「千葉」カテゴリーの記事一覧
ムーミン列車の舞台裏
さくら満開の千葉県いすみ市。
ここには、鉄道ファンならずとも、迷わずカメラを構えたくなる風景があります。
菜の花が咲き誇る丘の上を走る、一両のローカル列車の「いすみ鉄道」。
最近でこそ、メディアにもよく取り上げられるようになり、
この鉄道目当ての観光客がどんどん増えていますが、
3年前までは赤字経営が続き、鉄道廃止の危機にさらされていたのです。
このいすみ鉄道は、もともと国鉄だった木原線を引き継いだ路線で、
沿線自治体などが出資する、第三セクターの鉄道事業者です。
すなわち、それは、地域の人たちが自分たちでローカル線を守っていくということです。
地元の人たちは、ローカル線を守るために、乗る必要がなくてもとりあえず切符を買う
そんな"乗って残そう運動"をしました。
しかし、他のローカル線も同様、それで残った鉄道はひとつもないといいます。
では一体どうしたらよいのでしょうか?
「今あるものをどう活かすかが、地域活性化の鍵だと思います」
そう話すのは、2009年6月に一般公募から、いすみ鉄道の社長に就任した、鳥塚社長。
「地元の人たちは、たとえ列車に乗る必要がなかったとしても、
列車のある、この風景を守りたいと言ったんですね。
つまり、それが"郷土愛"なんですよ。
田舎の人は田舎が恥ずかしいと思うんです。
でもお客様は県外から来る人たちで、彼らが求めているのは原風景だったりする。
田舎の人が自信を持つには、外から人が来て、"いいですね~!"と褒められること。
そうすると、結果、地域が進化していくのだと思います」
そう語った鳥塚社長は、いすみ鉄道に様々な仕掛けを行っていきました。
その代表例のひとつが、「ムーミン列車」の運行です。
ムーミンファミリーが暮らしている、ムーミン谷は
山・森・渓谷があり、川が流れていて、お花畑もあるし、遠くに海がある。
その自然豊かな環境は、いすみ鉄道沿線の房総半島のそれによく似ていたのです!
また、鉄道好きには女性よりも男性の方が多いそうですが、
ムーミン列車を導入することで、女性のお客様を増やそうと試みたのです。
今ではすっかり女性客にも人気のいすみ鉄道、
今度は男性向けに、東京湾アクアラインを使うだけで、
昭和にタイムスリップできるこの町並みを活かそう!
と近々あるイベントを計画しているそう。
4/29・30に行われる、
「みんなでしあわせになるまつりin夷隅」は、
昭和な香りが漂ういすみの町に、レトロな車やバスがやってくるそうですよ!
ちなみに、鳥塚社長は東京のご出身だそうですが、
お父様の実家が勝浦にあったので、小さい頃はよく千葉に遊びに来ていたのだそう。
しかし、ご事情があり、30年近く千葉に来ることはなくなったのですが、
その後再び千葉を訪れた時に、千葉の良さを再確認したのだといいます。
中にいると分からないけど、外から来てみて分かることがある。
地域活性というのは、ゼロから作り出すものではなく、
書いて字の如く、そこにあるもの(地域)をどう活性させていくのかが大切。
そういう意味で、私たちキャラバン隊が
地域のためにできることが少しでもあるのかもしれません。
引き続き、外から見た各地域の魅力を見つけていきたいと思います!!
千葉の無印良品
千葉県には20店舗の無印良品がありますが、
今回は船橋市にある「ららぽーとTOKYO-BAY店」にお邪魔してきました!
