MUJIキャラバン展
「同じようで違うもの、違うようでおなじもの」
MUJIキャラバンで掲げていたテーマの一つです。
狭いといわれる日本の中にも、
異なる風土や気質、歴史から生まれた多様な生活文化が存在します。
MUJIキャラバンでは、実際に日本各地をめぐることで
"同じようで違う、違うようで同じ"という、
それぞれの風土に根ざした"個性"を発見することができました。
その一部をご紹介させていただく展示会を、
無印良品 有楽町店2F ATELIER MUJIにて
7月26日(金)~9月1日(日)まで開催しております。
会場には、同じ名前を持ちながらも、各地の風土や歴史によって
異なる進化を遂げてきた「同じようで違うもの」を、
実際に展示させていただいております。
いつの時代にもくらしに寄り添う陶磁器は、
その地で採れる土を用い、異なる釉薬、技法で作られる、
「同じようで違うもの」の代表格ではないでしょうか。
また、縁起物として知られる「だるま」も、
養蚕の盛んだった松本では、眉が繭をモチーフにしていたりなど、
各地の歴史によって姿形が異なり、どれもとてもユニークです。
かつてどの地域でも日用品として作られていた「和紙」は、
現代のくらしにも活かされるよう、様々なものへと進化を遂げていました。
グローバルで均一化されていく現代社会ですが、
こうした地域ごとの微差を大切にし、楽しんでいくことも、
くらしを少し豊かにしていくヒントのように思います。
また、それらを生み出しているのは、
その地に根ざしながら、不断の努力を惜しまずに、
現代のくらしに合わせて工夫と改良を重ねる職人たちです。
今回の展示会では、キャラバンで出会った各地の職人もお招きして、
各種ワークショップも開催させていただきました。
第1弾は、
香川県から全国でも希少な木型職人、市原吉博(よしひろ)さんをお招きしての、
「かわいい菓子木型で作る、まろやか和三盆」のワークショップ。
和三盆とは、主に香川県と徳島県で生産されている、
まろやかで口溶けのよい砂糖で、和菓子づくりには欠かせない存在です。
そんな和三盆を、市原さんが作った菓子木型に詰めて抜くだけで、
とてもかわいい干菓子のできあがり!
大人から子供まで楽しんでもらえるワークショップで、
参加者のみなさんも、コロンと和三盆が木型から出てきた瞬間には、
歓声が上がるほどでした。
作った和三盆はお土産として、お持ち返りいただきました。
第2弾は、
岐阜県関市より、刀づくりで発展した鍛冶の技術を、
ハサミ製造に活かしている長谷川刃物(株)さんをお招きして、
ワークショップ「ギザギザはさみで切り絵を作ろう」を開催。
ギザギザに切れたり、ナミナミに切れたりするハサミを使って、
「海」をテーマに、子供たちに自由に創作していただきました。
画用紙をはみ出る大タコが出現したり、
平面のはずが飛び出す絵本のように立体になったりと、
子どもたちの溢れんばかりの創造性に、終始驚かされっぱなしでした。
第3弾は、柳田國男の遠野物語の舞台で知られる岩手県遠野市より、
間伐材を利用した積み木のおもちゃ「もくもく絵本」の開発者である
前川敬子さんと松田希実さんをお招きしてのワークショップ、
「もくもく絵本で物語をつくろう」。
はじめは、大半が森林で占められる遠野市で、
厳しく美しい自然の息吹を感じながら語り継がれてきた昔話を、
松田希美さんの作った紙芝居でお楽しみいただきました。
その後は、「だれが」「どこで」「なにを」「どうした」の
4つのキューブを組み合わせて1296通りもの物語で遊べる木のおもちゃ、
「もくもく絵本」を使って、子供たちが各々物語づくり。
積み木というのは、積み重ねたり、並べたり、崩したり、
乳幼児が初期に覚える遊びらしく、創造力を伸ばす効果があるそうです。
子どもたちは自分で作った無数の物語に、終始、喜びっぱなしでした。
私たちが旅路で出会ったヒト・モノ・コトを、
少しでも多くの人に五感を通じて感じていただければ幸いです。
ATLIER MUJIでのMUJIキャラバン展は、
今週末9月1日(日)まで開催しておりますので、
お近くお越しの際には、是非お立ち寄りください!
そして、MUJIキャラバンの次回展示は、
東京駅にほど近い、
「MUJI to GO KITTE丸の内」にて、
9月13日(金)より行います。
今度の展示では、実際にキャラバンで取材した産品の一部を、
展示とともに、その場でお買い求めいただける予定です。
これからも、MUJIキャラバンでは、
人と人、地域と地域をつないでいく活動を続けて参ります。
どうぞご期待ください!