MUJIキャラバン

茨城の郷土料理

2012年04月27日

常陸大宮市でお世話になったお宅では、
茨城県のこの地方で食べられている郷土料理を
一緒に作らせていただきました。

「豆腐もち」(くるみもち)と呼ばれるもので、
お正月の三が日に、お雑煮の代わりに食べるのだそうです。

まず、くるみを割りやすくするため、温めます。

そのくるみを叩き割って、

中の実を取り出します。

ちなみにくるみは裏山で拾ったといいます。

くるみの実を軽く火で炙って、

自家製豆腐(市販の場合は木綿豆腐)と混ぜ合わせ、

砂糖適量と塩少々を加えてミキサーにかけ、くるみと豆腐のソースを作ります。

その間にお餅を焼いて、ソースを絡めれば完成です!

味は甘いスイーツそのもので、
くるみ風味のなめらかな豆腐ソースがとても美味しいのですが、
これをお雑煮代わりに食べるというのは、少し想像がつきにくい…かもしれません。

でも、ソースのベースが豆腐というヘルシーさがまたうれしいですよね。

また、「豆もち」と呼ばれる、あおのりとピーナッツの入ったおもちを
日常的に食べると聞いて、スーパーに行ってみると確かに置いてありました。

他にも茨城県は、そば粉の産地としても知られ、おそば屋さんも多く見かけます。

そばは痩せた土地でも育つため、
農業の盛んな茨城県では二毛作にうってつけなのだそう。

写真は「けんちんつけそば」と呼ばれる、郷土料理。

野菜や山菜がふんだんに入った、けんちん汁につけて食べるそばは、
農業大国の茨城県ならではの感じを受けました。

こうして見ていくと、食はまさにその地の特徴を表していますね。

皆さんの地域の独特な食べもの、食べ方など、情報をお待ちしています!

エビデンスのある野菜

茨城県取手市にある「シモタファーム」。

40年以上、ハーブを中心とした生野菜を生産している農家さんを訪れました。

「日本は先進国の中で、最も安全性に遅れている国です。
肥料と土づくりが遅れている」

そう語るのは、オーナーの霜田増雄さん。

霜田さんはもともと農家に生まれ、高校卒業後、農業の道に進みました。
その後、昭和41年にヨーロッパの有機農業とハーブを視察し、
それ以降、独自の栽培方法で野菜を育てています。

その方法とは、1つの作物を作る間に4回成分を調査するというもの。
まず、作物を植える前に畑の土の数値を測り、次に肥料を入れてまた測る。
今度はそうして出来上がった作物の数値を測り、
最後に作物を収穫した後の土を測るんだそう。

「すべてのデータを取っていれば、良いか悪いかが分かる。
悪ければ改善すればいいし、
数値を出さないと良いか悪いかが分からないからね」
と霜田さん。

実際にその味を試してみると、
これまで食べたことのある野菜とは全く違う、
口の中で野菜の存在感がバツグンに広がる味でした。

30年かけて土壌改良を続けてきた、霜田さんのデータ分析方法を用いれば、
どこの畑においても、美味しい野菜づくりができるそうです。

そして、霜田さんはこの技法をみんなに広めていきたいといいます。

「食べ物は、生きる権利がある人は誰でも食べるものだから、
みんながちゃんとした野菜を食べられないと意味がない」

この霜田さんの言葉を聞いて、特許は取っていないのか?
と、浅はかな質問をしてしまった自分が恥ずかしくなりました。

そんなシモタファームに行って、最初に感じたことは
「若い人が多いなぁ」ということです。

データ分析を担当している鈴木さんは、知人の紹介で霜田さんと知り合い、
農大卒業後、シモタファームに就職したそう。

他にも霜田さんの所には、若者たちが働きたい!と志願してくるというから、
農家=若手不足、後継者不足という、これまで思い込んでいた方程式が崩れました。

また、シモタファームでは、12年前からインドネシア国立大学の農学部の学生を
研修生として受け入れているそう。
彼らは単位を取るために住み込みで働いているのです。

1年間霜田さんのもとで学んだ学生たちは、インドネシアに戻り、
卒業後、農業の指導者や大学の教授になったりしているといいます。

霜田さんが生み出した栽培方法が、インドネシアでも実行されている
というから驚きですよね!

霜田さんが大切にしていることは、
「自分が作った野菜を食べた人が健康になること」

味はもちろんのこと、成分が数値によって立証されている野菜、
これこそが安心・安全、そして健康につながる野菜なのではないでしょうか。

  • プロフィール MUJIキャラバン隊
    長谷川浩史・梨紗
    世界一周の旅をした経験をもつ夫婦が、今度は日本一周の旅に出ました。
    www.cool-boom.jp
    kurashisa.co.jp

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