案内をしてくれたのは、稲毛出身のスタッフさん。
このお店は、ショッピングセンター内にあるため、お客様の層が幅広いそうです。
そんな幅広い年齢層のお客様に愛されているのがこちら。
この化粧水は、スキンケアのベースになる"水の質"にこだわっていて、
探し求めて見つけたのは、岩手県釜石の洞窟から汲み出される天然水。
料亭や飲料水にこだわる人たちに支持され、「仙人秘水」と呼ばれている超軟水だそうです。
この化粧水、店舗での売り上げが家具の売り上げに次ぐ時もあるんだとか。
ちなみにこの季節は"高保湿タイプ"が人気だそうですよ。
最後に、地元の人お薦めのとっておきの場所を聞いてみました。
「やっぱり海が好きです。稲毛の浜や九十九里浜が好きですね」
帰りに九十九里浜に寄ってみました。
平日なので人はほとんどいませんでしたが、果てしなく続くこの海岸を見て、
この場所がサーフィンの人気スポットであることにうなずけました。
今後も全国の無印良品のお店に伺い、各地のスタッフのとっておきの場所も
レポートしていきたいと思いますので、お楽しみに♪
無印良品のグラス・ガラス食器に込められた情熱
「ガラスって柔らかいんです」
そう教えてくださったのは、
千葉県八千代市にある無印良品のグラス・ガラス食器の生産現場の山本さん。
原料となる珪砂などを、1400℃以上の高温で熱し、
水飴のような流体状態にしたうえで造る、
ガラスの生産現場に携わっている人だからこそ分かるこの感覚は、
私たちにとって新鮮な響きでした。
この工場は、自動成形(機械生産)部門とクラフト(手作り)部門を併設している、
日本で唯一の場所だそう。
様々なガラス製品の生産に対応できるわけです。
そんな生産現場を今回、特別に見学させていただきました。
夏場には気温50℃を超えるという工場内は、
ガラス職人たちの真剣な眼差しにあふれています。
「ガラス職人というと、クラフト(手作り)のイメージがありますよね」
ふと素人じみた感想を述べると、
「自動成形部門で、機械を調整するのも難しい仕事なんです」と山本さん。
ガラス食器成形機メーカーより購入した成形機を
いかに改良できるかが、各ガラスメーカーの技術力の差を生むそうです。
確かに、様々な形状のガラス製品を作るために、
寸分たがわずに動き続ける機械を操るのも職人技です。
ただ、生産コストの安い海外企業との競争も熾烈さを増しているのは、
ガラス業界においても同様。
そんななか、日本の生産体制の強みは何なのでしょうか?
「我々の強みは、製品の安全面を最大限意識した、品質保証体制です」
「源流思考で良品だけを生産する」という考え方のうえで生産された製品を、
さらに、検査機と人により検査する体制は、
驚くほどの厳しい基準でした。
ガラスの形状、不純物の混入などを検査機で見分け、
さらに人の目でも検査する。
排除された不良品を見せていただいたのですが、
素人目の我々には、排除されたポイントが全く分からないほどでした。
この微差を見分けられるかが、良品を生産できる企業の違いではないでしょうか。
「すべては人が造るもの。人のガラスに対する情熱が、一番大切なんです」
最後に、山本さんはこうおっしゃいました。
「人が日々、使うものだけに、それを作る人の情熱が大切です」
これが良いものづくりのための基本なのかもしれませんね。
無印良品のグラス・ガラス食器は、
ガラス職人たちの情熱と技術と努力の結晶の末、生まれたものでした。
これから店頭で商品を見かける度、
そんなガラス職人たちの情熱を思い出すことになりそうです。
無印良品の寝具の歴史
一日のうち、約3分の1の時間を共にする寝具。
より良いくらしを追求する無印良品にとって、
重要な位置づけの商品であることは言うまでもありません。
その無印良品の寝具の歴史を語るに欠かせない人は、
千葉県いすみ市にいらっしゃいました。
1991年に最初のモデルが発売され、
今や無印良品の代名詞とも言える「脚付マットレス」や、
よりしなやかに体を支えるマットレス「ポケットコイルマットレス」の開発など、
国内外で無印良品の寝具の変遷を支えてきた人です。
日本のベッド業界の歴史を知る人でもある矢崎景一さんは、
とても笑顔の素敵な、気さくな方でした。
今回、私たちは特別に「ポケットコイルマットレス」の生産過程を
拝見させていただきました。
まず、マットレスの根幹となる「ポケットコイル」の生産から。
直径わずか1.4mmの銅線を、熱処理を加えコイルにします。
この微妙な形を作るのが難しいポイントのようです。
ちなみに、ポケットコイルマットレスの種類は、
