オバマ市からもらった、くらしのヒント
米・オバマ大統領を応援する市として
一躍有名になった、福井県小浜(おばま)市。
街の至る所に、オバマ大統領が
!
次の大統領選でも注目されることは間違いありません。
さて、そんな小浜市は若狭湾に面しており、海産物が豊富に採れます。
平安・奈良時代には、サバをはじめとする高級特産物を朝廷に献上していた、
御食国(みつけのくに)のひとつなんです。
食の歴史もあるなかで、2001年には、
全国初の食をテーマにした、「食のまちづくり条例」を制定。
これはご当地グルメのような観光客誘致が目的ではなく、
住民を主なターゲットにしたものだそう。
その土地にくらす地域住民にこそ、地場の農林水産物の
ファンになってもらうべく、様々な取り組みがされているようです。
今回、そんな食のまちづくりの拠点施設、
「御食国若狭おばま食文化館」を訪れました。
施設内は、食に関する歴史・伝統・文化の展示があり、
例えば特産物のサバのレシピ30種のレプリカ、なんていうのもありました。
また、「キッチンスタジオ」も併設されていて、
季節の食材を使ったお料理や郷土料理の教室が開催されています。
ちょうどお料理教室の日程に訪れた私たちは、
地元の主婦の方にまざって、季節の調理体験に参加してきました!
旬のたけのこやそら豆を使った煮物や、梅の香寿司をみんなで作りました。
毎月この料理教室に参加している、という方も多く、
地元のみなさんの交流の場になっているんですね。
他県から嫁いできたという方もいて、
「地元の食材の食べ方が分かっていい」とおっしゃっていました。
さらに、小浜市では小浜で生まれ育つ子ども全員に、
"食育"の機会を提供するため、義務食育体制を構築。
公立、私立問わず、市内の全幼稚園・保育園の年間行事に
「キッズ・キッチン」と呼ばれるお料理教室を組み込んでいるそうです。
小学校や中学校の給食では、
近隣の農家や漁師さんに食材を提供してもらい、
「本日の食材の若狭カンラン(キャベツ)は
○○おじさんの畑で収穫されたものです」
といったアナウンスが流れ、
生産者への感謝の気持ちを育み、給食の残食も減少したんだとか。
このキャラバンが始まってから、
各地で"地産地消"のワードを見かけてきましたが、
この小浜市の給食の取り組みは、ひとつの地産地消のお手本かもしれません。
群馬のキャンプ場で焚き火をした時もみんなと語り合いましたが、
"なぜ地産地消がよいのか"ということについて、
私たちは分かっているつもりになるのではなく、
腹に落ちるまで考え続けようと思います。
「無駄な輸送費がかからないためエコである」
ということはよくいわれます。
そして、今回、小浜市で考えたのは、
「生産者の顔が見えることは、安心安全につながるだけでなく、
消費者が生産者や自然の恵みに感謝を忘れず、共に育んでいくことにつながる」
ということでした。
そして何より、その特産物を作る人こそが、もっとも愛情を持っているのだから、
その地域にこそ、その特産物の活かし方が伝わっているんですね!
改めて、地産地消は、これからの良いくらしへのヒント
といえるのではないでしょうか。
いったん立ち止まって考えることは、とても大事なことですよね。