MUJIキャラバン

寒麹と甘酒

2012年07月13日

私たち日本人が主食のごはん(お米)のお供として、
古くから親しんできているお漬け物。

ひと口にお漬け物といっても、各家庭や地域によって
それが指すものは違っています。
きゅうりや大根、白菜といったお漬け物の原料も違えば、
塩漬け、醤油漬け、糠漬け、浅漬け…といった漬け方も様々。

もともとお漬け物は、野菜をはじめとする食品保存が目的で作られました。
秋田を含む東北地方では、冬の間雪で作物が採れないため塩漬けに、
逆に九州地方では、暑さからの腐敗を防ぐために
醤油漬けや味噌漬けにすることから始まったそうです。

その後、同じ保存食として作るならできるだけおいしく食べたい
という気持ちがお漬け物文化を発展させていったよう。

秋田弁ではお漬け物のことを"がっこ"と呼び、
大根などを囲炉裏の上につるして燻製にしてから
主に米糠と塩で漬けこんだ「いぶりがっこ」が有名ですね。

降雪の時期が早い山間地で、
秋に採れた大根などの野菜を天日で干すことができなかったため、
室内につるして囲炉裏火の熱と煙で干したのが始まり。

噛むと燻した香りがじわりと鼻に広がります。
これは、ごはんのお供よりもお酒のつまみに合うおいしさ!
歯ごたえも普通のたくあんよりコリコリしています。

また、米どころの県南を中心に、
"米麹"を使った「麹漬け」が昔から盛んです。
横手市では、今でも町に麹屋さんが20軒ほどあるそうです。

仙北市の角館で160年の歴史を持つ、安藤醸造さんでも
"寒麹(かんこうじ)"が人気。

最近でこそ、TVや雑誌などで"塩麹"のワードをよく目にしますが、
安藤醸造さんでは20年以上も前から、"寒麹"を販売していました。

米麹と塩、水を混ぜて発酵させた"塩麹"に対し、
"寒麹"は米麹と塩、砂糖、お米(もち米)を原料に
寒い時期に作ってゆっくり発酵させたもの。
お米をお漬け物の素に使うなんて、なんと贅沢なことでしょうか!

"塩麹"も"寒麹"も米麹に含まれている酵素の働きで
食材に甘みや旨みをもたらしてくれます。
特に"寒麹"は、麹が砂糖を分解した時にできる甘みが特徴で、
口に含んだ時、確かにしょっぱさよりも、まろやかな甘さを感じました。

ところ変わって、県北の大館市。
1軒の麹屋さんを見かけて中に入ってみました。

こちらが米麹。

見た目はおこしのようです。

この米麹をそのまま買うこともできますし、
自分でお米を持ち込んで、米麹を作ってもらったり、
大豆を持ち込んで、味噌を造ってもらったりできるそう。

私たちが滞在した10分余りのうちにも
次から次へとお客さんがやってきました。

塩麹を買いに来たおじいさん、
出来上がった味噌を取りに来たおばあさん、
お味噌を購入していったおばさん、
そしてお米を持ち込み、米麹を取りに来たおじさん。

「あら~○○さん、いつもありがとう」
「おじいちゃん、何漬けるの? きゅうりの漬け物ならこの量あれば十分よ」

お母さんの笑顔と、お客さんとの会話から
この麹屋さんが地域のみんなから愛されていることが、一目瞭然でした。

私たちが麹について調べていることを話すと、
「今がらこの麹で甘酒つぐるけど、見にぐっが?」
とお客のおじさん。

ということで、今度はおじさんについて行くことに。

居酒屋を営む杉山さんは2年前に体調を崩して病院に行ったものの、
合う薬が見つからなかったといいます。
そんな時に知人に勧められ、甘酒を飲むようになり
体調が回復したんだそうです。

さらに甘酒を飲み続けると、長年の仕事でできた腕のシミが
いつの間にか薄くなり、肌艶がよくなっていました。

これを自分だけにとどめておくのはもったいないと、
周りに作り方を教えたり、
作った甘酒を販売するようになったのだそう。

よく冷えた甘酒は、フルーティーな香りがして飲みやすい!

これまで甘酒はお正月の屋台などで見かけるくらいで
冬の温かい飲み物かと思っていましたが、
江戸時代には、暑気払いに飲む習慣があり
今でも甘酒は、俳句の季語で「夏」のものなのです。

これからの季節、夏バテ対策に甘酒はいいかもしれませんね!
しかもその作り方は米麹さえあればすぐにできてしまいます。

炊いたお米にお湯を足してミキサーにかけ、
約60℃に冷ましてから、米麹を加えて発酵させたら出来上がり。

「甘酒には人間が生ぎでいぐだめに不可欠なビタミン類が
豊富に含まれていで、"飲む点滴"だぁ」

これまでも、お醤油や日本酒、納豆を作る過程で
"麹"の存在に出会ってきましたが、
改めて"麹"のスゴさを実感すると同時に、
"麹"がこれまでよりも少し身近なものになりました。

秋田県民は食通!?

秋田市の無印良品イオンモール秋田店へ。

いつものように人気商品を伺うと、
「やっぱり秋田の人は食への興味が高いようでして…」
とご紹介いただいたのがこちら。

素のままアーモンド

無印良品のナッツは、油や塩を使わずに
その名の通り、素のまま香ばしくローストしたもの。

一度食べだすとついつい食べ過ぎてしまうナッツ類ですが、
塩がついていないと、ナッツ本来の味が楽しめます。

また、ナッツ類には若返りのビタミンといわれる
「ビタミンE」がとても多く含まれていて、
なかでもアーモンドの含有量が一番多いんだそう。

もともと好きだったアーモンド、
ますますファンになってしまいました!

それから、この季節に人気なのが
果汁100%のひとくちゼリー

果汁100%のゼリーってあんまり見たことがないかもしれません。
冷やして食べるとさらにおいしい♪

いよいよ夏本番へ。
食べて元気に、また涼しくなるお気に入りの一品を
ぜひ探してみてください!

  • プロフィール MUJIキャラバン隊
    長谷川浩史・梨紗
    世界一周の旅をした経験をもつ夫婦が、今度は日本一周の旅に出ました。
    www.cool-boom.jp
    kurashisa.co.jp

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