MUJIキャラバン

銚子のくらし

2012年04月16日

千葉県銚子市にある犬吠埼。
ここは関東最東端に位置し、山頂・離島を除くと
日本で一番早く初日の出を見ることができる場所だそうです。

初日の出ではありませんが、私たちも早起きして朝日を拝んで参りました。

夏には海水浴場として賑わう浜辺ですが、普段は地元の人のお散歩コースのようですね。

そんな銚子でお話を伺ったのは、漁港の近くで40年民宿を営む田原さん。

毎晩、新鮮な魚を中心とした豪華な食事が並びますが、
「魚はほとんどお客さんが持ってきてくれるんですよ」と田原さん。

全国屈指の銚子漁港の近くとあって、漁師のお客様が多く、
今も銚子漁港からロシアへ鮭を穫りに行く漁師さんが長期滞在中だそうです。

また、魚以外の卵や野菜も自宅の畑で穫れたものを使っています。

畑を案内してもらい、恥ずかしながら、アスパラガスが
このように育つのを初めて知りました。

昔からこの辺りには八百屋さんがなく、野菜は畑で穫れるものか、
もしくは近所で交換し合うのだとか。

「お米は買っているんですか?」と尋ねると、
「お米は青森から送ってもらうんだよ」という答えが返ってきました。

なんでも2年前に沖縄旅行に行った時に、青森出身の人と仲良くなり、
田原さんは魚を送り、青森からはりんごやお米が届くようになったのだそう。
物々交換に距離は関係ないのですね!

最後に田原さんに"くらしの知恵"と"大切なもの"を伺いました。

「自分の要望を普段から何でも口に出すことでしょうか。
そうすると、不思議なことに何でもそろってしまうのよ」

飼っている鶏や七面鳥もお客様からの貰いものというから驚きです。

「大切なのは、やっぱり"友人"かな。友達がいたらお互い助け合えるからね」

田原さんが周囲からよくしてもらえるのは、
田原さんご自身が普段から周りに働きかけているからなんだと感じました。

自分たちが周りに与えられるもの、それが何なのか自問自答していこうと思います。

鴨川のくらし

千葉県鴨川市は千葉の南東部に位置し、東京都心部からアクアラインを利用すると
2時間もかからずに来られてしまう場所です。

そんな鴨川には、東京から一番近い棚田があります。

「大山千枚田」

面積約4ヘクタールの急傾斜地に、階段のように連なる大小375枚の田んぼは
日本で唯一雨水のみで耕作を行っている天水田だそう。
また、平野の田んぼと違って耕地整理が遅れたことが、
逆にこの美しい棚田を現代に残すことになったのだといいます。

そんな大山千枚田の近くに、農家体験をできる場所があると聞いて行ってきました。

家の裏には広大な畑や山が広がっていて、お米に野菜、果物など何でも作っています。

贅沢なお庭を案内してもらいながら、今回はしいたけの栽培を体験させてもらいました!

ドリルで穴をあけた原木に、キノコの菌を植え付けていきます。

キノコ菌は銃弾のような形をした木片についていて、
穴に差し込みやすいようになっていました。

穴に入れると、今度はひとつひとつの木片をトンカチで植え付けていきます。

そうして、風通し、雨透しのよい場所に置いておくと
見覚えのあるしいたけが生えてくるのです。

1年前の同じ時期に植えたしいたけを収穫することもできました。

さて、お世話になった農家民泊五郎兵ヱのオーナーは、笑いの絶えない柴崎さんご夫妻。

もともと共働きをしてバラバラの生活をしていたお2人が、
定年後何か一緒にできる仕事をしたいと、3年前にこちらの民泊を始めたそうです。

ちなみに民泊とは、民宿などの宿泊施設とは違い、
ありのままの民家に泊まるスタイルのものです。

同じ食卓を囲み、同じお風呂に入り、
なんだか田舎のおばあちゃん家に来たような気分になります。

1年前にここを訪れ、すっかり虜になって別宅を借りて住み込み、
横浜の自宅と行き来する方にもお会いしました。

そんな五郎兵ヱさんの家ではたくさんの"くらしの知恵"を垣間見ることができました。

これは冷凍みかんならぬ、冷凍柿。
もぎたての柿をそのまんま凍らせておくことで、
いつでも新鮮なかきを味わうことができるそうです。

一方のこちらは、干し柿ならぬ、干しかぼちゃ。
収穫したかぼちゃを乾燥させることで、半年ほど持つんだとか。

それから、家の中のあちこちで見かけたこのかわいいタオル☆

かけてあるタオルが左右に動いてしまうことがなく、拭きやすいのです!

また、お風呂に入ると・・・

お庭で穫れたレモンがお風呂にたくさん浮いていました♪
このレモン風呂に毎日入っているお母さんは、ほとんど化粧水を使う必要がないんだとか。

短い期間でしたが、別れ難い出会いとなった柴崎さんご夫妻に"大切なもの"を伺うと、
「やっぱりコイツかな」とお母さんの肩をたたくお父さんに、
「友達のようなお父さん!」と答えてくれたお母さん。

「ケンカをして嫌なことがあった時は、よそのおとっちゃんと思うのよ」

くらしの知恵のみならず、夫婦円満の秘訣も教えてくれました。

また、キャラバン隊が全国を旅していく話を伝えると、
「私たちも明日はお米の配達がてら、ドライブすることにしたよ。
2人で車の中で将来の話をしてくるよ。
若い人たちからパワーをもらったから、私たちも頑張らないとね!」と。

自分たちの知らない世界に興味を持ち、フットワーク軽く活動しているのが
柴崎ご夫妻の元気の源なんだろうなぁと感じました。

美しい自然に、大地の恵みの農産物、そして、最愛の伴侶。
幸せな2人の生活には、それ以外のものは必要なさそうです。

  • プロフィール MUJIキャラバン隊
    長谷川浩史・梨紗
    世界一周の旅をした経験をもつ夫婦が、今度は日本一周の旅に出ました。
    www.cool-boom.jp
    kurashisa.co.jp

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