特集 | 2011 SPRING/SUMMER
おいしく手早く外ごはん

「いい手抜き」で極上のおもてなし

あそんだ人◯小雀陣二

外で食べるごはんは買ったおにぎりやカップ麺でも、おいしく感じるもの。
でもせっかくならおいしい手作りごはんを食べたい!
だけどせっかく外なんだから料理するだけじゃなくてあそぶ時間も大事!
それならば、おいしく早く、外ごはん。
アウトドアの達人による、レトルトソースを上手に使った
外ごはんのレシピをご紹介します。

豆腐とエビのサラダ

材料: (2人分) | フライパンでつくる サテー (1袋)、豆腐 (1丁)、エビ (10尾)、きゅうり (2本)、長ネギ (1本)、ツァンサイ (30g)、糸唐辛子 (適宜)、ピーナッツ (20粒)、ナンプラー (大さじ1)、牛乳 (50ml)、ごま油 (適宜)
❶エビは皮をむき、尻尾を残して背わたを取り除き、塩をふって絡める。きゅうりは千切りにカットする。❷長ネギで白がねぎを作り、ツァンサイは洗い水を切っておく。ピーナッツは小さいボウルに入れスプーンなどで細かく砕いておく。
❸お皿に豆腐を盛り、鍋に底網を入れエビを並べ、水を適宜入れ強火にかけ10分弱蒸し、豆腐のまわりに並べる。❹小さいボウルにサテーのソースを入れ、ナンプラー、牛乳を加えよくかき混ぜる。豆腐とエビにかけて、砕いたピーナッツを全体にちらしかけ、白がねぎ、ツァンサイ、糸唐辛子を飾る。

グリル野菜のオムレツ

材料: (2人分) | フライパンでつくる サテー (1袋)、豆腐 (1丁)、エビ (10尾)、きゅうり (2本)、長ネギ (1本)、ツァンサイ (30g)、糸唐辛子 (適宜)、ピーナッツ (20粒)、ナンプラー (大さじ1)、牛乳 (50ml)、ごま油 (適宜)
❶ズッキーニ、にんじん、パプリカ、マッシュルーム、ブロッコリーは小さめにカットし、玉ねぎは薄くスライスする。❷玉子をボウルに割入れ、牛乳、塩、ホワイトペッパーをふりよくかき混ぜ玉子液を作る。
❸スキレットにオリーブオイル、ズッキーニ、にんじんを入れ中火で3分ほど炒め、残りの野菜を加えすべてに火を通し、塩、ブラックペッパーをふり下味を付け、玉子液を流し込む。弱火にしフタをして5分くらい焼き、火を止めて10分おく。❹鍋にオリーブオイルを入れ、中火で熱し玉ねぎを透き通るまで焦げないように炒め、カポナータのソースを加えよく混ぜ、蒸し焼きになったオムレツにかける。

ペッパーステーキ・グリーンカレーソース

材料: (2人分) | 手づくりキット タイカレーグリーン (1袋)、牛もも肉 (800g)、赤パプリカ (1個)、ピーマン (2個)、玉ねぎ (1個)、ミント (適宜)、サラダ油 (適宜)、ブラックペッパー (適宜)、塩 (適宜)
❶牛もも肉に塩、ブラックペッパーをふり、サラダ油をかけ絡める。パプリカ、ピーマンは縦にカットし、玉ねぎは皮をむきスライス。❷肉の表面を強火で焼き、フタをして弱火で表裏5分づつ焼いたのち、取出して15分お肉を休める。スキレットでパプリカ、ピーマン、玉ねぎ1/2を炒め、塩、ブラックペッパーをふりお皿に盛る。
❸小さい鍋にサラダ油を小さじ1入れ中火で熱し、残りの玉ねぎを透き通るまで炒め、カレーペースト、ココナッツミルクの半量、付属のカフェアライムリーフを加えソースを作り、残ったココナッツミルクに付属のナンプラーを加え温める。❹お肉をスライスしお皿に盛り、炒めた野菜を添え、カレーソースと別の鍋で作ったココナッツミルクソースをかけ、仕上げにたっぷりのミントを添える。

豚バラとアスパラガスの串焼き・タンドリースタイル

材料: (2人分) | フライパンでつくる タンドリーチキン (1袋)、豚バラ (500g)、アスパラガス (4本)、トマト (1個)、パスタ (100g)、レモン (1/2個)、ブラックペッパー (適宜)、塩 (適宜)
❶豚バラを1cm幅でスライスし、アスパラガスは根本の硬い皮をむき4等分にカット。それぞれ串に刺し、タンドリーチキンのレトルトソースに絡める。❷炭火で焦げ過ぎないように火力を調整して焼く。豚を焼いている時に炭から炎が出たら慌てずにお水を少し垂らし火を消すなどして火力を調整する。
❸鍋にオリーブオイル、絡めて余ったソースを加え中火で熱し、細かく刻んだトマトを加えよくかき混ぜる。水1ℓに塩10gを加え沸騰させたお湯で硬めに茹でたパスタを加えよくかき混ぜる。❹お皿にパスタを盛り、串焼きの豚バラとアスパラガスを並べ、串切りにカットしたレモンを添える。

