アウトドア教室インストラクターレポート

「ピザ窯作り体験レポート」

日時:2000年4月15日(土)〜4月17日(月)
場所:京都府宮津市 地球デザインスクール

より幅広く楽しいアウトドアライフを皆様に提案したいと考えた結 果、ついに今年の6月、南乗鞍キャンプ場にスタッフの手でピザ窯を 作ることとなりました。

ピザ窯について素人の私たちが勉強するにあたって、迎え入れてく ださったのが、京都府宮津市で活動している「地球デザインスクー ル」。3年程前から京都府と宮津市が協力して始まったこのスクール では、自然の持つ本質を活用し、さまざまなものを作りながら参加 者の方々に自然の大切さや昔の人々の知恵を実感してもらおうとし ています。なかでも地域の方々や全国から集まる学生の方々などと 協力して作り上げている公園には、炭焼き窯や泥風呂をはじめ、木 の上の展望台。さらに斜面を下るとそのまま屋根上を歩けてしまう 「エコハウス」などを作り、今までのような設計者側からの一方的 な考えではなく、プランニングの時点から多くの方に参加してもら う形式を採用し、新たな姿勢でランドスケープや建築に取り組んで いるところでもありました(地球デザインスクール発足以来、無印 良品キャンプ場もメンバーとして、活動に参加しています。キャン プ場ホームページのネイチャーフレンズに、地球デザインスクール を発足させたメンバーの1人、京都府企画環境部の桜井さんについて 紹介しています。ホームページもリンクしていますので、ご覧くだ さい。)。そんな心強い環境の中で今回は土窯作りを学ばせて頂き ました。

まずは窯の材料となる土や石などを近くの山から採取することから 始まりました。 運んできた石のなかでも台座となる耐火レンガを楕円形に並べ、真 砂土と呼ばれる土をレンガの隙間に押し固め、順序よくピラミッド のようにレンガを積み上げていきました。ひざ上ほどの高さになっ たところで陶板をのせ、焼床を作り、そのまわりに今度はかせい岩 とよばれる岩を窯が山型になるように積み上げていきました。窯ら しい形になり始めた頃、今度は真砂土に水分を混ぜ合わせ、窯に塗 り込み始めました。水を含んだ土を手にしていると、いつしか幼い 頃の泥んこ遊びを思い出したりして、楽しく泥を窯に埋め込みまし た。高さ1m程になったところで、ようやく土窯と呼べる外形が整い ました。ただこれだけでは完成とは言えず、すぐさま窯のなかで薪 に火を付けてみると、しっかり埋めたはずの土から、至る所に白い 煙が起ち込め始めたので、煙が出ている箇所を再度土で埋める作業 を繰り返して、1日目の作業が終了しました。

翌朝、窯の状態を覗きに行くと、春の暖かな気温と前日からのおき 火のおかげで、土が含んでいた水分もだいぶ乾燥し、表面の色も茶 色から黄土色に変っていました。しかし、土が乾燥して縮まってし まった為に多くのひび割れができてしまったので、前日と同じ要領 で土を埋め込み修復しました。その後も薪を燃やし乾燥させ、ひび が入っては土を埋め込む作業を繰り返し、ある程度窯が乾燥して温 度も安定してきたころに小麦粉から作ったピザを焼いてみることに しました。自分たちで作った窯だけに、期待と不安の複雑な思いで ピザが焼けるのを待つこと2分。パリッと焼けたピザが窯のなかから 顔を見せた時には、思わず歓声を上げてしまい、焼きたてのピザを 皆で美味しく頂きました。窯を試し終えた後も薪を燃やし、3日目の 朝までおき火を入れて乾燥を続け、今回のピザ窯が完成となりました。

作業を始めるまではとても難しいものだと思っていましたが、地球 デザインスクールのスタッフの方々にアドバイスを頂いたおかげで 完成させることができました。土窯作りにおいて土や泥などに触れ たことにより、大人になるにつれ、忘れかけてしまっていた楽しさ を思い起こすこともできました。



今年6月18日から約2日間で南乗鞍キャンプ場にてピザ窯を作る予定 になっています。興味のある方はキャンプ場に来られてみてはいか がでしょうか。また夏からこの窯を使っての手作りピザ教室が実施 されます。それとショップにもピザを中心にイタリア料理の食材を 増やす予定です。お楽しみに。

レポート/津南キャンプ場・教室担当 小林太一

 


/index.html