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保ちの良さの秘密がいっぱい。南房総市のひまわり

2013年07月03日

まるくきれいに束ねられたひまわり。
7月限定でご紹介している南房総市のひまわりの特徴のひとつです。

まるく束ねるのは、市場へ出荷するときに花びらに傷が付かないようにするため。
こんなにまんまるに束ねてしまったら、通常は箱に横にして入れたときに
下になる部分の花びらが傷ついてしまいます。
ここの産地では、箱に横にして入れて出荷するのではなく、
水の入ったバケツに入れて、お花を立てた状態で輸送しています。
だから、まるく結束した方が花びらが傷付かないんですね。

当たり前のことのようですが、日本の花の流通では、産地から市場、市場からお花屋さんまで、
水を浸けずに、そのまま箱に入れて、横に寝かせた状態で常温のトラックで輸送されることが
ほとんどなのです。

南房総市のひまわりは、お手元に届くまで常に水に浸けられているので、
お花にストレスがかからず、保ちがよくなります。

保ちの良さの理由は、輸送方法だけではありません。
いちばんの理由は、その育て方。
水と肥料をコントロールして、花の直径が8~10cmのコンパクトなサイズに育てています。

路地に咲いているひまわりはとても大きく立派ですが、それは水も栄養もたくさん取りすぎているから。
いわば甘やかされて育っているんですね。
甘やかされているので、採花されたときに、すぐにぐったりしてしまいます。

ひまわりは約2ヶ月で出荷できるそうですが、
後半の1ヶ月は、ほとんど水をあげないそうです。

収穫が終わりに近づいたハウスの地面は、本当にカラカラ。
想像以上に乾燥しています。

こうやってスパルタで育てることで、病原菌が入り込めない、ぎゅっと引き締まった茎になります。

砂地に比べるともともと水分や肥料分を多く蓄えている粘土質の土壌で育てているため、
人の手で水や肥料を与えることは極力していません。
そのため、ひまわりが自ら土壌から吸い上げるようになり、たくましく育ちます。

暑くなると、花びらが欠けたひまわりをたまに見かけることがありますが、
たくましく育った、生産者さんいわく筋肉質のひまわりは、そのようなことがありません。

スパルタ方式で育てた丈夫なひまわりは、お客様の元に鮮度を保ったままお届けするため、
収穫後の処理にもこだわりがいっぱい。

収穫したら、すぐに冷蔵庫の中で水あげをします。
冷蔵庫の中で水あげをすると、シャキッとして、その後の処理の作業性もあがるそうです。
それでも冷蔵庫の中に入れっ放しもダメ。
冷蔵庫の中は湿度が高いため、花にシミができる原因になることもあるので
水あげが終わったら、冷蔵庫から出して、次の処理に移ります。

風通しのよい作業場で、余分な葉を落として、まるく結束していきます。
それが冒頭の画像です。

作業場はとにかく風通しのよいところ。
外はとても暑くても、作業場に入るとちょっとほっとできるくらい、体感温度は違いました。

それでも、土地の形状上、どうしても湿気が多くなってしまうときがあります。
その時は扇風機をまわして、湿気を飛ばし、花にシミができないよう気を付けています。

ひとつひとつ手作業で、まるく結束したら、最後に専用の機械で茎を切りそろえます。
見るからに新しく、切れ味がよさそうです。

切れ味のよい道具で茎を切ることは、お花の保ちをよくする理由のひとつ。
導管がつぶれないので、水をたくさん吸い上げることができて保ちがよくなります。

お家で切るときも同じ。
切れ味のよいハサミを使ってください。
せっかくスパルタ式で丈夫に育てたひまわりも、導管がつぶれてしまったら、
水を吸い上げられず、早く傷んでしまいます。

常にチャレンジし続けている生産者さんは、ハーブの生産者としても有名です。

切花として出荷するには輸送に問題があったハーブですが、
水に浸けて出荷ができるようになったのを機に、ハーブの生産を始めました。
今では切花のハーブもかなりポピュラーになってきましたが、その先駆者的な方です。

最初は受け入れられるかわからずに始めたハーブゼラニウムも、
今では15棟のハウスで栽培するまでになりました。

ひまわりも昨年よりもハウスを増やして育てるほどの人気です。

ひまわりは、夏になると、どこのお花屋さんでも見かけるお花。
どこでも手に入るお花だからこそ、品質のよいひまわりを楽しんでいただきたいと思っています。

いつも前に進み続けている生産者さんの育てるひまわり。
たくさんの元気をもらえるお花です。

[ネットストア] 7月限定 ひまわり

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