「高密度」「超高密度」「超高密度(増量タイプ)」と3種類ありますが、
コイルの形は一つひとつ異なるんです。
これらのコイルは不織布に包み、束ねられていきます。
シングルベッドサイズで、それぞれポケットコイルが、「高密度」で800個、
「超高密度」で924個、「超高密度(増量タイプ)」で1320個
入っているというから驚きです。
この時点で、気の早いキャラバン隊員は、寝心地を試させていただきました。
一つひとつのコイルが独立しているため、
体の凹凸に合わせて支えてもらっている感覚です。
また、このままでも十分に寝られる心地でした。
実際は、これにウレタンフォームなどを載せ、カバーが被せられ、
熟練の技術者たちによって、縫合されていきます。
最後、熟練の目利きによる厳しい検品を経て、
「ポケットコイルマットレス」完成へ。
この微妙な隆起具合が、寝心地のクオリティを左右するのだそうです。
そして、その微差の調節は、機械による縫合では難しいんだとか。
やはりここでも、職人の手作業による、良品に対するクオリティの担保がありました。
そもそも、矢崎さんが寝具業界で働き始めた頃、
日本ではまだ布団文化が一般的で、ベッドは高級品だったそうです。
ただ、布団の場合、寝た時の鼻の高さが床上30~35cmという、
温度が低く、埃も溜まりやすい高さゆえ、就寝環境としてはあまり良くない。
そういった意味においても、日本人の寝心地に合ったベッドの開発に意義を感じ、
これまで尽力されてきたといいます。
ものづくりの秘訣について伺うと、
「売り手と作り手が仲良く仕事をしていれば、技術は進歩するんです。
両者が考え方を共有できるか、それが一番重要」
今でこそ笑顔でそう語る矢崎さんですが、
当時、商品企画担当者から投げられる要望は、無理難題が多かったそうです。
脚付マットレスの生まれた背景も、
「日本人の生活空間に合ったできるだけ無駄のないベッドを作りたい」
という商品企画担当者の強い要望から。
その強い要望を正面から受け止めて、開発していった努力の結晶が、
今の無印良品の寝具商品として残っているんですね。
普段何気なく使っている身の回りのそれぞれの物にも、
深い歴史があることを改めて思い知りました。
是非みなさん、矢崎さんの笑顔を思い出しながら、
その自慢のベッドの寝心地をお試しください。
雑穀ごはん
突然ですが、こちらの料理、中身は一体何でしょう?
一見、何の変哲もない揚げ物に見えます。
食べてみると、味は挽き肉の入ったコロッケと、白身魚の揚げ物です。
ただ、中身の正体はなんと...、
これらの雑穀だったのです!
コロッケに入っていた挽き肉と勘違いしたものが「うるちあわ」、
白身魚のフライと勘違いしたものが「ひえ」。
もちろん調理法によりますが、見た目も味も、言われなくては分からないほどでした。
こちらの料理を振る舞ってくださったのは、
Found MUJIの商品として無印良品の一部店舗に並ぶ、
「雑穀キッチン」シリーズの生産者、川口さんと林さん。
写真左の川口さんは、それまでの食生活を改善し、雑穀食を取り入れた結果、
なんと14kgの減量に成功したんだとか!
私たちも、翌日はデトックス効果抜群で、雑穀の効用を身をもって実感しました。
先程の「うるちあわ」は、白米の約6倍の鉄分を含み、
「ひえ」は、白米の約8倍の食物繊維を含んでいるなど、栄養価が豊富なのも雑穀の特徴。
米の量産にともない、消費も生産も廃れつつあった雑穀が、
最近になって、健康食品として見直されつつあるんです。
「休耕田を有効活用することもできるんですよ」
林さんは、自宅前の痩せた田んぼを、雑穀栽培のファームとして復活させ、
実際に農業を営んでいらっしゃいました。
「人間の歯は、穀物を噛む臼歯が20本、菜類を噛みきる門歯が8本、
肉を噛む犬歯4本なので、人類は本来、穀食動物なんですよね。
肉や魚は毎日食べる必要はないんです」
毎日、肉・魚をメインメニューに考えていた私たちにとっては、驚きの言葉でした。
「今から50年ほど前には、日本人の食卓では、あわ、きび、
ひえなどの雑穀が当たり前のように食べられていました。
栄養価の高い雑穀の食事に戻すことで、現代病の多くは改善できると思います」
そんな川口さん、林さんの生産する「雑穀キッチン」、「雑穀茶」及び「ぽんせん」は、
Found MUJIを扱う一部の店舗でお買い求めいただけます。
プレーン(30g・294円)、ごま(30g・315円)、青まぜのり(30g・315円)、
3アイテムを無印良品では販売しています。
最初の千葉県にして、食に対して深く考えさせられる滞在となりました。
