MUJIキャラバン

りんごの木のものづくり

2012年07月16日

落ち着いた木目、趣きのある木目、味のある木目。
木は同じ木材からでも、一つとして同じ姿を見せません。

だからこそ、木で作られたモノには、一つひとつ違った風合いがあり、
選んでいるだけでも、心躍ります。

青森県では、見ているだけでなぜか心安らぐ木工品に出会いました。

こちらの木材、何の木か分かりますか?
答えはこちら↓

全国の約50%の生産量を占める、青森県のりんごの木です。

りんごの木はご覧の通り、高さが低く曲がりくねっているため、
建材として利用することは難しく、
幹にこぶも多いため、加工するのも難しい木材なんだそうです。

ゆえに、役目を終えたりんごの木は、
薪となるか廃材として捨てられてしまうことが多いようです。

そんな木材にあえて注目し、
りんごの木のぬくもりを国内外に発信しているのが、
青森県弘前市にある「木村木品製作所」。

「もともとは、曾祖父の代からヒバ製のりんご用はしごの製造を担っていました。
冬から春にかけての剪定などで毎年大量に切り落とす枝や木をどうにかしたい。
おいしいりんごを育てるだけじゃなく、りんごを育ててくれた木も最後まで大切にしたい」

りんごの木に対する想いを、
木村崇之社長はそう語ってくださいました。

集めたりんごの木を、自然乾燥させること3~4年。
無難に使える木材は、5割がやっとだそうです。

こうして選りすぐられたりんごの木材は、
一つひとつ職人の手によって丁寧に削り出されながら、姿を変えていきます。

しっとりとしていながらも硬く、深みのある色合いは、
なぜかとても心安らぐから、不思議です。

このジャムべらで、パンにりんごジャムを塗ったらおいしそう…
なんて想像を掻き立てられるのも、
作り手のりんごの木に対する気持ちを感じるからかもしれません。

あえて難易度の高いリンゴの木を使った木工品を作ることによって、
木村木品製作所は、単にひとところの木工品屋にとどまることなく、
店舗什器、各種施設のキッズスペースづくりまで行っています。

人を優しい気持ちにさせてくれる木のぬくもりは、
様々なところに活躍の場がありますね。

  • プロフィール MUJIキャラバン隊
    長谷川浩史・梨紗
    世界一周の旅をした経験をもつ夫婦が、今度は日本一周の旅に出ました。
    www.cool-boom.jp
    kurashisa.co.jp

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