FabLab(ファブラボ)
何でもお金で買う時代から、自分で作る時代へ。
そんな"セルフビルド"を提唱する動きが、
岡山のニシアワーの取り組みや、滋賀のどっぽ村などをはじめとして、
全国各地で始まっていました。
特に3.11以降、生きていくための力を身に付けることの大切さが見直され、
その動きが加速しているように感じます。
そうは言っても、ものづくりは
小学校の"図工"の授業以来やってないし、工具も持ってない。
私も含め、そんな方も多いのではないでしょうか?
そんな人たちにうってつけの場づくりが、
首都圏を皮切りに始まっていました。
「FabLab(ファブラボ)」
"個人による自由なものづくりの可能性を広げるための実験工房"のことで、
2002年にボストンのマサチューセッツ工科大学で始まりました。
日本では11年に鎌倉とつくばで同時スタートし、
昨年3番目の国内拠点が渋谷にオープン。
都心型の実験工房とは一体どんな場所なのか
?
FabLab渋谷を覗きに行ってきました!
中に入るとそこには、3Dプリンターやレーザーカッター、
刺繍ミシンなど、様々な工作機械が。
「これまで、こうした工作機械は"作る人"の元にあるものでした。
FabLabではこうした機械の利用機会をオープンに提供することで、
子供から専門家まで"使う人"が自由にものづくりできる環境を創出しているんです」
FabLab渋谷の代表、梅澤さんは、この場の意義をそう語ります。
現に、ちょうど私たちが訪れたタイミングには、
春休み中の子供たちが3Dプリンターでおもちゃを制作中でした。
3Dプリンターと聞くと、聞こえは難しいですが、
3Dプリントのためのデータサンプルはインターネット上で共有されているようで、
それをプリンターに指示するだけというシンプルな操作!
試しに3Dプリンターで作ってみたというハートを、
5歳の女の子が嬉しそうに見せてくれました。
おもちゃも制作工程から見たら、愛着が湧きますよね☆
こんな子供たちに刺激を受け、私たちも何か作ってみようと、
レーザーカッターを使ったオリジナルノート制作に挑んでみました!
といっても、梅澤さんに多くをサポートいただきながらですが 。
ノートをセットし、「MUJIキャラバン」のロゴデータを
PCに読み込んで、レーザーカッターに送信。
すると、小さな閃光を放ちながら、2分と経たないうちに、
ノート表紙にMUJIキャラバンのロゴをカットしてくれました!
カット部分をくりぬけば、無印良品のシンプルなノート(写真右)が、
MUJIキャラバンのオリジナルノート(写真左)に様変わり!
ちょっと手を加えるだけで、
オリジナルの1点ものが生まれるなんて嬉しいですね!
他にも、FabLab渋谷ではスマートフォンカバーから、
オリジナルのコースターまで、様々なものが作られていました。
「FabLabは自発力を形成する場。頭の中のものをできるだけ形にしてもらいたい。
そのためのサポートはします」
と、梅澤さんは語ります。
今や世界200カ所に広がるFabLab。
驚いたのは、その運営はそれぞれ独立しており、
理念と一定のガイドライン(FabLab憲章)を守れば、
どこでもFabLabを始めることができること。
アメリカでは国策で今後3年以内に
1000の小学校にFabLabを導入される予定だそうです。
こうした次世代のものづくりのインフラが各地に広がっていけば、
一人ひとりがクリエーターになりえますね。
そのために、まずはちょっとした身の回り品から、
試しに自分で作ってみるのもよいかもしれません。