食について考えるくらし
近年、「マクロビオティック」と呼ばれる食生活法が注目されています。
「玄米菜食」を基本にしたこの日本生まれの食生活は、
世界の著名人やスーパーモデルたちによって健康と美容のために注目され、
日本へ「マクロビオティック」という呼称で逆輸入され、広まりました。
そんなマクロビオティック料理が食べられる場所が、
千葉県いすみ市にあると聞き、行って参りました。
「Brown's Field」と呼ばれるその場所では、
雑穀やお米、オーガニック野菜などを生産し、
マクロビオティックの理念に基づき生活が営まれています。
金土日には、カフェもオープンし、その食を味わうこともできます。
見た目がとってもキレイなこのプレートは、肉や魚、乳製品を一切使っていませんが、
発酵食品や自然塩を使った味つけはしっかりとしたもので、お腹もいっぱいになりました。
また、砂糖未使用のガトーショコラなんていうのも絶品です。
こちらを営むマクロビオティック料理研究家の、中島デコさんにお話を伺いました。
もともと東京ご出身のデコさんですが、5人の子供をオーガニック食品で育てるには、
東京は物価が高すぎると考えたそうです。
何も、このまま東京にいる必要はない。
そして、自給自足可能な移住先を探すなか、千葉県のいすみ市に辿り着いたのだそう。
東京の都心から越してきたデコさんに不便がないか尋ねてみました。
「不便を感じることは何もないですよ。友達みんなが嫌っていうほど遊びに来てくれるし、
ここには都会になかった、降るような星や、鳥の鳴き声があるから」
また、こうも話してくれました。
「田舎に住むには、広い意味でのコミュニティが大事。
全部自分たちでやるのではなく、みんなでやればできる。
昔は近所の人と、お醤油の貸し借りをしたりして、ある種共同生活をしていたようなものが、
今の時代では、お隣さんの顔も知らない。
だけど実際、各家庭だけで生きていくのは難しいですよね」
希薄なご近所付き合いの都会で生活していた私たちにとっては、
ハッとさせられる言葉です。
「でもまずは、健康な体と、人に使われることなく、
自分主体で周りとつながり合って生きていく術を身に付けることが大事かな」
今回、中島デコさんのお話を伺ってみて、すべてはつながっているのだなと感じました。
デコさんが今のくらしを実現させているのは、「マクロビオティック」と出会い、
自分の食生活を見直すところから始まったのです。
食のことを考えると、体が変わる。
体が変わると、精神が変わる。
精神が変わると、いずれ行き着く先が変わる。
自ら描いたくらしを実現させている彼女の言葉は、説得力がありました。
しょうゆの里、銚子
私たちが昔から慣れ親しんでいる和の味、しょうゆ。
そのしょうゆの生産量1位を誇るのが千葉県です。
なかでも、暖流(黒潮)と寒流(親潮)が沖でぶつかり合う銚子は、
海洋性の気候風土で湿度が高く、夏涼しく、冬暖かいため、
しょうゆ醸造のための麹菌などが活動するうえで最適な気候なようです。
さらに、利根川、江戸川で江戸とも結ばれて、水運にも恵まれていたことが、
銚子が江戸時代からしょうゆの町として栄えた訳なんだそう。
実際、銚子の町を歩くと、どこからともなくしょうゆの芳ばしい香りが漂ってきます。
至る所にしょうゆメーカーの看板も。
この「ヤマサ醤油」と「ヒゲタ醤油」は
銚子の町でも代表的な二大しょうゆメーカー。
まるで銚子の街を二分するかのように、
東に「ヤマサ醤油」の工場、
西に「ヒゲタ醤油」の工場が存在しているんです。
ヤマサを使うか、ヒゲタを使うかは、各家庭によって違うようですが、
おもしろかったのが、町中の飲食店や宿には両社のしょうゆが置かれていること。
両社に繁栄してもらいたいという、町の人の心配りが感じられます。
皆さんの家では、どのしょうゆを使っていらっしゃいますか?
思えば、毎日のように口にするしょうゆは、
関東では濃口しょうゆ、関西では薄口しょうゆと、地域や家庭によっても違うもの。
その差は、原料の大豆、小麦、食塩に何を使うかはもちろんのこと、
各社が昔から引き継いできている麹菌や、
発酵・熟成する期間や醸造法で変わってくるんだそうです。
右は1年熟成させ搾り、加熱していないもの。左はそれを加熱したもの。
見た目ではさほど違いを見ることはできませんが、
味は、加熱前のものはあっさりした印象で、
加熱後のものにはコクが加わった印象でした。
同じようで違うもの、しょうゆ。
普段から口にするものゆえに、こだわっていきたいものですね。
千葉のご当地料理って?
旅先での楽しみといって、外せないのが「食」!
