MUJIキャラバン

極上の甘み、和三盆

2013年01月15日

江戸時代、鎖国中の日本で唯一、開かれていた長崎県の出島には、
外国との交易のために、日本で大量に採掘された金銀が集められていました。

それら金銀で取引されていた主要な輸入品の一つが、「砂糖」。
当時、輸入のみで賄われていた砂糖は貴重品として扱われていました。

京、大阪、江戸へと運ぶのにたどる長崎街道は別名「シュガーロード」とも呼ばれ、
街道筋では古くから甘い菓子づくりが盛んに。
「長崎カステラ」や、飯塚銘菓「ひよこ」もその類です。

しかし、産出する金銀が枯渇してくると、
幕府は砂糖の輸入を減らすため、国内でのサトウキビの生産を推奨します。

各藩が砂糖生産にしのぎを削るなか、特に高松藩がサトウキビ栽培を奨励。

サトウキビから抽出される黒糖を白糖に精製する技術も確立し、
これらは「和三盆(わさんぼん)」と呼ばれる高級砂糖として流通しました。

この和三盆は、今でも香川県と徳島県の一部地域で生産され、
和菓子づくりには欠かせない砂糖として使用されています。

香川では、この和三盆を干菓子にするための「木型」を作る職人を訪ねましたが、
徳島県では、和三盆そのものを作る現場を訪ねることができました。

徳島県上板町にある「岡田製糖所」。

吉野川の下流域にあたる上板町の土壌は非常に痩せており、
芋さえも満足に育たなかったそうですが、
日照時間の長さと温暖な気候は、サトウキビの栽培には適していたそうです。

訪れた12月中旬は、ちょうど収穫真っ最中で、
50軒弱の契約農家から収穫されたサトウキビが次々運び込まれてきました。

ここで栽培されているのは「竹糖」といって、
沖縄などのサトウキビとは品種が異なり、背丈が低く茎が細いのが特徴です。

ゆえに、搾り汁も限られるため、生産量も多くは確保できません。
ただ、寒さにも強い品種で基本、農薬も必要とせず、
きめの細かい糖分が搾取できるんだそう。

この竹糖の搾り汁から、あくや沈殿物を取り除き、
撹拌しながら煮詰めて、「白下糖」を作っていきます。

この時点では、まだご覧のようなキャラメル色で、糖蜜が含まれています。

糖蜜はミネラル分などの不純物を多く含み、風味が豊か。
ただ、調理の現場からは、風味が少なく甘みの強調されたものが求められるため、
ここから不純物を取り除いた白い砂糖へと加工されていくのです。

ある程度、寝かした状態の白下糖を麻袋に入れ、
酒造りと同じように「押し船」と呼ばれる原始的な器機にかけられます。

徐々に石の重しを加えていくことによって、
ゆっくりと糖蜜を搾り出すのです。

ある程度、蜜を抜いたら、いよいよ和三盆の要ともいえる「研ぎ」の作業へ。

研槽(とぎぶね)と呼ばれる桜の木の台上で、
熟練の職人が精力を注ぎ込みながら、ギュッギュッとこねていきますが、
この時、加える水の量と力具合がポイント。

かつては盆の上で3回研いでいたことから、
和三盆と呼ばれるようになったんだとか。

これを現在では1週間にわたって5回も繰り返し行い、
徐々にとろみのある白色の砂糖へと研いでいくのです。

これを乾燥させ、ふるいにかけるとサラサラの「和三盆」が完成。

ひと舐めさせてもらうと、
ふわりとした上品な甘みが口の中に優しく広がりました。

現在、市場に流通する「上白糖」や「グラニュー糖」といった精製糖の多くは、
機械によって脱色・結晶化したもので、糖度はほぼ100%。

ただ、こうして手作業で研がれた「和三盆」の糖度は85~90%で、
微量のミネラル等がまだ含まれているのです。

父親の後を継いで、研ぎ職人になった坂東永一さんは、
和三盆づくりに対する想いをこう語ります。

「この地域で慣れ親しまれた甘みですから。
父親に負けない和三盆づくりをせんとね」

サトウキビ畑に囲まれて育った坂東さんにとって、
和三盆は小さな頃からの記憶の塊といえるのかもしれません。

この地域で愛されてきた極上の甘みは、父から子へと引き継がれ、
今では全国の甘味ファンの舌を満たしています。

意外な四国の文化圏

訪れるまで四国は一つの文化圏として成立しているのかと思っていましたが、
実際は4県ともにそれぞれ向いてる方向が異なっていました。

香川は岡山、愛媛は広島、徳島は関西、そして、
それら3県に囲まれて独自の文化圏を築く高知は海の先のアメリカ、
というのが、四国人の中でのまことしやかな定説なんだそう。

確かに香川での天気予報は、四国括りではなく岡山と一緒に放送されていましたし、
徳島では関西の放送局が映りました。

そんな徳島で訪れた無印良品「ゆめタウン徳島」では、
影響の強い関西TVの番組で紹介された商品が大人気なんだとか。

それは…、

マイルドオイルクレンジング」です!

オリーブオイル・ホホバオイル配合で、
うるおい成分にはアンズ果汁、桃の葉エキス使用。
無香料で仕上がっています。

スタッフさんいわく、ポイントメイクにも素早く馴染んでしっかり落とし、
目に入ってもくもりにくいそうですよ♪

私も次のクレンジングに試してみたいと思います!

  • プロフィール MUJIキャラバン隊
    長谷川浩史・梨紗
    世界一周の旅をした経験をもつ夫婦が、今度は日本一周の旅に出ました。
    www.cool-boom.jp
    kurashisa.co.jp

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