同じようで違う、無印良品のキャンプ場
「嬬恋は"湖畔の野原"、南乗鞍は"山間の高原"とたとえるならば、
津南は"里山の森"ですよ」
無印良品キャンプ場スタッフにそう教えられ、
やってきたのは6月上旬に今シーズンが始まったばかりの
無印良品津南キャンプ場。
これでキャラバン隊、無印良品3つのキャンプ場制覇です!
そう、無印良品のキャンプ場の歴史は、
ここ津南で1995年に幕を開けました。
すぐ裏に山伏山がそびえる立地は、
確かに里山の森の中のキャンプ場といった印象です。
その地を知り尽くした地元出身のスタッフたちで運営されていることもあり、
そこでの滞在はとても濃いものとなりました。
まずはキャンプサイト選びから。
眺望、間取りなどを考えながら、場所を絞っていきます。
こうして居住地を選んでいく様は、
人間が昔から繰り返し行ってきた営みなんですよね。
吟味して決めたサイトに、
みんなで協力して、テントやタープを張っていきます。
家づくりも、元来、共同体の重要な営みでした。
こうして見晴らしのいいアジトが出来あがりました!
完成するや否や向かった先は、晩ご飯の調達。
「晩飯は、ここで採れるかにかかってますから」
そうスタッフに告げられ、道なき道をどんどん山奥へと入っていきます。
すると、ありました!
「根曲がり竹」です。
主に東北や北陸といった豪雪地帯の山地に群生する
タケノコの一種です。
これを手で根もとの方からもぎ取ります。
「津南キャンプ場の魅力は、何といっても
山菜やタケノコといった山の恵みですから」
思わず時を忘れて、山菜・タケノコ採りに没頭していました。
汗だくになりながら、みんなでこれだけの晩御飯を集めましたよ♪
大漁!大漁!一食分には十分すぎるぐらいです。
灰汁が少なく、そのまま食べられるため、
晩御飯では、姿焼にしたり、
炊き込みご飯にしたり、
味噌汁に入れたりと、大盤振る舞いで頂きました。
どれも本当に絶品!
なかでもお味噌汁は、今まで食べたことのない出汁が出ていて、
癖になる味わい。
それもそのはずで、このお味噌汁、
なんと鯖の缶詰を入れてあるんです。
この根曲がり竹と鯖の缶詰を入れたお味噌汁は、
長野県の北信地方と、新潟県の上越地方の山間部の郷土料理だそう。
私たち、完全にハマってしまいました。
こんな山の恵みを共にしたら、お酒も進みます。
乾杯!
津南キャンプ場では、今年お酒のセレクションを、
地ビールはもちろん、世界各国の瓶ビールを取りそろえています。
大自然に囲まれながら飲むビールの味は格別ですよ!
夜は火を囲いながら、また語らい合いました。
旅のこと、津南のこと、それぞれのこと。
深夜まで話題が尽きることはありませんでした。
思えば、火を囲って暖をとるのも、
古来からの人間の営みには欠かせないものですよね。
火という自然が放つエネルギーを囲うことによって、
素の自分をさらけ出したくなる気持ちになるのかもしれません。
翌朝も、自然の恵み豊かな津南らしい朝食をとりました。
津南キャンプ場には、他にも、
カヌー・カヤックで全面を漕いで回れる広い湖もあります。
新しくラフティング用のラフトボートも導入され、
暑い夏にはもってこいのアクティビティになりそうですね!
「地元出身のスタッフたちなので、地元の話ができる。
それが何よりも津南キャンプ場の魅力です」
そう語る津南キャンプ場のスタッフたちは、
アウトドアの熟練で、元気いっぱいの方たちでした!
"湖畔の野原"のカンパーニャ嬬恋キャンプ場、
"山間の高原"の中の南乗鞍キャンプ場、
"里山の森"の中の津南キャンプ場。
どこも大自然に囲まれた環境ながら、
その魅力は同じようで、ひと味もふた味も違っていました。
自然は語るものではなく、感じるもの。
今年の夏、是非、無印良品のキャンプ場で、
外遊びしてみませんか?
アウトドアを日常に
新潟県三条市の山間部にその会社はありました。
株式会社スノーピーク、日本のアウトドアメーカーです。
私たちがキャンプ場で使わせてもらったテントや、
写真(下)のアイアングリルテーブルもスノーピークのもの。
三条市は全国的にも金物工業が有名ですが、
スノーピーク社ももともとは金物問屋だったそうです。
登山が趣味だった初代社長が、出入りしていた金物屋に
オリジナルの山道具を作ってもらったことが
アウトドアメーカーとしての始まりなんだとか。
今でも三条市に本社を置くワケを
「ここにはスペシャルな技術を持っている企業が周りにたくさんいますから。
それがモノを作り続ける我々の武器でもあります」
と、販売促進課の片山さんは話してくださいました。
これは世界でも有数の技術を持つ、
燕三条の技術が生んだピカピカのステンレスマグ。
驚くほど軽くて丈夫、そして、研ぎ澄まされたこのデザインですから、
キャンプだけでなく、フェスを楽しむ若者にも人気だそうです。
さらに、分解できるこのお箸。
細い方を太い方にしまえるため、携帯もでき、かつ、衛生的。
海外でも大人気の商品だそうです。
このスノーピーク社ですが、実は1年ほど前に
長年の夢を叶えました。
それは、本社を移転して、キャンプ場の中に置いたのです。
「私たちの商品コンセプトは、『自分たちが欲しい物を作る』。
そのためには、こういう環境で仕事をしないとダメなんです。
社員がユーザーさんより遊んでないとね!」
日焼けしてTシャツの似合う片山さんが発したこの言葉には
とても説得力がありました。
三条市の技術を結集し、海外でも注目される企業へ。
「アウトドアを日常にするのが理想です。
将来的にはアウトドアという言葉をなくしたい」
片山さんがそう語るように、
スノーピーク社のあくなき探求は続きます。