有田焼カレー
佐賀県有田町(ありたちょう)は、
ご存じ有田焼の産地として知られています。
今回、私たちが有田町を訪れることをTwitterでつぶやくと、
「有田焼カレーをぜひ!」との返信が寄せられました。
「有田焼カレー」
有田焼の器に入ったカレーなのか、
それとも有田で作られた焼きカレーなのか!?
答えはこれでした。
「創ギャラリーおおた」さんで提供されている、
有田焼の器に入った、焼きカレー!!
なんともコクのある味わいで、
上にのったチーズとの相性も抜群です♪
しかも、メニューによっては、
この有田焼の器を持ち帰れるんだそうです。
ひと口食べて、フラッシュバックしました。
あれ? 私、この味知ってる !
実は東京・中目黒に「アンティロミィ」という姉妹店があって、
そこで数年前に食べた味だったのです!
興奮してそれを店員さんに伝えると、
奥から1人の女性が出てきました。
有田焼きカレー開発者の太田浩美さんでした。
埼玉県出身の浩美さんは、有田焼が好きで
昔からよく有田町に遊びに来ていたんだそうです。
そして、ご縁あって有田焼の商社を営むご主人と結婚。
「大好きな有田のために何か自分が貢献できることはないか?」
そう考えた浩美さんは、18年前に作家さんの作品を紹介する、
ギャラリー兼カフェを始めました。
「得意だったケーキとパンからスタートしたんですが、
ランチ希望のお客様が多くて。
お友達にあなたのカレーはおいしいからそれを出してみたら
って勧められて、カレーを出すようになったんです」
当初は、"カレードリアンコース"というメニューで提供されており、
また、カレーのコースメニューというのも珍しく、
人気があったそうです。
その後2007年に、佐世保バーガーを全国的ヒットに導いた
元JR佐世保駅駅長の西田辰美さんが、JR有田駅駅長に就任され、
西田さんとその他有田を愛するメンバーと一緒に
有田の魅力を発信していく「有田ハートプロジェクト」を発足、
浩美さんのカレーを"駅弁"として販売していくことに。
すると、それは有田焼ファン、カレーファン、
駅弁ファンを中心に、次々と口コミで広がり、
2011年には、全国駅弁ランキングで1位になるまでの
人気メニューになりました。
有田駅構内のキヨスクで販売していますが、
その場で温めてくれるそうです。
また、有田焼の器ごとの販売なので、
お土産として買っていかれる方も多いんだとか。
ところで、カレーをお弁当にしてしまう発想自体が斬新ですが、
カレーは持ち歩いても大丈夫なのでしょうか?
「普通カレーは添加物が入っていないと3日程度しかもちませんが、
うちのカレーは使っている水が特徴で、
冷蔵庫で1週間保存しても検査を通りましたから」
有田焼カレーは、28~31種類のスパイスを
科学者が開発した蘇生水で1週間かけてじっくり煮込んだもの。
もともとマクロビオティックを勉強していた浩美さんが
健康食として考え出した薬膳カレーだったのです。
また、もちろん他の原料にも気を遣っていて
お米は有田の棚田米、牛は佐賀牛と
「日本で一番原価の高いカレーかもしれません(笑)」
と浩美さん。
佐賀で再会した、有田焼カレーは、
新たに考えられたご当地グルメではなく、
これまでもその地にあったものを活かし、
食と器を同時に楽しめる、一度で二度おいしい絶品でした☆