特集 | 2009 SPRING/SUMMER
外からのお手紙

うれしい発見をおすそわけ

あそんだ人◯ツペラ ツペラ

葉っぱに花、石ころや小枝と、
外にはたくさんの色やカタチがあふれています。
それは家の中では見つけることのできない、
それぞれに独特な自然のデザイン。
それらは私たちのインスピレーションを刺激して、
誰かにこの小さな発見を伝えたくなります。
そこで今回は、たくさんの絵本を作っているツペラツペラさんといっしょに、
公園で見つけた葉っぱをつかって、絵手紙を作りました。

近所の公園は、一歳の娘の絶好の遊び場です。落ちている木の枝をまたいだり、水たまりに入ってみたり、花を摘んでみたり。子どもにとっては、ちょっとした段差や小さな水たまりも、立派なアトラクションなんですね。特別な遊具がなくても、その場にあるもので自然に遊んでいる姿を見るたびに、忘れかけていた「外あそび」の感覚を思い出します。

ゆっくりと公園の中を散歩してみると、たくさんの小さな発見に出会うことができます。変わった形の葉っぱや、見たこともないような木の実。まるいもの、とがったもの、かたいもの、やわらかいものなど、人の顔みたいにひとつとして同じものはなくて、ところどころにオリジナルの表情をもっているんですね。そんな植物と目が合った気がして、じっと眺めていると、だんだん動物に見えてきたり......。そうなると、その葉っぱや木の実を使って何か作りたくなっちゃうんです。きっと、その植物と「気が合った」ってことなんでしょうね。

公園散策のワクワクした気分は、旅の楽しさと似ている気がします。だからでしょうか、旅先から絵はがきを出すように、公園からお手紙を出したくなりました。それは、開いた時に、公園で感じたワクワクがフワッとあふれて、思わずニコっとしてしまうような手紙。私たちと、「気の合う葉っぱ」たちとのコラボレーションです。普段は、アトリエで色紙を切ったり貼ったりしながら絵本を作っているのですが、外で植物と共作するのは初めて。でも、葉っぱたちが「ここだよ」と話しかけてくれて、次々に導いてくれたような気がして、不思議で楽しい体験でした。

外には、発見がいっぱいです。当たり前だと思っていたものも、ちょっと立ち止まって目を凝らせば、たちまち新鮮に見えてきます。次は、家族イチの「外あそびの天才」と一緒に、工作道具を持って外に出かけたいですね。

ツペラ ツペラ | 亀山達矢と中川敦子によるユニット。絵本やイラストレーションなどの分野で幅広く活動中。主な著書に、絵本『木がずらり』『魚がすいすい』『しましまじま』『12の星のものがたり』『つくってみよう!へんてこピープル』『ジャバラワークブック』『かおノート』『ワニーニのぼうけん』『どんなおと?』『アニマルアルファベットサーカス』などがある。
http://tupera-tupera.com/

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