連載ブログ 私の好きなもの

「食卓の小道具たち」

2011年09月28日

ふだん使うものは馴染んでしまうとなかなか変えないで、気がつくと数年、十数年経ってまだ身近にあるなどということがあります。
使い勝手がよくなかったら当然買い換えているのでしょうが。我が家の食卓でなじんでいる新旧の小道具をとりあげます。 金物 北欧

これは鍋敷きです。
北欧のスーパーマーケットでみつけたもので、食卓やキチンの小道具としては単純すぎて微笑みを誘うほどのもの。だってナイフ・フォーク・スプーンのフォルムがあるだけの図柄です。これを作った鋳物屋のおじさんは食べることが好きだったんでしょうね。
普通の家庭の食卓でなければ合わない、まるで気取りのない道具たちです。

  • 金魚素描 作家もの
  • イスラムの青いタイル

テーブルトップの素材によっては必需品の鍋敷き。私は陶板などもよく活用します。作家ものを手に入れたり、お土産を頂いたりするとまず裏を触ってしまう。木の食卓表面を傷つけてはいけないので、ざらざらがあればフェルトの布端などを四隅にあてがって養生します。あ、この養生って言葉、いいですね。
養って生かす。折れた木の小枝も、家具の欠けた部分にも、やさしく支えをしてあげると修復できるというわけです。陶板の場合は「裏打ち」するのですが。 厚い陶板

これはワインの栓抜きですが、まあなんと40年近く使っています。パリのお土産が珍しかった頃に頂いて、その後あらゆる形、性能のものを試みましたがやっぱりこれが一番いいとの結論を楽しんでいます。
葡萄の枝をよく寝かせて(乾燥させて)あるのでしょう、長年使ってびくともしません。
オーバーに言えば、バッカス以来のワインの歴史まで考えてしまう小道具です。 ぶどうの枝の栓抜き

  • プロフィール くらしの良品研究所所員
    K.K.Fさん

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