この路地を抜けた、向こう側に
第4回 HOUSE OF TOBIAS JACOBSEN ストアマネージャー 国吉玲子さん インタビュー

プロフィール
国吉玲子さん:「HOUSE OF TOBIAS JACOBSEN」ストアマネージャー

世界で初めてのアルネ・ヤコブセンの専門店、HOUSE OF TOBIAS JACOBSEN。ここでストアマネージャーを務める国吉さんは箕面に生まれ育ち、小さい頃から池田へも遊びに来ていたそうなんです。そしてあっちへこっちへと引っ越しながら、あるとき池田での暮らしをはじめました。

池田のどんなところに惹かれ、引っ越そうと思ったんですか?
国吉さん:
自然が豊かなところと、街がちょっと丘のようになっているところが好きなんです。坂道も多くて絶対しんどいんですけど(笑)、都会ではなかなか味わえないですよね。箕面も同じ北摂だけど、池田はまだ手を加えられていない場所のように感じています。
隣同士の場所でも雰囲気が違ってくるんですね。五月山にも行かれますか?
国吉さん:
たまに行きますよ。五月山は、登るのは結構ハード(笑)。五月山の上のほうを見上げると、鳥居がひょこっと出てる場所があるんですけど、あそこからの眺めはすごく最高ですよ。大阪を一望できる。麓の五月山公園にも好きな場所があるので、今日はそっちに行ってみましょう。
とても不思議な建物ですね。
国吉さん:
ちょっと神秘的な雰囲気がしません? アートっぽくておとぎ話にでてきそうな空間で、この景色が好きなんです。朝早く来ると雑音もなくて、妖精が踊っていそうな感じがあって。子どもが小さかった頃は、よくここへ連れてきていました。
見晴らしもいいですね。
国吉さん:
そう。今はマンションが建ってしまったけど、マンションがなかったときはもっときれいでしたよ。こうやって地面に顔を近づけて見てみると、周りに何もなくて公園が空にポンッと浮かんでるような景色だったの。人が来はじめるとイメージが変わっちゃうので、誰もいない朝がオススメです。
国吉さん:
池田には小さいときからよく来ていたんですが、あそこの滑り台は昔はコンクリートだけでつくられた滑り台だったんです。それがすごくダイナミックで楽しかったですね。
滑る前に景色が見えるのがすごく気持ちよさそうですね。
国吉さん:
そうそう、そうなんですよ。本当に遊んでいても景色が見えるから気持ちいいですよね。こっちの道もね、緑に囲まれてるからすごく好きなんです。
トンネルみたいです!
国吉さん:
木々の木漏れ日にも癒されますよね。緑は絶対に大事だと思う。だからうちのお店も、建物の周りにわざと緑を茂らせてみたんです。来た人はみんな外を眺めると、「山の中みたい〜」って言いますよ。ギャップが出ていいんじゃないかなと思って。
お店の中にいると、街中とは思えない光景ですよね。
国吉さん:
そうなんです。次は酒蔵のほうの道に行ってみましょう。
国吉さん:
ここは、なんだか京都みたいだなぁって。だいぶ新しいものが増えてきているとは思うんですけど、こういう昔のお家があったりして素敵ですよね。気になるかわいい路地がいっぱい。この路地を抜けた向こう側に、カフェとかがあってもいいだろうな〜って想像したり。
池田は、小さい工夫ができそうな場所がたくさんあるんですね。
国吉さん:
そうそう。いつもそうやって路地とか家々を見ながら散歩するんです。私ね、散歩しているときってまっすぐ進むだけじゃなくて、横道に入っていくのが好きで。この先には、どんな道やどんな建物があるんだろう?って。家に帰る方向に沿って、こっちを通ったりあっちを通ったり。いつも細い道を通りながら、だんだん家の方向へ向かっていくんです。
昔からそういうものに興味があったんですか?
国吉さん:
大人になってから、古いものとかに興味を持つようになりましたね。だから子どもの頃だったら何とも思わなかった空間が、今はとても新鮮に見えるんです。古い建物を見つけると、どうしても何かをしたくなる。やっぱり古いものと新しいものを組み合わせて、何かをつくることって好きですね。 あ!さっきの五月山公園の古いステージに、アルネ・ヤコブセンのエッグチェアがポンって置いてあったら、すごくかっこよくできるだろうなぁ。

HOUSE OF TOBIAS JACOBSEN 国吉玲子さん

2016年4月に世界で初めての専門店としてオープン。セブンチェアやアントチェアをはじめ、自分のペースで心ゆくまで一生付き合う家具探しができる。

SHOP DATA
大阪府池田市城南3-6-16
072-752-5577
11:00〜19:00
火曜休
http://www.republicstore-keizo.com/hotj/store/index.html

池田の人と町の話