水戸の美味しい納豆
水戸といえば納豆を思い浮かべますが、
事実、納豆の生産量全国1位は茨城県です。
そんな茨城県に、2012年納豆鑑評会で優秀賞に輝いた、
納豆の生産者がいると聞きつけました!
水戸納豆製造株式会社。
藁で包まれた昔ながらの「水戸納豆」の生産者です。
納豆鑑評会で評価されるポイントは、
「色」「形」「香り」「糸引き」「味」の5項目。
今年、全国から224点出品された中から、「大粒・中粒部門・国産大豆使用」で
見事、この水戸納豆製造の生産する「雪あかり」という納豆が優秀賞を獲得しました。
大豆が納豆菌に雪のように包まれていることから
「雪あかり」と名付けられたようです。
国産大豆の中でもワンランク上といわれる、宮城県産ミヤギシロメ大豆が使われ、
茨城県工業技術センターと共同開発した納豆菌を利用したことで、
見た目・味・糸引きが向上したとのこと。
確かに、今まで食べたことがないようなしっかりとした粒で、
糸引きも抜群でした。
そんな水戸納豆製造さんのこだわりの製造工程は、
蒸し上げた納豆に、じょうろで独自の納豆菌を植菌し、
手作業によって、独自のパッケージに詰められていきます。
昔ながらの「水戸納豆」は、風味にこだわり、一つひとつ藁に包んでいます。
そして、微妙な温度調整をしながら発酵させます。
大豆の品種やパッケージによって温度をコントロールするのが、
美味しい納豆を作るコツだそうです。
「菌は生き物なので、同じように作ったとしても、変わってしまうこともあるんです」
そう語るのは、四代目となる専務の高星さん。
納豆菌は、微妙な環境の違いで、活動具合が変わってしまうそうです。
豆の顔色をうかがい、豆と対話しながらの納豆作りは、まさに職人技です。
思えば、しょうゆにしても納豆にしても、
大豆を発酵させて作るという工程においては同様ですね。
ちなみに、納豆は混ぜて糸が引けば引くほど、美味しくなるといいますが、
実際は、ある程度混ぜたら、そう変わらないそうですよ。
日本の誇るべき食文化「納豆」は、
こうした職人たちによって作られていることを知りました。
ほしいも学校
ちょっとお腹がすいた時、
思わず食べたくなってしまう干しいも。
写真は、干しいもを作る際に出る切れ端を集めた、
無印良品の「スティック切れ端干しいも」です。
実は茨城県が国内産干しいもの9割近くの生産量を誇っていること、ご存じですか?
「茨城県でも、ひたちなか市を中心にした地域だけが、
干しいもに向いたサツマイモの品種を栽培するうってつけの土壌なんです。」
そう教えてくださったのは、
無印良品の干しいもの監修も務めている鬼澤さん。
甘くてやわらかい干しいもができる「玉豊」と「いずみ」という品種の生産は、
日本では、ひたちなか市界隈の黒土の土壌が、最も適しているそうなんです。
さらに、海が近いため、潮風に含まれる塩分(ミネラル)も高く、
芋を干すには最高の環境だそう。
5月に苗を植えて、10月に収穫したいもを、
約1ヶ月間貯蔵し、デンプンを糖化させます。
その芋を洗い、ふかし、皮を剥き、干すという、至ってシンプルな製造工程ですが、
芋は形が不ぞろいで機械化が難しく、すべて手作業で行わなくてはならないそうです。
そのため価格は高くなりますが、その分、愛情はこもっているとのこと。
「カリウムや鉄分、食物繊維、さらにはポリフェノールが多いんです」
おやつでも健康に良いものとして食べられるのは、うれしいですよね。
この伝統食のことをきちんと伝えていこうと、
この地域の干しいも生産者と、デザイナーの佐藤卓氏が共同で、
2年ほど前、『ほしいも学校』という本を出版しました。
干しいもの歴史から、成分、人体や環境との関わりまで、
徹底的に干しいもについて書かれた本です。
地域の学校にも置かれており、一部東京の本屋さんでも購入可能だそうです。
こうした取り組みで、
地域産業について多くの人に知ってもらい、地域の人が誇りを持つ。
これからの時代へのヒントを得たような気がします。
ちなみに、今年の干しいもは、例年にない良い出来のようですよ。
私たちも、道中のお供にしたいと思います♪