MUJIキャラバン

知られざる瀬戸内の恵み

2012年12月06日

「瀬戸内の魚はおいしいですよ!」

この旅路でも幾度となくそうオススメされてきましたが、
ママカリをはじめ実際、本当においしい魚が多い印象です。

そんな瀬戸内海の鮮魚が集まる
岡山県倉敷市の「玉島魚市場」へお邪魔しました。

続々と運び込まれる魚には、

サゴシからタラ、フグに幻の魚と呼ばれるアコウまで。

玉島魚市場の営業・事務リーダーの佐藤真理子さんに、
魚市場の仕事のやりがいを伺うと、

「日本全国、果ては世界各地の魚介類を扱っているので、
職場にいながらにして世界中を感じられる職業なんです。
気仙沼の塩辛業者さんの作るイカの塩辛が、
震災後の10月に再入荷した時にはスタッフみんなで大喜びしたんですよ」

自分の居場所にいながらも、他の地域のことも常に考えていられる、
そんな職場なのかもしれませんが、その思慮の深さに感銘を受けました。

今回、この魚市場にお邪魔したのは、
Found MUJIでも取り扱っている小魚チップスの生産者、
エフピー通販の真田社長が、小魚の買い付けに訪れたから。

「瀬戸内の魚に育てられた身なので、魚市場はわくわくしますよね」

と、話された時の柔和な笑顔がチャーミングな方です。

瀬戸内海沿岸の漁業の町で生まれ育った真田社長は、
漁師たちが売り物にならない小魚を処分しているのを目にしてきたそう。

ただ、知人に「魚は骨が味わい深い」ということを教わり、
骨まで食すことができる小魚をもっと有効活用することができないかと、
4年ほど前から、瀬戸内の小魚チップスの製造販売を手掛け始めました。

「雑魚(ざこ)って言いますでしょ。選り分けられていない
いろいろな種類の入り混じった小魚たちです。価値がない魚として、
ほとんど市場に出ないんですよ。でもこれがおいしいんです」

そう話す真田さんに、
実際に小魚チップスを作っていただきました。

200℃以上に温められたプレス機で、焼かれること10~20秒。
パチパチと音を立てながら、香ばしい匂いが周囲に広がります。

  • あっという間に、小魚100%のチップスが出来あがりました。

    その食感に、骨の感覚はまるでなく、
    味付けしていないのに、自然の塩味がほのかに口に広がりました。

    「おいしいですね!」

    思わず唸っていると、
    真田さんはすかさず次のチップスの焼きに入っていました。

    小さいイカも、この通り。

    パリパリに仕上がっていて、また違った風味がして一度食べだすと止まりません。

    「これなら魚離れの子供たちにも食べてもらえるでしょ。
    食育の観点でも大切なことだと思っています」

    実際、各地でチップスの実演販売を行っている真田さんは、
    その手応えを感じていらっしゃるそうです。

    また、チップスに加工できないぐらいに細か壊れたり粉になった雑魚については、
    ペット用の餌を作る生産者に卸されていました。

    真田社長は、この取り組みに対する想いをこう語ります。

    「一つには、おいしい魚を余すことなく届けたい。
    二つには、世の中に埋もれている価値あるものを知らせたい。
    育ててくれた瀬戸内海に対して恩返しできればと思っています」

    そんな真田さんの想いがたくさん詰まった小魚チップスシリーズは、
    Found MUJIを扱う一部の無印良品でもお買い求めいただけます。

    子供のおやつにも、お酒のつまみにも、
    はたまた健康食としても、もってこいです。
    ぜひ、一度ご賞味ください♪

  • プロフィール MUJIキャラバン隊
    長谷川浩史・梨紗
    世界一周の旅をした経験をもつ夫婦が、今度は日本一周の旅に出ました。
    www.cool-boom.jp
    kurashisa.co.jp

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