MUJIキャラバン

しょうゆの里、銚子

2012年04月17日

私たちが昔から慣れ親しんでいる和の味、しょうゆ。

そのしょうゆの生産量1位を誇るのが千葉県です。

なかでも、暖流(黒潮)と寒流(親潮)が沖でぶつかり合う銚子は、
海洋性の気候風土で湿度が高く、夏涼しく、冬暖かいため、
しょうゆ醸造のための麹菌などが活動するうえで最適な気候なようです。

さらに、利根川、江戸川で江戸とも結ばれて、水運にも恵まれていたことが、
銚子が江戸時代からしょうゆの町として栄えた訳なんだそう。

実際、銚子の町を歩くと、どこからともなくしょうゆの芳ばしい香りが漂ってきます。

至る所にしょうゆメーカーの看板も。

この「ヤマサ醤油」と「ヒゲタ醤油」は
銚子の町でも代表的な二大しょうゆメーカー。

まるで銚子の街を二分するかのように、
東に「ヤマサ醤油」の工場、

西に「ヒゲタ醤油」の工場が存在しているんです。

ヤマサを使うか、ヒゲタを使うかは、各家庭によって違うようですが、
おもしろかったのが、町中の飲食店や宿には両社のしょうゆが置かれていること。

両社に繁栄してもらいたいという、町の人の心配りが感じられます。

皆さんの家では、どのしょうゆを使っていらっしゃいますか?

思えば、毎日のように口にするしょうゆは、
関東では濃口しょうゆ、関西では薄口しょうゆと、地域や家庭によっても違うもの。

その差は、原料の大豆、小麦、食塩に何を使うかはもちろんのこと、
各社が昔から引き継いできている麹菌や、
発酵・熟成する期間や醸造法で変わってくるんだそうです。

右は1年熟成させ搾り、加熱していないもの。左はそれを加熱したもの。

見た目ではさほど違いを見ることはできませんが、
味は、加熱前のものはあっさりした印象で、
加熱後のものにはコクが加わった印象でした。

同じようで違うもの、しょうゆ。

普段から口にするものゆえに、こだわっていきたいものですね。

千葉のご当地料理って?

旅先での楽しみといって、外せないのが「食」!
日本各地には、その土地ならではの郷土料理が存在しています。

まず、代表的な千葉の食材が落花生。
全国生産量の約7割を千葉県で生産しているそうです。

そんな千葉県民のごはんのお供が「みそピー」こと、ピーナッツ味噌。

千葉県民いわく、給食にも出たこのみそピーは、
もともと落花生農家の人たちが、商品にならない規格外の落花生を食べるために、
炒った落花生に味噌と砂糖をからめて作ったのが始まりなんだとか。

続いて、しょうゆ。

そんなしょうゆメーカーが集まる銚子市で人気なのが、「ぬれせんべい」です。

しょうゆがしみ込んだ、しっとりとした歯ざわりのおせんべいですが、
その始まりは失敗作だったそうです。

いつもよりしょうゆのタレがしみ込んでしまい、売り物にならないので、
おまけとしてお客様に配るとこれが「おいしい!」と大好評で商品化されたといいます。

ぬれせんべいをそうと知らずに食べると、一見湿気っているようにも感じてしまい、
千葉県に嫁いできたお嫁さんの実家にぬれせんべいを送った際に
「せっかく頂いたのですが...」と連絡があったという笑い話を聞きました。

また、銚子市にあるヤマサ醤油の工場で食べられるのが「しょうゆソフト」!

食べるまでその味が想像できませんでしたが、蜜のような味で美味しかったですよ♪

それから、ご当地の食事情を知るのにとっておきの場所、それはスーパー。
房総半島南部でおなじみのスーパーODOYAへ行ってきました。

店内をぐるっと見回して、驚いたのがコレ。

え? くじら??

そうなんです、千葉県南部の安房地方ではつち鯨の赤身肉を食べるのだそう。
試しに「くじらのたれ」を買ってみました。

これは、くじらのお肉をタレに漬込んで、天日で干したもの。
お味はというと・・・血抜きをしていないだけあって、少し臭みのある味でした。

また、こちらも初めて見ました。

通常、伊達巻といったら、おせち料理の一品を思い浮かべますが、
千葉県でいう伊達巻とは「伊達巻寿司」を指すようです。

そして、今回は千葉県の代表的な郷土料理のひとつである
「太巻き祭り寿司」作りに密着してみました!

「太巻き祭り寿司」は古くから冠婚葬祭などのご馳走として食べられるもので、
切り口が金太郎飴のように絵柄を楽しめる、おもてなし料理でもあるそうです。

まずは卵を焼いておきます。

続いて、絵柄である花びらの素材を準備します。

縦に1/4に切った海苔でピンクの酢飯を巻いていきます。
花びらの数だけ、5本用意します。

次に、準備しておいた卵焼きの上に白い酢飯を平らにのせます。

さらに、その上に絵柄になる素材(先ほど準備した花びら、かんぴょう、菜っ葉)
を並べていきます。

かんぴょうや菜っ葉を並べる際、周りの酢飯を盛り上げ、壁を作っておくのがコツのよう。
また、5本の花びらの中心にはお新香を入れておきます。

最後はこれを巻き込んで、切ったら出来上がり♪

この季節にピッタリの、さくら柄の太巻き祭り寿司ができました!

世界的にも人気のお寿司とあって、
こんなに見た目も美しければ、海外でも受けること間違いなしです。

その土地の文化や風土を表す食。
同じ日本でも各地で違いがありそうです。

皆さんの地域では、どんな郷土料理がありますか?

  • プロフィール MUJIキャラバン隊
    長谷川浩史・梨紗
    世界一周の旅をした経験をもつ夫婦が、今度は日本一周の旅に出ました。
    www.cool-boom.jp
    kurashisa.co.jp

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