神話の里
神話の里といわれる宮崎県といえば、
高千穂を思い出す方も多いのではないでしょうか。
高千穂町にある高千穂峡は、
なんと約12万年前と約9万年前の2回の阿蘇火山活動の時に
噴出した溶岩流(火砕流)を五ヶ瀬川が浸食した侵食谷。
上流の窓ノ瀬から下流の吐合間が中心で、1934年11月10日に
五ヶ瀬渓谷(ごかせがわきょうこく)として、
名勝及び天然記念物に指定されています。
この日の高千穂峡は残念ながら、台風のため、濁流でした。
ボートから望む滝を楽しみにしていたのですが、ボートは中止
。
でもこの景色だけでも圧巻でしたよ!
この七ッヶ池(ななつがいけ)は、まるで時が止まっているような場所。
この高千穂峡だけでも、神話があちこちに書いてありました。
この土地に神話がたくさん残っているのも納得です。
傘も飛ばされる嵐のなかでしたが、
景色とともに神話を想像しながら時間を過ごしました。
特別な何かがありそうな高千穂エリアには、神社もたくさんあります。
まずは、高千穂神社へ。
創建は1900年前にさかのぼるという高千穂神社は、
「高千穂皇神社」として「続日本紀」にもその名が見られる歴史ある神社です。
天孫降臨の地と神話がある高千穂の八十八社の総鎮守。
夫婦が手をつないで周囲を3度回ると
夫婦円満・家内安全・子孫繁栄の願いが叶うという
樹齢800年以上の「夫婦杉」がどどーんとお出迎えしてくれました。
2本の大木が、根元で一つにつながっていることから、この名がつけられたそう。
私たちキャラバン隊も2人で回ってきました。
それから、天岩戸神社へも行きました。
相変わらずの土砂降りで、しばし雨宿り。
雨が落ち着いてから、神社からさらに奥へ10分ほど進むと、
天の安河原と呼ばれる場所があります。
ここは、神話に登場する天照大神の岩戸隠れの際に、
八百万の神々が策を練るため集ったとされる場所だそうです。
鳥居の周りで石を積んで願い事をすると叶うというのですが、
残念ながら、濁流のためこれ以上は近づけず
。
いつかまた出直したいです。
さて、高千穂町では毎年11月中旬から2月上旬にかけて、
町内のおよそ20の集落でそれぞれ氏神を民家等に迎えて奉納する
「夜神楽(よかぐら)」が行われています。
天照大神が天岩戸に隠れた際に、岩戸の前で、
あめのうずめのみことが舞ったのが始まりと伝えられるもので、
古くからこの地方に伝承され、秋の実りへの感謝と翌年の豊穣を祈願するのです。
夜神楽には33の番付があり、夕方から始まり翌日の昼前まで
舞い続けられるそうですよ。
世界を見ても、こんなにも長時間にわたって演ずる舞台はないんだとか。
高千穂神社の神楽殿では年間を通じて、
毎晩代表的な4番を観ることができるというので行ってきました。
写真からも伝わるでしょうか? 勢いのある舞いです。
後半は、舞台を降りて観客を巻き込むシーンも。
神聖なものとわかっていながらも、笑いも起こる、そんな舞台でした。
昔から、この神楽で、自然に感謝しながら豊作を祈り、
自然とともに生きてきた文化があり、
それが今も伝承されているところに、人々の願いの強さを感じます。
そして、それこそがこの土地のパワーになっているのではないのでしょうか。