MUJIキャラバン

飫肥杉とともに生きる

2012年09月13日

宮崎県南部に位置する、日南市(にちなんし)。
市の面積の約78パーセントを森林が覆い、
その多くは飫肥杉(おびすぎ)に占められています。

江戸時代に飫肥藩によって植えられたそれらの木は、
まるで運動会に整列する園児のようにズラリと並んでいました。

なかでも、日南市北郷町(きたごうちょう)の森林は、
全国で48ヵ所ある「森林セラピー基地」に認定されています。

「森林セラピー基地」とは、
森林浴によるリラックス効果があり、血圧低下や身体の免疫効果向上など
心身を癒やす効果が高いことが科学的に実証されている地域のこと。

この基地を活用して、北郷町では
「森林ノルディックウォーキング」や「森林ヨーガ」などの
セラピープログラムを実施しています。

このプログラムの企画・運営を行うのが、「NPO法人ごんはる」。

森林セラピーの他にも、地元にあるモノを活かしていこうと、
様々な商品開発および一部製造と販売までを一手に担っています。

スタッフの方が使っていたこのバッグも
彼らが手掛けた商品のひとつ。

すれ違ったら、おもわず二度見してしまうほど
異彩を放っていました!

実際、出張で県外に行くとよく声をかけられるんだそうです。

「木を身近で利用したい」という想いがキッカケで
飫肥杉を使った商品開発に及んだという姫野さん。

飫肥杉は、樹脂を多く含んでいるため水を吸収しにくく、
軽量で強度が高く、曲げにも強いことから
造船用として盛んに利用されていた過去もあり、
バッグにはもってこいの資材だったのです。

また、傷や汚れがついても磨けばまた元通りになり、
さらに杉の香りも楽しめるのが特徴です。

また、こちらのランプも、同じく飫肥杉を使ったもの。
地元住民と一緒に作り出したものだそうです。

灯りを点すと、うっすら木目が浮き上がり、
部屋の中でも、木のぬくもりを感じることができます。

「地元の人には、この杉が当たり前になってしまっているので、
むしろ地元以外の人や都会の人に、木の魅力を発信していきたいと思います」

そう話す姫野さんたちは今日も、飫肥杉と向かい合って生きています。

  • プロフィール MUJIキャラバン隊
    長谷川浩史・梨紗
    世界一周の旅をした経験をもつ夫婦が、今度は日本一周の旅に出ました。
    www.cool-boom.jp
    kurashisa.co.jp

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