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2001年「冬〜春のアウトドアイベント」レポート

MUJIアウトドアクラブ主催
「冬〜春のアウトドア教室」 レポート No.4

教室名:裏丹沢で気軽にフライフィッシング
実施日:2001年3月18日(日)
実施場所:うらたんざわ渓流釣場
実施場所:(神奈川県津久井町)
講師:弊社キャンプ事業部長 庵 豊   
講師:津南・南乗鞍インストラクター
講師:鈴木英行、播摩和之、小林太一

朝まで降り続いた雨はスパッとあがり、気温も、魚の活性もグングン上がって、絶好の釣り日和となりました。イベント開催のロケーションは、お魚がたくさん泳ぐうらたんざわ渓流釣場。川底までもはっきり見える美しい渓流です。参加者は、初めて竿を握る方からベテランまでのフライフィッシャーマン6名でした。今回のイベントの趣旨は、「釣り仲間を増やす」ということなので、簡単な自己紹介から始めました。伺ってみると、私たちの到着前から釣りを始められているような釣り好きの方ばかりです。みなさん、クッキーを食べたり、MSRのストーブで沸かしたコーヒーや紅茶を飲んだり、釣り話しに花を咲かせながら、それぞれのスタイルで終日釣りを楽しみました。

朝は水温が低く、魚の動きはいまひとつ(人間同様、魚も寒いと動きが悪くなるのです)。じっくり“彼ら”を観察すると、水中で時折パクパク口を開けて何かを食べていました。そういう時は、彼らが気に入ったフライ(毛鉤)を口元に流し込んであげないとなかなか食べてくれません。みなさん、あーでもないこーでもないとフライを交換しながら、悪戦苦闘し、魚を手にしていました。私も、ようやく、ニジマスをフッキングすることができたので、何を食べているのかを特殊なポンプで胃の内容物を調べることにしました。彼らの食べたものを調べることにより、フライの選択が安易になるからです。案の定、水中にいるユスリカなどの小さな虫の幼虫などを主に食べていました。早速、前回のイベント「フライタイング」時に公表した弊社・庵のオリジナルフライをつけることにしました。そのフライ(ハミバグという名前)は、まさに彼らが口にしていたものをイミテートしたものなのです。釣果は、言うまでもありません。初心者の方も、竿の扱いに慣れてきた頃なので、実際にそのフライを付けていただいて、釣りをし、初めての魚を釣ることができました。にんまり、笑顔。





昼食を食べ終わると、水温が上がったせいか、魚の動きが活発化し、所々でライズ(魚たちが、水面や水面直下を流下する虫を捕食する時に、口先を水面上に出す行動のこと)が始まりました。目を凝らして水面を見ていると、ライズをしている魚はヤマメでした(渓流の女王と呼ばれ、その美しい魚体は、多くの釣り人を魅了しています)。私もベテランの方もこの行動に気が付いて、同じ場所で何度もライズを繰り返す彼女をどうしても手にしたくなりました。米粒くらいの大きさくらいのドライフライ(水面を浮くフライ)をライズしている彼女の目の前に、あたかも本物のユスリカが水面を流れてきたようにキャスト(投げ入れて)し、フライを流しました。1回、2回、3回目。なかなか食べてくれません。そう、緩い流れで、鏡のような所にいる魚は、じっくりと水面を伺っていて、流れてくる虫をしっかりと見ているのです。私の作ったフライを流すと反応はしても、あと一歩のところで「ニセモノだ!」と判断してUターンしてしまうのです。この日のために、色々なフライを昨晩徹夜(一夜漬けです)で巻いたのにどれもだめ・・・。今度は、頼みの綱、必殺フライを糸に結び直してキャストしました。そのフライが糸に引っ張られず、自然に流れるように細心の注意を払いました。(少しでも不自然な流れ方をすると、見破られてしまうのです)すると、何度もUターンしていたヤマメがゆったりと顔をだし、疑いもなく咥えました。「やった!」あまりの嬉しさに竿を思いっきり立てると、細い糸は、プッチリと切れてしまいました。残念。自分で言うのはなんですが、その時ばかりは、フライの流し方も糸の切れ方も見事でした。楽しませてくれたことを感謝し、彼女をあきらめました。

気を一新し、遠くに目をやると、初めての方が、竿を振っています。近寄ってみると、同じ川でも、鏡状の緩やかな流れではなく、白い泡が目立つような速い流れにいる魚達を狙っていました。釣果を尋ねると、首を横に振ったので、そこを離れず、もう一度フライを流すことを私は勧めました。なぜなら、そういう流れの所にいる魚は、流れてきた虫を選んでいる間はなく、なんでも食べることが多いので、フライの流し方さえ丁寧に行なえば、比較的簡単にフライを食べてくれるに違いないと確信したからです。水温も上がったせいか、大きな虫が羽化し飛び始めたので、彼らに分かるように、その虫と同じ多きさくらいのフライ(アダムスパラシュート)に付け替えていただいて、キャストしました。「フワッ!」まるで、虫が水面に着水したときのように、フライはソフトに着水しました。完璧です。その瞬間大きなフライは、水しぶきと共に消えました。リールから糸がでていきます。竿を立てて岩の下に潜られないように気を付けながら、ゆっくりと魚を引き寄せます。それは、美しいニジマスでした。またもや私たちを楽しませてくれたことに感謝し、魚を流れに戻しました。元気よく泳ぎ戻る姿は、何度見てもいいものです。





太陽が山の陰に入り始め、そろそろ解散の時間が近づくと、ライズがあちらこちらにで始まりました。そうなったら、解散どころではありません。これからは、10分が1分に思える最高の時間です。予定を変更し、みなさんの気持ちが落ち着くまで続けることにしました。こんな状況になると、花粉症のスタッフは、鼻を噛むのも忘れてしまい、私は、フライをつけかえている時間ももったいなく感じ、気持ちばかりがあせってフライも糸にうまく結べなくなります。今回は、仕事だということも忘れてつい夢中になって釣りをしてしまいました。みなさんごめんなさい。

ライズも小康状態になったところで、中閉め解散をしました。神経をピリピリさせるシビアな釣りや野鳥のさえずりを聞きながら竿を振るおおらかな釣りまで、すべての方を楽しませてくれたうらたんざわ渓流釣場。みなさん、始終笑顔で大満足されていました。一生涯つきあえるフライフィッシング、一緒に思い出を作っていきませんか。興味をお持ちの方は、キャンプ場で気軽に声をかけてくださいね。キャンプ場でお会いするまでお待ちになれない方は、名画『リバー・ランズ・スルー・イット』をビデオレンタルされるとより理解が深まり、竿を握らずにはいられなくなること請けあいです。特に、女性の方は・・・。では、キャンプ場でみなさんにお会いできることを楽しみにしています。


レポート/南乗鞍キャンプ場インストラクター 播摩和之





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