春らしい陽気の中、流山市にある利根運河で、身近な草花を食べる 教室を開催しました。講師は江戸川の自然を知り尽くしている田中
利勝さんです。
まずは昼食の食材となるセリ・ヨモギ・タンポポ・ノビルなどを採 取。運河沿いの湿地の中で鮮やかな色を見せて群生しているセリは、
この時期まだ採るには少し早いようでしたが、皆さん足元をとられ ながらも夢中になって摘んでいらっしゃいました。
セリも十分摘み終わり、運河をさらに進んで行くとノビルやタンポ ポが無数に点在している場所へ到着。太い茎を探しては、大きなノ
ビルを一気に引き抜いたり、土の中に手をもぐらせ、タンポポの根 を掘り出してはその長さに驚いたり。さらにヨモギなどを採取しな
がら歩いてきた道を戻ると、いよいよ昼食の時間です。
まずはヨモギ・ミツバ・ツクシや椿の花を天ぷらにして食べ、サク サクした感触を味わいました。セリの炊き込みご飯をいただき、さ
らにノビルを味噌和えにしたものを口にすると、参加者の中から思 わず「ビールが欲しい」の声が。皆さんそれぞれに、小さな春を味
わっていらしたようです。
お腹が春で満たされた午後、今度は小さな生き物を探しに散歩へ出 かけました。運河沿いの小川にいまも存在している古代の貝殻や、
現在、数が減りつつあるメダカたちが元気に泳いでいるのを発見。 また、別の小川では産卵後まもないアカガエルの卵をそっと手にし
たりと、身近な自然をのんびりと楽しむことができました。
自然という言葉からは、とかく“雄大さ”を連想しがちですが、今 回の教室では、私たちが生活する環境の中で“身近な自然とふれあ
う楽しみ”を再認識することができました。参加された皆さんも、 それぞれにひと足早い春を肌で感じておられたようです。来シーズ
ンもまた、ぜひ開催したいと思います。皆さまのご参加をお待ちし ています。