あんこ
饅頭、羊羹、大福、どら焼き、おはぎ 。
日本を代表するような多くの和菓子には、
共通して「あんこ」が使われています。
Café & Meal MUJIの一部店舗でも、あんぱんが人気なのをご存じですか?
そこで使われている「あんこ」の生産現場、
北海道は十勝地方、池田町を訪ねました。
あんこの原料となる小豆は、
国内生産量の8割以上が北海道で作られており、
中でも十勝地方がその約半分を占めています。
夏の日照時間が長く、秋の涼しい気候、
そして、清流日本一にも選ばれたことのある札内川の軟水が、
良質な小豆を生み出すのです。
小豆は低温に弱く、冷夏の年は収穫量が落ち込みます。
そのため市場価格も変動しやすく、昔は投機商品の代表とされてきました。
「赤いダイヤ」と呼ばれるゆえんです。
一般にもハレの日の食べ物として、お正月や季節の節目に、
赤飯や小豆粥にして食べられてきました。
(ちなみに、北海道ではお赤飯には小豆ではなく甘納豆を入れるそう!)
このような小豆の食べられ方は、一面、合理性を持っています。
冬期、現在のように新鮮な野菜を口にするのが困難な時代には、
小豆に豊富に含まれるビタミンB1、B2、B6を補給することで、
健康維持、向上に繋がっていたのです。
また、小豆にはポリフェノールも多く含まれ、
抗酸化作用で病気の予防にも役立ってきました。
こうした働きを持つ小豆を、
かつて清流日本一にも輝いた札内川を源とする水を使い煮ます。
この煮加減で均一の柔らかさに仕上げるのが、職人の技。
畑によって異なる小豆の質を見極めながら、
絶妙の水加減や渋きりのタイミングが求められるのです。
そして、味付けにも熟練の技が活きています。
砂糖でも中ザラ糖と上白糖をブレンドしたもので味付けし、
わずかながらに塩を加えます。
それが甘みを際立たせる隠し味だそう。
極上のあんこの出来上がりです。
甘党の私も、その口当たり滑らかな優しい甘さのあんこに、
思わず舌を巻いてしまいました。
このお味は、
Cafe & Meal MUJIで販売中の「あんぱん」でぜひ、ご賞味ください♪
一つ、この日の取材で興味深いものを見つけました。
あんこの生産者にお話を伺っている時に、出して頂いた飲み物。
麦茶かと思って頂くと、微妙に色に赤みがかっています。
そう、これ麦茶ではなく、水に小豆の粉を混ぜたものだったのです。
小豆の煮汁から成分だけを取り出して粉にした「小豆の素」を、
少量、水に混ぜただけで、小豆風味のドリンクに様変わり。
あんこを作る際に出る煮汁には、
前述した小豆の成分がたくさん含まれているようです。
これまで捨てられていた煮汁を見直し、価値あるものとして生まれ変わらせる。
まさに、無印良品。
十勝の大地の恵みが、十勝で加工され、十勝で食される。
その土地の自慢の食べ物を、その地で食べるのが
一番おいしいことを実感する毎日です。
明日は、美瑛町の取り組みについてご紹介します。