リンゴは年間を通して人の手を加えて育てられていることは、意外と知られていません。雪が深く積もった2月頃から生産者は農園へ行き、リンゴの枝を一本一本と丁寧に剪定します。春になれば摘花・摘果作業や、初夏には病害虫防除。そして、発育の状態を確かめながら果実の重さで枝の重なりを少なくする支柱入れといった作業もあり、手間と愛情をかけて育て上げます。

東目屋地区の生産者たちは年間を通じ、過酷な自然の中で作業を続けています。そんな環境で育てられたリンゴは「山のリンゴ」とも呼ばれ、甘みと酸味のバランスが良く実が締まっているため市場でも高い評価を得ています。しかし、今回ご紹介する“訳あり”のリンゴは、生育の過程において一定の確率でできてしまう傷などの理由から市場への出荷ができなくなってしまったものです。

ヘタの根元に切れ目のある「ツル割れリンゴ」は、傷の部分は褐色してしまいますが、リンゴの果肉や味にほとんど影響はなく、リンゴ自体が傷を治そうと養分を多く送り込む傾向にあります。そのため、むしろ蜜入りであることが多いとも言われ、“完熟の証”として好んで食べる人もいるほどです。

またリンゴは繊細な果物であるため、台風などの強風によって落ちてしまったり枝に実が当たったりすることで傷や色付きの悪いものになってしまいます。こういった少しの傷や色むらのあるリンゴは、生産者たちが家庭用として食べるほか加工用にするなどして、市場に出回ることはあまりありません。

しかし、傷のついたリンゴはその部分を切り除くことで、普通のリンゴと変わらなく食べることができます。見た目は少し悪いかもしれませんが、生産者から直接お届けする旬のリンゴの味をぜひお試しください。