日本各地には、その土地ならではの郷土料理が存在しています。
まず、代表的な千葉の食材が落花生。
全国生産量の約7割を千葉県で生産しているそうです。
そんな千葉県民のごはんのお供が「みそピー」こと、ピーナッツ味噌。
千葉県民いわく、給食にも出たこのみそピーは、
もともと落花生農家の人たちが、商品にならない規格外の落花生を食べるために、
炒った落花生に味噌と砂糖をからめて作ったのが始まりなんだとか。
続いて、しょうゆ。
そんなしょうゆメーカーが集まる銚子市で人気なのが、「ぬれせんべい」です。
しょうゆがしみ込んだ、しっとりとした歯ざわりのおせんべいですが、
その始まりは失敗作だったそうです。
いつもよりしょうゆのタレがしみ込んでしまい、売り物にならないので、
おまけとしてお客様に配るとこれが「おいしい!」と大好評で商品化されたといいます。
ぬれせんべいをそうと知らずに食べると、一見湿気っているようにも感じてしまい、
千葉県に嫁いできたお嫁さんの実家にぬれせんべいを送った際に
「せっかく頂いたのですが...」と連絡があったという笑い話を聞きました。
また、銚子市にあるヤマサ醤油の工場で食べられるのが「しょうゆソフト」!
食べるまでその味が想像できませんでしたが、蜜のような味で美味しかったですよ♪
それから、ご当地の食事情を知るのにとっておきの場所、それはスーパー。
房総半島南部でおなじみのスーパーODOYAへ行ってきました。
店内をぐるっと見回して、驚いたのがコレ。
え? くじら??
そうなんです、千葉県南部の安房地方ではつち鯨の赤身肉を食べるのだそう。
試しに「くじらのたれ」を買ってみました。
これは、くじらのお肉をタレに漬込んで、天日で干したもの。
お味はというと・・・血抜きをしていないだけあって、少し臭みのある味でした。
また、こちらも初めて見ました。
通常、伊達巻といったら、おせち料理の一品を思い浮かべますが、
千葉県でいう伊達巻とは「伊達巻寿司」を指すようです。
そして、今回は千葉県の代表的な郷土料理のひとつである
「太巻き祭り寿司」作りに密着してみました!
「太巻き祭り寿司」は古くから冠婚葬祭などのご馳走として食べられるもので、
切り口が金太郎飴のように絵柄を楽しめる、おもてなし料理でもあるそうです。
まずは卵を焼いておきます。
続いて、絵柄である花びらの素材を準備します。
縦に1/4に切った海苔でピンクの酢飯を巻いていきます。
花びらの数だけ、5本用意します。
次に、準備しておいた卵焼きの上に白い酢飯を平らにのせます。
さらに、その上に絵柄になる素材(先ほど準備した花びら、かんぴょう、菜っ葉)
を並べていきます。
かんぴょうや菜っ葉を並べる際、周りの酢飯を盛り上げ、壁を作っておくのがコツのよう。
また、5本の花びらの中心にはお新香を入れておきます。
最後はこれを巻き込んで、切ったら出来上がり♪
この季節にピッタリの、さくら柄の太巻き祭り寿司ができました!
世界的にも人気のお寿司とあって、
こんなに見た目も美しければ、海外でも受けること間違いなしです。
その土地の文化や風土を表す食。
同じ日本でも各地で違いがありそうです。
皆さんの地域では、どんな郷土料理がありますか?
銚子のくらし
千葉県銚子市にある犬吠埼。
ここは関東最東端に位置し、山頂・離島を除くと
日本で一番早く初日の出を見ることができる場所だそうです。
初日の出ではありませんが、私たちも早起きして朝日を拝んで参りました。
夏には海水浴場として賑わう浜辺ですが、普段は地元の人のお散歩コースのようですね。
そんな銚子でお話を伺ったのは、漁港の近くで40年民宿を営む田原さん。
毎晩、新鮮な魚を中心とした豪華な食事が並びますが、
「魚はほとんどお客さんが持ってきてくれるんですよ」と田原さん。
全国屈指の銚子漁港の近くとあって、漁師のお客様が多く、
今も銚子漁港からロシアへ鮭を穫りに行く漁師さんが長期滞在中だそうです。
また、魚以外の卵や野菜も自宅の畑で穫れたものを使っています。
畑を案内してもらい、恥ずかしながら、アスパラガスが
このように育つのを初めて知りました。
昔からこの辺りには八百屋さんがなく、野菜は畑で穫れるものか、
もしくは近所で交換し合うのだとか。
「お米は買っているんですか?」と尋ねると、
「お米は青森から送ってもらうんだよ」という答えが返ってきました。
なんでも2年前に沖縄旅行に行った時に、青森出身の人と仲良くなり、
田原さんは魚を送り、青森からはりんごやお米が届くようになったのだそう。
物々交換に距離は関係ないのですね!
