中部地区、初めての試みです。講師は、南乗鞍キャンプ場草木染め 教室でおなじみの講師槙村信枝さんのお師匠さんにあたる水野美代
子さんにお願いしました。
まずは、染める材料に、梅の花びら模様をつける方法を学びます。 コピー用紙をうまく折り畳み、ハサミを入れ恐る恐る開くと、梅の
花びら模様ができているはずが、まったく違う花びらに。予想外の 形にびっくり。それがきっかけで、和気あいあいと講座が始まりま
した。型紙をもとに、模様つけが終わると、いよいよ綿製買い物袋 を染色する作業です。その前に、染料の採取に出かけました。
工房近くの小さな梅林へ行き、大きなつぼみを持った梅の枝を剪定 バサミでパチパチやること15分。バンのトランクにそれを山積みに
し、工房へ戻りました。30センチくらいの枝を、さらにバキバキと 手で折り(豚汁に入れるこんにゃくと同じように、刃物で切ると表
面積が減るため、枝より液が抽出しにくくなるとのことです)、大 鍋に入れて煮出します。染料が、繊維の中までむらなく染まるよう
に、タンパク質を素材につける前処理を行い一段落。その頃には、 大鍋が放つ、梅の香りで工房は包まれ、より和んだ雰囲気となりま
した。
楽しい昼食をとり、みなさん先生を囲んで、染色の話に花が咲いて いたようです。その間、一生懸命に、梅の枝達が奇麗な染液になる
ようにと働いてくれました。淡いピンクが抽出された染液と予め抽 出した濃いピンクの染液(酸化が進むと、より濃いピンクの染液に
なる)をブレンドし、ほどよい色合いにしたところで、素材を投入。 染めムラができないようにステンレスの棒で素材を広げながら染め
ました。好みの色の濃さに染まったところで引き上げ、梅本来の深 みのあるピンク色が好きな方は、そこで終わりにし、さらに違う色
に発色させたい方は、鉄や銅、チタン等の媒染剤を使い、灰色や茶 色、橙色にしたりし、色を楽しみました。
模様つけをするために、糸で固定した部分を解くと、花びら模様 がしっかりとついています。開くまでは、出来不出来を気にされて
いる方もいらっしゃいましたが、結果は最高。皆さん、大変満足さ れた楽しい春の一日でした。