青いだるま
昨日に引き続き、こちらも来年の福缶に入る縁起物のひとつ。
各地にあるだるまの中でも個性際立つ、
「松川だるま」です。
言い伝えによると天保年間(1830~1844年)に、
伊達藩の武士である松川豊之進が創始したもので、
名前をとって「松川だるま」と呼ばれるようになったのだとか。
特徴的な群青色は、空と海の色で袈裟(けさ)を表し、
また、お腹の部分には宝船や大黒様、松竹梅が描かれ、
さらには金で装飾が施されており、めでたいづくしの縁起物といえますね。
以前、群馬の高崎だるまを取材しましたが、
その時見ただるまとはどうも形状が異なるような
。
左のだるまが「高崎だるま」で、右が「平塚だるま」
まゆ毛の形とひげの形は異なるものの、本体の形状はほぼ同じです。
というのも、だるまはもともと実在の人物、
達磨大師がモデルになっているから。
しかし、今回お目にかかった「松川だるま」はなんだかスリムな気がします。
「仙台のだるまは、伊達政宗公がスリムだったからスリムなんですよ。
あとは政宗公が片目を悪くしているので、
だるまには両目を入れて、四方八方まで見守ってもらおうと、
うちのだるまは最初から両目が入っているんです」
10代目として継承されている、本郷ご夫妻の奥様尚子さんが
そう、教えてくださいました。
同じようで違うもの。
こうなったら、全国のだるまさんを並べてみたいものです。
ちなみに、私たちが訪れたこの日は、だるまの底につける重りを作る日。
工房の前にはドーナツのようなものがたくさん乾かしてありました。
この重りをつけることで、
だるまは転がしても起き上がることができるのです。
庶民の心の拠り所として作り出されたという松川だるまは、
倒れても起き上がり、
昔も今も変わらず、両目でしっかりと見守っていてくれます。
何が入っているか開けてみるまで分からない、福缶。
いずれも職人さんたちが、ひとつひとつ心を込めて手づくりしている品々です。
みなさん、気になるものはありましたか?
写真だけだとその魅力はまだまだ伝わらない!
来年実物に会えるのをご期待ください。