飛騨に生きる
岐阜県の地図を眺めていると、目に入ってきた北部の町「高山市」。
「飛騨・高山に来る際には、是非ご連絡ください」
ふと、過去にこんなお誘いを頂いていたことを思い出しました。
誘ってくださったのは、私たちよりも5年ほど前に世界一周を果たしたご夫婦。
その後、クールな田舎をプロデュースすべく飛騨に移住し、
日本の里山の魅力を国内外に発信していく事業に取り組まれていて、
私たちにとっては、生き方そのものが参考になるご夫婦です。
なぜ、移住先が飛騨だったのか? 飛騨の里山の魅力とは?
個人的にも、このキャラバンのテーマとしても、
飛騨でこの人に会わないわけにいかず、
すかさずメールをしてみました。
しかし、残念ながら海外出張中で、いらっしゃらないとのこと 。
ただ、同じ想いの別のスタッフが歓迎してくださるとのことで、
お邪魔して参りました!
迎えてくださったのは、「飛騨里山サイクリング」の
国際色豊かなスタッフの皆さん。
すると、なんとその中のスタッフの1人が、
私たちと同じタイミングで世界一周をした仲間のフィアンセだったことが判明!
こうした出会いは偶然なのでしょうか?
最近、すべての出会いは必然なのではないかと思ってしまいます。
さて、サイクリングツアーでは、緑豊かな飛騨の里山を自転車で巡りながら、
道中、農家の田植えシーンに遭遇したり、
茅葺き屋根の家を見学したり、
飛騨牛の牛舎を見学したりと、
車や電車に乗っていては気付けない風景や、
地元の方々との触れ合いがそこにはありました。
また、地元の情報に詳しいガイドさんが
色々と説明してくださるので、
自分たちだけでは知りえない、地域の話を聞くことができました。
このツアーの参加者の約50%は、外国人が占めるようです。
つまり、飛騨の里山の魅力を、国内外問わず発信し、
観光需要を掘り起こしているんです。
飛騨の魅力について、ガイドの松尾さんはこう語ります。
「岐阜県は日本の中心に位置しています。
ここを拠点に置けば、東は東京、西は京都・大阪、
北は金沢、南は名古屋と、どこへでも出やすい立地なんです」
確かに、道中でもこんな看板を見かけました。
首都機能移転先の議論の際にも、
岐阜は候補先として名前が挙がった地だったほど。
外国の方が本当の日本を探す観光をされるなら、
拠点に最適な土地なのかもしれません。
同時に、飛騨の抱える問題点についても語ってくれました。
「この地域の約25%の建屋が、空き家になっているんです。
若者はどんどん都会へ移住してしまい、このままではは戻ってこない。
産業を生み出していく働きかけをしていくことが、
地域を活性化していく鍵だと思っています」
彼らは、こうした飛騨の民家の状況の実態を把握することから始め、
今はこれらの空き家を活かして、
里山に来たい・住みたい人たちとのマッチング等も手掛けています。
今あるものを活かしながら、需要を掘り起こしていく。
千葉県いすみ鉄道で学んだ地域活性のヒントは、
ここ飛騨にもありました。
なによりも、旅路の果てに一つの地に腰をおろし、
その地に根ざして活動する生き方は、
私たちにとって大いに参考になるスタイルです。
皆さんも、飛騨に訪れる機会があれば、
是非、「飛騨里山サイクリング」へ。
ゆったりとしたペースで、
里山の空気を思いっきり吸いながら、
飛騨の里山の魅力を堪能することができますよ。