連載ブログ 私の好きなもの

「日傘に出会った」

2011年07月15日

なるべく手はあけておきたいと外出の時には思うのだけれど、夏はやっぱり日傘がいい。帽子では暑いという実感が強く、傘はほぼ全身を覆ってくれるのもうれしい。白くて太陽光線をはね返し、目にも涼しげでシンプルなのがいいな。と思いつつそれがなかなか見あたらず、去年までは黒の母ゆずりの古もので我慢してしまった。
ところが、あるデザインショップで見つけた日傘がすぐれもの。

上から下まで行き届いた職人さんの(デザイン発注者の?)心遣いのおかげです。上から下なんですが、説明しますと

手元の柄(え)の感じは、持ちたくなる適度の細さ・太さで、ぶどうの枝。
くびれていて絶妙のひねりがあり、そして傘本体の中心の骨では、かりんの木が使われているのですから、え? ふたつの木が融合してしまったという職人技。先端に使われている金具も、本体の骨も、しっかりもので安心です。

当たり前のもめん、って顔した綿布が端では少し波打ってペプラムのような表情を出しているのがいい、やはり一点ものだから細かな味がだせるのでしょうか。漂白していない生成りの色に赤の糸の縁どりです。
灼熱の銀座通りを歩くめぐりあわせになった今日でしたが、好きなものを持って歩くってこんなにも気分が違うかと思わされたのでした。(KKF)

  • プロフィール くらしの良品研究所所員
    K.K.Fさん

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