うどん県のうどん事情
「このたび香川県はうどん県に改名いたします」
と斬新なキャッチフレーズで観光キャンペーンを打ち出したのは、
記憶に新しい2011年のこと。
事実、香川県民の家計における「うどん」の消費量はずば抜けており、
観光客も香川の魅力について、第一に「うどん」を挙げるというデータもあるそうです。
滞在した1週間のあいだ、うどんを食さない日はなかったぐらい、
うどん三昧の毎日を送った私たちでしたが、不思議と飽きがきませんでした。
それもそのはずで、その食べ方も具材も実に多彩。
釜あげにぶっかけ、しょうゆにダシ汁、カレーはもちろんのこと、
トッピングは肉、人気のちくわ天、ゴボ天、かきあげ、
なかにはたまご天なんていうものまで!
そのお店のスタイルも「一般店」をはじめ、「製麺所付属店」、
最近では「セルフ」といって、カウンターでうどんの玉数を注文し、
あとは自由にトッピングを加えることができるスタイルのお店も多く、
なかには、自分でうどんを湯通しするところもありました。
県内に700店舗ほどあるといわれるうどん店が、
しのぎを削り合っているわけなので、
そりゃどこもおいしいし、様々な創意工夫が生まれるわけです。
そもそも香川県でここまでうどんが食されるようになったのには、
その風土が大きく影響しているといわれています。
降水量が少なく、たびたび干ばつに悩まされてきた香川では、
お米の安定的な生産ができなかったため、代わりに小麦の生産に力を入れてきました。
また、19世紀はじめには全国の約90%の塩が瀬戸内海沿岸で作られていたほど、
香川でも塩づくりが盛んでした。
さらに、先日ブログにアップした良質な小豆島の醤油、
豊富な瀬戸内海産のダシの素になるイリコ(カタクチイワシ)と、
うどんの原料となる素材が手に入りやすい環境にあったのです。
つまり、香川ではうどんは米の代用食のようなものだった様子。
これが、昭和45年の大阪万博で「讃岐うどん」の名が全国に広まり、
その後の瀬戸大橋開通などによって、店舗展開に拍車がかかったそう。
今ではその圧倒的な安さとおいしさゆえに、
他の外食麺レストランの進出は困難だそうです。
それにしても、なぜ讃岐うどんはここまでおいしいのでしょうか?
せっかくなので、讃岐うどんの本場、琴平町で、うどん打ちを体験してきました!
まずは中力粉に食塩水を加え、全体にまぶしていきます。
この食塩水の塩加減を、冬<春秋<夏と変えることが、
年間を通してコシのあるうどんに仕上げるポイントだそう。
そして、しっかり手でこねあげたら、それを袋に入れて足踏み。
これがコシの強さを生みます!
その後、ある程度(季節に応じて1~3時間)寝かせて熟成。
これに打ち粉を振りかけて手で広げ、麺棒で延ばしていくんです。
麺棒を生地に巻きつけながら前方に押し出すように延ばし、
そのまま生地を浮かせながら手前に戻すという「すかし打ち」は、
讃岐独特の高度な技法だそうです。
こうして均等に延ばした生地を重ね、3~5mm間隔で切っていきます。
これをたっぷりのお湯の中に入れて茹でること約10分。
讃岐うどんの完成です!
これをダシ汁で食べるもよし、ぶっかけで食べるもよしですが、
今回はしょうゆで頂きました。
つるつるしこしこの麺は、
ちょっとした味付けだけで極上の味でしたよ♪
その土地に根ざした食には、
その土地ならではの背景、秘伝がありました。
うどん県での人気商品とは!?
そんなうどん県の県庁所在地にある
「無印良品 高松店」の人気商品はなんと
、
自転車でした!
平地の多い高松市内では、自転車で通勤・通学する方も多いんだそう。
高松店は、市街地の中心地にあるため、
自転車を買って、すぐに乗って帰るお客様もいらっしゃるそうです。
なかには、三輪車から始まって、16→20→26インチと
ずっと無印良品の製品を使い続けてくださる方も!
おいしいうどんをたくさん食べて、自転車で消費する。
これがうどん県のライフスタイルなのかもしれませんね!