良い石鹸
江戸時代、生活物資の多くが集積し、
それを全国の消費地へと送っていた大阪は、
「天下の台所」と呼ばれていました。
その名残からか、大阪は今もものづくりが盛んです。
そのうちの一つが「石鹸」。
石鹸の起源は紀元前にまでさかのぼるようですが、
日本に伝わったのは種子島に鉄砲が伝来した頃といわれています。
明治初期には、日本で本格的に石鹸生産が始まりましたが、
当時は高価なもので、一般的に普及していったのは明治後期以降のこと。
CMソングで知られる「牛乳石鹸、良い石鹸♪」が大阪に誕生したのもその頃で、
当時から既に日本の石鹸産業の中心地は大阪でした。
そんな地で、創業以来、
天然素材と伝統製法で作り続ける石鹸メーカーがありました。
桶谷石鹸株式会社。
伝統の釜炊き製法で作られる、
無添加・無着色・無合成界面活性剤の国産純正石鹸です。
「グツグツ、ポコポコいってるのが聴こえるやろ。
今、石鹸が良い石鹸になりたいって、ワシに語りかけてきてるんや」
と、まるで我が子のことを語るかのように石鹸のことを話すのは、
2代目の桶谷正廣さん。
蒸気を吹き込みながら煮込まれた原料は、
ちょうど界面活性剤の一種、石鹸へと変化を遂げる過程でした。
「常に自然環境は変わるやろ。
毎日同じ作り方しとっても、同じ変化はしてくれへん。
だから舐めて味を見たり、五感を使って確かめるんや」
桶谷さんが使う原料は、牛脂とヤシ油、苛性ソーダに食塩水のみなので、
舐めても刺激を感じることはありません。
さらに排水後、成分は1日以内にバクテリアによって分解されるため、
環境に負担をかけることもないそうです。
現在、一般に多く流通している、香料など化学成分が添加されている合成洗剤は、
バクテリアによる自然分解に時間がかかるうえ、その歴史も浅いため、
何世代にもわたり使い続けた際の人体や生態系への影響は
まだ判明していないのが実態だそう。
「合成洗剤は安くて、匂いや効果など即効性があるように感じる。
一方の石鹸は、体に刺激を与えない。敏感肌の人はすぐ分かるで」
桶谷さんは、石鹸は漢方薬のようだと話します。
「良い石鹸を使い続けることで、冬場の肌のトラブルなどを緩和してくれる」
その自信はあると語ります。
6~7時間ほど炊かれた釜には、
できたてホヤホヤの石鹸の姿がありました。
これを2~3日枠に入れて成型し、カットして自然乾燥させ、
製品となって出荷されていくのです。
「何も語らんけど、かわいいやろ」
できたての石鹸を眺めながら微笑む桶谷さんは、
まさに石鹸の父親の表情をしていました。
自然にも体にも優しい桶谷石鹸には、
作り手の優しさがにじみ出ているかのようでした。
西の旗艦店で人気の逸品!
大阪の二大繁華街の一つ、ミナミの玄関口「難波(なんば)」。
その一角の一等地に、無印良品難波店がありました。
難波センタービルB2~3Fの5フロアを占有する
無印良品、関西の旗艦店です。
B2フロアには、Cafe&Meal MUJIのレシピ本で知られる
松岡シェフが腕を振るう『Meal MUJI』を構え、
食品コーナーには、
全国の良品が集められた「Found MUJI」のラインナップが展開されています。
上階は、ゆったりとした店舗スペースをふんだんに活かしたレイアウトで、
ファーニチャーを扱う3Fでは、収納アドバイザーの相談を受けながら、
オーダー家具の注文をすることもできます。
これだけ大きな無印良品の人気商品とは一体、何でしょう?
さぞかし大きな商品が人気だろうと思いきや、
スタッフさんにご案内頂いた先は
、
なんと化粧品コーナーでした!
そして、その手に持っている人気商品はなんと、
「洗顔用泡立てネット」!
空気と水分をたっぷりと含ませ、石鹸を包むようにしてよく揉むと、
ふわふわの泡ができ、優しく洗顔ができる逸品です。
奇遇にも石鹸つながりの商品でした。
それもそのはずで、
店舗面積の広い難波店では、ビューティー&コスメコーナーで、
よく泡立て方のデモンストレーションも行っているんだそう。
情報に敏感なエリアに位置しているがゆえに、
お客さんにもスキンケアに敏感な方が多いのかもしれませんね☆