MUJIアウトドアクラブ主催
「冬から春のアウトドア教室」 レポートNo.3(4月22日)
この季節ならではの贅沢な楽しみ。新雪の津南キャンプ場で自然を満喫しました。
教室名:「津南キャンプ場で春の雪上キャンプ」
開催日:1999年4月2日(金)〜4日(日)
平地では山吹の花が咲き、いよいよ春本番を迎える頃。それでもまだ雪が4m近くも残っている津南キャンプ場で、2泊3日の雪上キャンプが実施されました。今年の積雪は平年並み。とはいうもののセンターハウス、サニタリー棟など全てのものが覆い隠されてしまうほどの積雪です。第1日目、うす曇りのなま暖かい中、設営を始める頃に雨が降り始め、やがて風も吹き出し気がつけば突風に。振り返ってスタッフのタープを見ると、なんとメインのポールが真ん中からきれいに折れてしまっているではありませんか。参加された方のテントポールも折れてしまい、さらにはテントを収納する袋や帽子なども風に飛ばされ、とんでもないスタートに。
それでも参加者の皆さんは2度目の方も多く、春先の天候はご存じの方ばかり。雨に濡れ、突風に飛ばされそうになりながらもめげずに撤収を完了。無事に夕食の時間になりました。後片づけの頃には雨が雪に変わり、「春の雪上キャンプ」のはずがすっかり「冬の雪上キャンプ」になってしまったのでした。
2日目の朝は雪が止み、曇り。積雪は10cm程度でしたが、辺りはすっかり冬景色。新しい雪が汚れた雪を覆いつくし、ブナの木々もうっすらと雪化粧。静寂に包まれた真っ白な世界へ、参加された家族の皆さんと一緒にスキーで散歩に出かけました。春を待つ植物を眺め、雪に覆われた沢を渡り、雪に埋もれた薮や建物の屋根の上を滑り……。夏とは違い行動範囲も無限で、どこまでも行けるような気がしてきます。思い思いの場所をのんびり散歩して、自然の中に溶け込み、とてもゆたかな時間を過ごすことができました。
午後になり待ちに待った太陽が顔を出すと、皆さんも活動的になってきました。毎年冬にはMTBからテレマークスキーに乗り換え野山を駆けまわっている、お馴染みの丹羽隆志さんも合流し、キャンプ場の裏山にスキーに行くことになりました。信濃川の河岸段丘、苗場山を眺めながらゆっくりと斜面を登り、きれいなブナ林で一休み。さらに雄大な景色の中を登ること約1時間。ついに目的のプライベートゲレンデに到着。だれも足を踏み入れていない贅沢な斜面を、転ぶのさえ心地よく、時を忘れて楽しむことができました。
そして、気がつけば最終日。皆さんそれぞれの楽しみ方で、自由に過ごすことができたと思います。今回は天候に恵まれず少し苦労しましたが、例年この時期の津南キャンプ場は最低気温も5度程度で陽が射せば暑いくらいです。豪雪地帯ならではの雪を使っての雪遊びは最高、雪中キャンプにもよい状態です。来年はぜひ皆さんも参加なさってみてはいかがでしょう。
レポート/津南キャンプ場・インストラクター 鈴木英行