「容れものいろいろ」
なるべくすっきり暮らしたいと思うと、身の回りもミニマルになります。でも何かのきっかけで出会ったものが、カラフルだったり、
有機的な感じだったりしてその魅力に惹かれる、そして身近に置いてみると快い景色をつくることがあります。
控えめ、またはよく考えた「一点豪華主義」はミニマル志向の生活でも楽しめる、生活の歓びの一つだと思います。
容れものというジャンルに絞って見てみましょう。
インドの染色工場で使われている木彫りの容器。
東京の生活ではリング、飾りピンなどを入れています。
小物入れは生活に必要で、それを道具として扱うだけでなく目にも潤いをもたらす点景としたいと思うのです。時間を吞みこんだアンティーク、遠い土地の掘り出し物などに小物人気が集まるのは、そのようなことを思えば自然な成り行きでしょう。特に珍しいものでなくても、ある土地の日用品が遠隔の地で別の使われ方をするというのが「見立て」の魅力。見立ては大いに活用したい住まい上手の方法です。
アンティークといっても気張ることはないと思います。ふだんの生活で好きなものを、のみの市などで見かけることはありませんか? 食品やたばこの缶なども、使われた古いものほどすてきに見えることがあります。
アールデコ(1925年様式)をミッドセンチュリー(1950年頃)に模したと思われるガラスの容れもの。
旅先では日用品の売り物の中に「一点豪華主義」に使えるものがあるかもしれない、というわけで市めぐりが欠かせません。