MUJIキャラバン

職人たちの作りだす、無印良品「ボーンチャイナ」

2012年05月25日

磁器は英語で「チャイナ」と呼ばれるように、そのルーツは中国。

中国から日本へと伝わった磁器は、有田や多治見、瀬戸、先述の九谷と、
日本各地で作られるようになり、やがてそれは海を渡るようになりました。

一方、磁器に適した陶石が採れなかったイギリスでは、
ボーンアッシュと呼ばれる牛骨灰を混ぜた陶器が開発されます。

それが「ボーンチャイナ」の由来のようです。

イギリスのウエッジウッドに代表されるように、高級洋食器として知られていますが、
その特徴は、光に当てると生地が透けるような高い透光性を備えています。

無印良品でも展開されている、この「ボーンチャイナ」。

今回はその生産地、石川県白山市を訪ねました。

ここは、原料加工→生産→出荷までを一手に担う、
国内では希少な生産工場です。

均一の品質を保つべく、原料加工やロクロ成形など、
機械が担える部分は機械が行っていますが、
驚いたのが、手作業による工程が想像以上に多いこと。

検品はもちろんのこと、難しい形の成形やうわぐすりがけまで、
多くの工程が人間の手で行われていました。

「人間の目は、最高のセンサーですから」

そう話すのは、陶磁器事業部の西岡さんと剱持さん。

「Made in Japanのものづくり体制として、
大量生産型ではなく、多品種少量生産型を基本に据えています。
それに対応するためにも、やはり人が担う役割は大きいんです」

そんな人の技術が重要視される工場ゆえに、
人の成長を促すための仕組みも準備されていました。

金バッジホルダーの従業員はシニアマイスター、
銀バッジホルダーの従業員はジュニアマイスターと呼ばれるそうです。

同じ作業の繰り返しの中でも、こうした明確な基準を定めることによって、
従業員のモチベーションを高めることにつながるのだと思います。

そして、何よりも追求されているのが、安全性。

人の目を通した徹底した検品体制はもちろんのこと、
安全性を担保したうわぐすりを利用するなど、
長く使い続ける食器ゆえに、安全面には徹底して力を入れているそうです。

最後に、生産者代表として、お二人の大切にしていることを伺いました。

「本質を追究することです。対症療法ではなく」
と西岡さん。

「ウソをつかないことです」
と剱持さん。

Made in Japanのクオリティは、お二人のようなものづくりに対する
真摯な姿勢から生み出されていることを知りました。

それにしても、これだけ人の手を介して、安全面を担保しながらも、
無印良品のボーンチャイナシリーズの価格を実現できているのは、
生産者の努力の賜物だと感じました。

店舗でボーンチャイナを見かけたら、
こんな国内生産者のことを思い出してみていただけたら幸いです。

金沢市のMUJIの意外な人気商品とは!?

石川県では、北陸の中核都市・金沢市内にある、
無印良品 めいてつ・エムザ店にお邪魔しました。

入り口を入ってすぐに目に入ったモノとは…

なんと傘やカッパなど、雨除けグッズです!

そう、ここめいてつ・エムザ店での人気商品は、
これらの雨除けグッズなんです。

金沢市内の中心地に位置する百貨店内の、
1F入り口付近に店舗を構えていることもあって、
急な天候変化にも、すぐ応えられるというのもあるかと思いましたが、

「弁当忘れても、傘忘れるな」

といわれるほど、石川県は雨が多いようなんです。

事実、石川県の降水日数は163日で全国4位。
(総務省統計局 『社会・人口統計体系』2009年)

ちなみに、富山県は170日で全国2位、福井県は161日で全国6位と、
北陸はもともと、雨の多い地域なんですね。

そんな雨の多い金沢市内では、
バスや電車の乗降口や、市内の各所に自由に使える傘が置いてありました。

この2009年から始まっている『eRe:kasa』と呼ばれるプロジェクトは、
金沢の街に『自由に使えて自由に返せる置き傘を』をコンセプトに、
本来だったら捨てられるはずだった忘れ物の傘などを利用し、
もう一度、大切に使うことによって、ゴミを減らす試みのようです。

雨の多い都市ならではの、素敵な取り組みですね。

ちなみに、無印良品には「しるしのつけられる傘」なんて逸品もありました。

これなら、どこかに忘れた時も見つけやすく、
傘の取り間違いなんてことも起きにくくていいですね♪

それにしても、店舗ごとの人気商品にも、
やっぱり、その土地柄が出るものです。

さて、他の店舗にはどんな人気商品があるのでしょうか!?

  • プロフィール MUJIキャラバン隊
    長谷川浩史・梨紗
    世界一周の旅をした経験をもつ夫婦が、今度は日本一周の旅に出ました。
    www.cool-boom.jp
    kurashisa.co.jp

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