最後に田原さんに"くらしの知恵"と"大切なもの"を伺いました。
「自分の要望を普段から何でも口に出すことでしょうか。
そうすると、不思議なことに何でもそろってしまうのよ」
飼っている鶏や七面鳥もお客様からの貰いものというから驚きです。
「大切なのは、やっぱり"友人"かな。友達がいたらお互い助け合えるからね」
田原さんが周囲からよくしてもらえるのは、
田原さんご自身が普段から周りに働きかけているからなんだと感じました。
自分たちが周りに与えられるもの、それが何なのか自問自答していこうと思います。
鴨川のくらし
千葉県鴨川市は千葉の南東部に位置し、東京都心部からアクアラインを利用すると
2時間もかからずに来られてしまう場所です。
そんな鴨川には、東京から一番近い棚田があります。
「大山千枚田」
面積約4ヘクタールの急傾斜地に、階段のように連なる大小375枚の田んぼは
日本で唯一雨水のみで耕作を行っている天水田だそう。
また、平野の田んぼと違って耕地整理が遅れたことが、
逆にこの美しい棚田を現代に残すことになったのだといいます。
そんな大山千枚田の近くに、農家体験をできる場所があると聞いて行ってきました。
家の裏には広大な畑や山が広がっていて、お米に野菜、果物など何でも作っています。
贅沢なお庭を案内してもらいながら、今回はしいたけの栽培を体験させてもらいました!
ドリルで穴をあけた原木に、キノコの菌を植え付けていきます。
キノコ菌は銃弾のような形をした木片についていて、
穴に差し込みやすいようになっていました。
穴に入れると、今度はひとつひとつの木片をトンカチで植え付けていきます。
そうして、風通し、雨透しのよい場所に置いておくと
見覚えのあるしいたけが生えてくるのです。
1年前の同じ時期に植えたしいたけを収穫することもできました。
さて、お世話になった農家民泊五郎兵ヱのオーナーは、笑いの絶えない柴崎さんご夫妻。
もともと共働きをしてバラバラの生活をしていたお2人が、
定年後何か一緒にできる仕事をしたいと、3年前にこちらの民泊を始めたそうです。
ちなみに民泊とは、民宿などの宿泊施設とは違い、
ありのままの民家に泊まるスタイルのものです。
同じ食卓を囲み、同じお風呂に入り、
なんだか田舎のおばあちゃん家に来たような気分になります。
1年前にここを訪れ、すっかり虜になって別宅を借りて住み込み、
横浜の自宅と行き来する方にもお会いしました。
そんな五郎兵ヱさんの家ではたくさんの"くらしの知恵"を垣間見ることができました。
これは冷凍みかんならぬ、冷凍柿。
もぎたての柿をそのまんま凍らせておくことで、
いつでも新鮮なかきを味わうことができるそうです。
一方のこちらは、干し柿ならぬ、干しかぼちゃ。
収穫したかぼちゃを乾燥させることで、半年ほど持つんだとか。
それから、家の中のあちこちで見かけたこのかわいいタオル☆
かけてあるタオルが左右に動いてしまうことがなく、拭きやすいのです!
また、お風呂に入ると・・・
お庭で穫れたレモンがお風呂にたくさん浮いていました♪
このレモン風呂に毎日入っているお母さんは、ほとんど化粧水を使う必要がないんだとか。
短い期間でしたが、別れ難い出会いとなった柴崎さんご夫妻に"大切なもの"を伺うと、
「やっぱりコイツかな」とお母さんの肩をたたくお父さんに、
「友達のようなお父さん!」と答えてくれたお母さん。
「ケンカをして嫌なことがあった時は、よそのおとっちゃんと思うのよ」
くらしの知恵のみならず、夫婦円満の秘訣も教えてくれました。
また、キャラバン隊が全国を旅していく話を伝えると、
「私たちも明日はお米の配達がてら、ドライブすることにしたよ。
2人で車の中で将来の話をしてくるよ。
若い人たちからパワーをもらったから、私たちも頑張らないとね!」と。
自分たちの知らない世界に興味を持ち、フットワーク軽く活動しているのが
柴崎ご夫妻の元気の源なんだろうなぁと感じました。
美しい自然に、大地の恵みの農産物、そして、最愛の伴侶。
幸せな2人の生活には、それ以外のものは必要なさそうです。