はっさく大福
"フルーツ大福"といったら、
いちご大福を思い浮かべる人も多いかもしれませんが、
広島の因島(いんのしま)で
「はっさく大福」なるものに出会いました。
袋の緑色のテープが葉っぱを表し、
まさにはっさくそのものを表現しているんだそう。
中を割ってみると
みかんの皮が練り込まれた、うっすら黄色の餅生地で
白あんと、採れたての因島産はっさく果実がそのまま包まれています。
食べてみると、はっさくの実が口の中でプチプチと弾けます★
そして、ジューシーな果実の酸味と白あんの甘さが合わさって、
大福なのに甘過ぎない、絶妙なコラボレーションが完成しているのです!
大福というと、これまで和菓子のイメージ強かったのですが、
このはっさく大福は、コーヒーやワインなどにも合いそうですよ♪
白あんと、はっさくがここまでしっくりくるとは!
正直意外でした。
「甘いはっさくよりも、すっぱいはっさくを使う方がいいんじゃ」
そう教えてくれたのは、大きな窓からしまなみ街道のひとつ、
因島大橋が一望できるレストハウスで各種餅菓子を製造販売する、
「はっさく屋」代表の柏原伸亮さん。
「はっさく大福」はもともと因島発祥のはっさくを
広く知らせたいという想いから、
平成元年頃に餅菓子「かしはら」で生み出されたもの。
中身は同じなのに、皮の色みなどの問題で
規格外となってしまっていた、はっさくに目をつけました。
その後、家庭の事情で「かしはら」がお店をたたもうとし、
「これをなくしたらもったいない!」と思った柏原さんが
店主に頼んで技を伝授してもらい、「はっさく屋」を始めたのだそう。
「今でこそ、メディアに取り上げられて有名になったもんじゃが、
最初は大変だった。わしが配って歩いたんや」
柏原さんは、はっさく大福のおいしさを多くの人に知ってもらおうと、
土日に車でパーキングエリアを回って、試食を配りました。
後になって、その時大福をもらった人が
お店に訪ねて来ることも多かったと、柏原さんは振り返ります。
現在、はっさく大福は、はっさくが収穫される
10月中旬~お盆頃までの販売です。
使用されているのは、水気の抜けたパサパサの実ではなく、
採れたてのジューシーなはっさくのみ。
「わしの子供や孫の代まで、
因島産のはっさく大福が作れるといいんじゃが
」
因島のはっさく農家は高齢化が進んでいて、
後継者がいない家も多いといいます。
柏原さんご自身がそうだったように、
今度は、はっさく屋のはっさく大福を味わった人が、
「これを未来に残したい」と感じて、
今後につながっていく動きが生まれると素敵ですね。
それにしても、「はっさく大福」おいしかったなぁ ♪