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南乗鞍キャンプ場便り NO.10
 

「昔を食べる会」第2弾
 7月14日(土)19時より、南乗鞍では2回目の「昔を食べる会」を開きました。今回参加していただいたのは、4組8名のお客様。この日のメインディッシュは“ほう葉寿司”。つけあわせには“みず菜の煮物”が並びました。


ほうの木。 高根では6月上旬頃、葉が寿司を作れる程の手のひら大の大きさになります。その後さらに大きくなり、10月下旬ごろ落葉します。
 
ほうの葉。流水で洗います。

みず菜。この地方ではこう呼びますが、本名はうわばみ草といいます。
 
みず菜を煮る。水洗いしたみず菜を、あくを出したり柔らかくするために一度煮こぼして、にしんや塩鱒で取った出汁で煮込みます。
 ほう葉は香りが良く殺菌効果がありますが、ご飯を酢飯にすることで、さらに保存がきき美味しくなります。寿司にのせる具は地方によって異なるようです。ここ高根では富山から野麦峠を通って、長野県へ鱒やブリを運ぶルートがあったので、塩鱒を入れることが多いようです。もちろん、山菜を煮たものや川で釣れた岩魚・山女などの山の幸も入れたりします。季節によって山で手に入るものも多く扱っていたんですね。
  炊き立てのあつあつのご飯に薄味の酢をまぶし、熱いうちに葉にのせ具をいれて包みます。それをおひつにつめると、熱で葉が加熱され茶色くなり、ご飯にほう葉の香りがうつり食欲をそそります。同時に具の塩鱒も加熱され、その味がご飯にしみていきます。余熱が残っているうちでも、冷めていても美味しくいただけます。

ほう葉寿司を作る。
 
テントサイトにて“昔を食べる会”開催。
 テントサイトにて「昔を食べる会」の席が設けられると、お客様から今回の“ほう葉寿司”と“みず菜の煮物”の作り方や、どんな時によく食べられていたかなどの質問がありました。
 「ほう葉寿司」は、その名の「寿司」から連想されるようにこの地方では貴重なごちそうで、1か月遅い6月の節句から秋の遠足の頃まで、お祝いや行事などのハレの日に食べたりするのだそうです。

 和やかな会中、支配人幼少期の高根の話が飛び出したり、お客様から春や秋の高原の様子や気候などの質問もたくさん出て、ごちそうを囲んだ楽しい夜になりました。

レポート:南乗鞍キャンプ場スタッフ 市原秀久



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