なすとジャガイモのキーマカレードリア

材料: (2人分) | 手づくりキット インド風キーマカレー (1袋)、お米 (3合)、合い挽き肉 (300g)、なす (3本)、ジャガイモ (2個)、玉ねぎ (1個)、サラダ油 (適宜)、小麦粉 (100g)、牛乳 (6〜700ml)、バター (20g)、とろけるチーズ (適宜)、ターメリック (大さじ1/2)、塩 (適宜)、ホワイトペッパー (少々)、ナツメグ (少々)
❶ダッチオーブンにお米、水3合分+60ml、ターメリック、塩を入れ、よくかき混ぜ、炭火の強火にかける。沸騰したら火から離すか弱めて中弱火で7〜8分熱し、フタを開け表面全体にお米が顔を出していたらフタを閉め火からおろし蒸らす。❷スキレットにサラダ油を底から3cmくらいの深さ分入れ強火で熱し、乱切りにしたジャガイモ、なすの順できつね色になるまで素揚げする。残った油を空け、みじん切りにした玉ねぎを透き通るまで炒め、挽肉を加えて、キーマカレーソースを加えよく混ぜる。
❸別の鍋にバター、スライスした玉ねぎを入れ、焦げないように中火で透き通るまで炒め、弱火にし、ボウルに牛乳、小麦粉を入れ泡立て器などでよくかき混ぜ、炒めた玉ねぎに流し込み、中火にし手を止めないようにとろとろとろになるまでかき混ぜて手抜きホワイトソースを作る。❹炊きあがったターメリックライスにキーマカレーをまんべんなく広げ、ホワイトソースを真ん中に盛りとろけるチーズを散らし、フタをして炭を10個くらいのせ、チーズが溶けて表面が焦げるまで火をいれる。

晴れた朝がいい。目が覚めてカーッと日差しがさしているだけでなんだか気分がいい。アウトドアで遊ぶ魅力に引き込まれて晴れた日が好きになった。天気がいいと食事もおいしく感じられる。

海や川、山に出始めた頃の外ごはんは、エネルギー補給をメインに考えていて、エナジーバーやコンビニおにぎりから始まり、ワンバーナーとクッカーを持ち込み、お湯を沸かし、味噌汁やラーメンを作り、食後は紅茶をいれるなど、どんどん贅沢になっていった。元々食べるのが好きで自分で食べるために料理もしていたから、外に出かけても買ってきたできあいのものでは満足できなくなっていたのだ。

キャンプでも旅でも食事は絶対に必要になってくるもの。外でもできるだけおいしいものを食べたいし、作りたい。

例えば、シーカヤックで海の散歩の途中、お昼ごはんを食べようとシーカヤックでしか入れないきれいな浜に上陸し休憩する。みんなと共にカヤックを浜に引き上げ、ライフジャケットとスプレースカートを脱いで、ほっと一息。まわりのみんなは、水分を補給し、行動食を少しほおばったら後は「お腹がすいた、チュンチュン早くご飯作って!」といいたそうな目つきで僕を睨みつける。いや、もとい、僕にやさしく微笑みかけているんだろうな。だからいつでも「おいしく早く」をモットーに、みんなが「食べたい、お腹がすいた」と言っている時にさっとごはんを作り提供する。時間をかけて豪華な食事を作るより、自分は経験上、この方が喜ばれると思っている。

アウトドアは家の中と違って季節や場所により環境が違う。雨や雪、とてもやっかいな風など、環境変化を考慮し、さまざまな状況下でも臨機応変に対応できるように考えて準備している。雨が降ったらメニューを変えるのは当たり前。同じ材料で違うメニューにしたり、予備で持ち込んだ食材を使ったり、寒くなったから温かいメニューにするなど。キャンプでも山登りでもそんなふうに考えている。

海や山へでかける時、行動食を買いにスーパーや無印良品に立ち寄る。スーパーには生鮮食品がいっぱい並び、無印良品は行動食の宝庫だ。お菓子やお茶などが小分けにされて「どうぞ山へお持ちください」と言わんばかりに並んでいる。さまざまなレトルトソースは、みんなが喜ぶメニューばかりのラインナップ。裏の説明を見ながら作れば、簡単においしい食事ができあがる。

また、ソースの味を生かしつつメイン素材を変え、ひと手間加え、仕上げの見せ方も変えると、同じソースを使っていても数種類の料理が出来上がる。時間を短縮しておいしい食事が作れるというのは、お腹をすかした家族や仲間にとってうれしい話だ。外あそびで食事を作ることばかりに時間を費やすのはもったいない。「いい手抜き」をすれば簡単においしい料理ができる。その分、時間に余裕を作って外あそびを楽しんだ方がいい。

小雀陣二 | 1969年東京都生まれ。シーカヤック・インストラクターなどを経て、現在はフリーランスのアウドドアコーディネーターとして活躍。アウトドア雑誌で様々なギアを紹介する他、ラジオ、テレビなどへも出演。愛称は「チュンチュン」。

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