MUJIキャラバン

素材の味

2012年07月24日

お酒のおつまみと言えば、何を思い浮かべますか?

するめ、さきいか、あたりめ、イカの燻製など、
その多くがイカから作られていることに気付きます。

縄文時代の遺跡にコウイカ類の貝殻が多く出土していることから、
日本には少なくとも約1万年前からイカが食べられてきた歴史があるようです。

そんな深い歴史を持つ日本ゆえに、先述の乾珍味から、
刺身や寿司ネタ、イカの塩辛・沖漬などの生珍味まで、食され方も様々。

その加工のされ方によって、味や好みが変わるといっても過言ではありません。

イカは、イタリアやスペインなど一部の地中海沿岸の地域と、
東南アジア・東アジアの国々で昔から海の幸として食されていますが、
その消費量の約半分は日本が占めているんだとか。

ひと言でイカと言っても、
体長わずか25mmのヒメイカから、15m以上のダイオウイカまで。
その種類は450種ほどに及びます。

なかでも、世界の漁獲量の約80%を占め、
我々が多く口にしているのが「スルメイカ」。

「函館では朝から軽トラックが獲れたてのイカを売り回るため、
朝の食卓には当たり前のようにイカ刺しが並ぶんですよ」

そう教えてくださったのは、
無印良品「甘酢いか」「いかあしカルパッチョ」の生産者の山川さん。

「函館近海のイカは青年の年頃。
いわゆる、美味しい食べ頃のイカが獲れるんです」

山川さんがそう言われる根拠は、
日本近海のスルメイカは、主に九州より南海で秋~冬に生まれ、
主に日本海の対馬暖流、一部は太平洋の黒潮に乗って北上します。

北上しながら小さなプランクトンやイワシなどの魚を食べて成長し、
函館近郊に辿り着く頃には、十分に肉厚となるわけなのです。

こうして収穫された食べ頃の新鮮なイカを加工して作られるのが、
山川さんたちの製造する皮つきさきいか「函館こがね」。

ヒレ、胴体、足の3分割にされた部位のうち、
胴体部分をひらいて味付けし、焙焼の上、引き裂いた品です。

工場内には、焙焼されたイカの芳ばしい匂いが漂っており、
食欲をそそられます。

一方、足部分を使った商品で、
今から14年ほど前に無印良品で考案されたものが「甘酢いか」。

イカを使った新たな珍味が作れないかと、共同で開発された商品で、
当時は、酢に漬けたイカに対して半信半疑であったそうですが、
今やイカ珍味の定番となりました。

また、「いかあしカルパッチョ」は、
アメリカ大アカイカと呼ばれる、大きなイカを使った逸品で、
やわらかいアカイカの繊維を活かした逸品です。

どれも癖になる味わい。
イカは低カロリー、低脂肪なところもうれしいですね。

「できるだけ素材そのものの味を引き出すようにしています。
なぜなら、素材そのものの味は飽きがこないから。
お米を毎日食べていても飽きないのは、
そんな理由からじゃないでしょうか?」

山川さんのおっしゃる言葉に、
思わず首を縦に振っている自分がいました。

素材の味は、ひと言では言い表せません。
是非一度、ご賞味ください♪

  • プロフィール MUJIキャラバン隊
    長谷川浩史・梨紗
    世界一周の旅をした経験をもつ夫婦が、今度は日本一周の旅に出ました。
    www.cool-boom.jp
    kurashisa.co.jp

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