MUJIキャラバン

オバマ市からもらった、くらしのヒント

2012年05月29日

米・オバマ大統領を応援する市として
一躍有名になった、福井県小浜(おばま)市。

街の至る所に、オバマ大統領が…!
次の大統領選でも注目されることは間違いありません。

さて、そんな小浜市は若狭湾に面しており、海産物が豊富に採れます。
平安・奈良時代には、サバをはじめとする高級特産物を朝廷に献上していた、
御食国(みつけのくに)のひとつなんです。

食の歴史もあるなかで、2001年には、
全国初の食をテーマにした、「食のまちづくり条例」を制定。

これはご当地グルメのような観光客誘致が目的ではなく、
住民を主なターゲットにしたものだそう。
その土地にくらす地域住民にこそ、地場の農林水産物の
ファンになってもらうべく、様々な取り組みがされているようです。

今回、そんな食のまちづくりの拠点施設、
「御食国若狭おばま食文化館」を訪れました。

施設内は、食に関する歴史・伝統・文化の展示があり、
例えば特産物のサバのレシピ30種のレプリカ、なんていうのもありました。

また、「キッチンスタジオ」も併設されていて、
季節の食材を使ったお料理や郷土料理の教室が開催されています。

ちょうどお料理教室の日程に訪れた私たちは、
地元の主婦の方にまざって、季節の調理体験に参加してきました!

旬のたけのこやそら豆を使った煮物や、梅の香寿司をみんなで作りました。
毎月この料理教室に参加している、という方も多く、
地元のみなさんの交流の場になっているんですね。

他県から嫁いできたという方もいて、
「地元の食材の食べ方が分かっていい」とおっしゃっていました。

さらに、小浜市では小浜で生まれ育つ子ども全員に、
"食育"の機会を提供するため、義務食育体制を構築。
公立、私立問わず、市内の全幼稚園・保育園の年間行事に
「キッズ・キッチン」と呼ばれるお料理教室を組み込んでいるそうです。

小学校や中学校の給食では、
近隣の農家や漁師さんに食材を提供してもらい、
「本日の食材の若狭カンラン(キャベツ)は
○○おじさんの畑で収穫されたものです」 
といったアナウンスが流れ、
生産者への感謝の気持ちを育み、給食の残食も減少したんだとか。

このキャラバンが始まってから、
各地で"地産地消"のワードを見かけてきましたが、
この小浜市の給食の取り組みは、ひとつの地産地消のお手本かもしれません。

群馬のキャンプ場で焚き火をした時もみんなと語り合いましたが、
"なぜ地産地消がよいのか"ということについて、
私たちは分かっているつもりになるのではなく、
腹に落ちるまで考え続けようと思います。

「無駄な輸送費がかからないためエコである」
ということはよくいわれます。

そして、今回、小浜市で考えたのは、
「生産者の顔が見えることは、安心安全につながるだけでなく、
消費者が生産者や自然の恵みに感謝を忘れず、共に育んでいくことにつながる」
ということでした。

そして何より、その特産物を作る人こそが、もっとも愛情を持っているのだから、
その地域にこそ、その特産物の活かし方が伝わっているんですね!

改めて、地産地消は、これからの良いくらしへのヒント
といえるのではないでしょうか。

いったん立ち止まって考えることは、とても大事なことですよね。

  • プロフィール MUJIキャラバン隊
    長谷川浩史・梨紗
    世界一周の旅をした経験をもつ夫婦が、今度は日本一周の旅に出ました。
    www.cool-boom.jp
    kurashisa.co.jp

最新の記事一覧

カテゴリー