各国・各地で Flower MUJI

切花で楽しむバラのようなポインセチア

2013年12月04日

クリスマスが近づくと、いろいろなところに飾られているポインセチア。
よく見かけるのは鉢植えの、赤い苞(ほう)と呼ばれる部分の先が尖っているタイプです。

今回ご紹介するのは、切花で楽しむ、赤い部分がカールしているポインセチア。
"ウィンターローズ"という名前のとおり、大輪のバラのような品種です。

11月中旬、神奈川県平塚の産地を訪ねてきました。

ハウスに入ると、色づく前のポインセチアや、色づき始めたものが一面に並んでいました。
色づく前のものでも、ウィンターローズは葉や苞(ほう)になる部分が
まるくなっているのがわかります。

生産者さんは、赤い苞(ほう)と呼ばれる部分の先が尖っている、
よく見かけるタイプのポインセチアの切花も育てていますが、
ウィンターローズとよく見かけるタイプは性質が異なるため、育て方が少し違います。

ウィンターローズは、よく見かけるタイプのポインセチアと比べると
暑さに弱い性質のため、土ではなく、ココピートに植えて育てています。

ココピートに植えると、暑さの影響を受けにくくなる一方で
肥料分が流れ出やすく、肥料を与える回数が増える、というデメリットもあります。

それでも、元気に夏を越して、クリスマスにきれいなポインセチアを届けるために
手間は惜しみません。

そして、よく見かけるタイプのポインセチアの育て方と違うところがもうひとつ。

よく見かけるタイプは、土に植えて、木を育てて、翌年も採花をしますが、
ウィンターローズは、毎年、イタリアから苗を輸入して育てています。

根元を見ると、小さな苗の名残があります。

隣のハウスには、5年前から育てている、背丈ほどもあるポインセチアがありました。

ハウスで育てられる切花は、見た目がきれいで、サイズもそろって、
優等生のイメージがありますが、
このポインセチアにはたくましさを感じました。

ポインセチアの切花は鉢植えに比べると、あまりメジャーではありませんが、
鉢植えと切花、両方で親しまれているお花は
カーネーションやガーベラをはじめ、たくさんあります。

そのほとんどは、切花用の品種改良が行われており、
鉢植えの品種よりも茎が伸びる性質を持っています。

こちらのウィンターローズは、鉢植えと同じ品種を切花用として育てています。
そのため、家で飾るには十分ですが、茎の長さは約25~35cmほどと短めです。

それでも5年も経つと、こんなに長く、大きくなるんですね。

鉢植えのポインセチアは早い時期から長く楽しんでいただくために
"短日処理"といって、人工的に夜の時間を長くして赤く色づくように育てています。

一方で、こちらの切花のポインセチアは、短日処理は行っていません。
基本的には、自然の日の長さに任せていると、クリスマスの時期に赤くなるそうです。

赤くするためには、夜の時間は完全に真っ暗にして、なおかつ寒さから守ることも必要なので、
一般の家庭で自然に任せることはむずかしいですが、
自然に任せてもちゃんとクリスマスの時期には赤く色づく、というのは
ポインセチアも自然の植物なのだと実感させられるエピソードです。

今年は季節はずれの台風もあったため、ハウスに移す直前に
屋外で台風の影響を受け、茎が曲がってしまうハプニングもあったそうです。
出荷するまでには、まっすぐな茎になる予定です。

そして、出荷前には導管のつまりを軽減させる前処理と、
糖分を与えて保ちをよくする後処理という作業をしています。

上手に管理すれば、切花でも2週間くらい保つこともあるようです。

鉢植えのポインセチアをずっとお世話することがちょっと大変、
という方は、気軽にお楽しみいただける、切花のポインセチアを飾ってみませんか。

クリスマスにぴったりの、大輪のはなやかなお花のようなポインセチアです。

[ネットストア]
12月限定 ポインセチアの切花

  • プロフィール Flower MUJI スタッフ

最新の記事一覧

カテゴリー一覧