MUJIキャラバン

神話の里

2012年09月11日

神話の里といわれる宮崎県といえば、
高千穂を思い出す方も多いのではないでしょうか。

高千穂町にある高千穂峡は、
なんと約12万年前と約9万年前の2回の阿蘇火山活動の時に
噴出した溶岩流(火砕流)を五ヶ瀬川が浸食した侵食谷。

上流の窓ノ瀬から下流の吐合間が中心で、1934年11月10日に
五ヶ瀬渓谷(ごかせがわきょうこく)として、
名勝及び天然記念物に指定されています。

この日の高千穂峡は残念ながら、台風のため、濁流でした。
ボートから望む滝を楽しみにしていたのですが、ボートは中止…。
でもこの景色だけでも圧巻でしたよ!

この七ッヶ池(ななつがいけ)は、まるで時が止まっているような場所。

この高千穂峡だけでも、神話があちこちに書いてありました。
この土地に神話がたくさん残っているのも納得です。

傘も飛ばされる嵐のなかでしたが、
景色とともに神話を想像しながら時間を過ごしました。

特別な何かがありそうな高千穂エリアには、神社もたくさんあります。
まずは、高千穂神社へ。

創建は1900年前にさかのぼるという高千穂神社は、
「高千穂皇神社」として「続日本紀」にもその名が見られる歴史ある神社です。
天孫降臨の地と神話がある高千穂の八十八社の総鎮守。

夫婦が手をつないで周囲を3度回ると
夫婦円満・家内安全・子孫繁栄の願いが叶うという
樹齢800年以上の「夫婦杉」がどどーんとお出迎えしてくれました。

2本の大木が、根元で一つにつながっていることから、この名がつけられたそう。
私たちキャラバン隊も2人で回ってきました。

それから、天岩戸神社へも行きました。

相変わらずの土砂降りで、しばし雨宿り。

雨が落ち着いてから、神社からさらに奥へ10分ほど進むと、
天の安河原と呼ばれる場所があります。

ここは、神話に登場する天照大神の岩戸隠れの際に、
八百万の神々が策を練るため集ったとされる場所だそうです。

鳥居の周りで石を積んで願い事をすると叶うというのですが、
残念ながら、濁流のためこれ以上は近づけず…。
いつかまた出直したいです。

さて、高千穂町では毎年11月中旬から2月上旬にかけて、
町内のおよそ20の集落でそれぞれ氏神を民家等に迎えて奉納する
「夜神楽(よかぐら)」が行われています。

天照大神が天岩戸に隠れた際に、岩戸の前で、
あめのうずめのみことが舞ったのが始まりと伝えられるもので、
古くからこの地方に伝承され、秋の実りへの感謝と翌年の豊穣を祈願するのです。

夜神楽には33の番付があり、夕方から始まり翌日の昼前まで
舞い続けられるそうですよ。
世界を見ても、こんなにも長時間にわたって演ずる舞台はないんだとか。

高千穂神社の神楽殿では年間を通じて、
毎晩代表的な4番を観ることができるというので行ってきました。

写真からも伝わるでしょうか? 勢いのある舞いです。

後半は、舞台を降りて観客を巻き込むシーンも。

神聖なものとわかっていながらも、笑いも起こる、そんな舞台でした。

昔から、この神楽で、自然に感謝しながら豊作を祈り、
自然とともに生きてきた文化があり、
それが今も伝承されているところに、人々の願いの強さを感じます。

そして、それこそがこの土地のパワーになっているのではないのでしょうか。

  • プロフィール MUJIキャラバン隊
    長谷川浩史・梨紗
    世界一周の旅をした経験をもつ夫婦が、今度は日本一周の旅に出ました。
    www.cool-boom.jp
    kurashisa.co.jp

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