ニセコで出会った「のむヨーグルト」
北海道ニセコ町の泊まった宿で出てきた"のむヨーグルト"、
かなり濃厚なのに後味スッキリ。
この味の秘密を探るべく、早速、生産者の元を訪ねてみることにしました。
「ミルク工房」
高橋牧場で搾られたばかりの新鮮な牛乳をたっぷり使用した、
アイスクリームやのむヨーグルト、シュークリームなどが作られている場所です。
現社長の高橋守さんの父親が高橋牧場を始めましたが、
牛が増えていくなかで、牛乳を捨てなければならないシーンを目にし、
なんとか牛乳の加工をしていきたいと考えるようになったそう。
そして1997年、アイスクリームのお店からスタート。
現在は、牧場を高橋さんご夫妻とご長男が、
加工品の工房をご長女とご次男が管轄されています。
「商品を食べた人がどんな場所で作られているのか見てみたい、
そう思ってもらえるような商品づくりを心がけています」
とご長女の裕子さんは、私たちの来訪を喜んでくださいました。
工房のすぐ後ろに広がる広大な草原には朝方、
高橋牧場の牛たちが放牧されているそうです。
「ここに来て、うちの牛を見てもらうと、
『牛って何も考えてなさそうでいいなぁ。ストレスなさそう
』
って言われるんです。それが私たちにとっての褒め言葉なんです」
広い大地でのびのび育った牛の牛乳がおいしいのも納得です。
また、高橋牧場の牛たちは、ニセコの水と
彼らのために用意された土で作られた牧草を食べて育っています。
広大な土地を有する北海道では、牛の餌を自分たちで作れるんですね。
「ものづくりの際には、牛乳の素材を最大限活かすようにしています。
それは生産者だからこそできることだと思うんです」
そう話す裕子さんは、実は小さい頃から
乳製品アレルギーを抱えていたといいます。
薬をつけ続けたけれど治らず、最後にはもう効く薬がないと
お医者さんに見放されてしまいました。
そこで食事療法に切り替え、徹底的に「食」に向かい合い、
薬で治らなかったアトピーを8年かけて克服しました。
だからこそ、裕子さんは、食のありがたさや
食品の安全性に対して、人一倍敏感なのです。
原料となる牛乳はもとより、
その牛乳を生み出す乳牛の餌までも選び抜いていること、
それが生産者だからこそ生み出せる味であり、
ミルク工房の"のむヨーグルト"のおいしさの秘密だということを知りました。