしさだけではなく、伝統茶が地域を愛でる視点の一つになったら嬉しいですね」と新田さんは語ります。