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母の日カーネーションの産地を訪ねて

2013年04月03日
カテゴリー:母の日の花

毎年5月には綺麗に色づいてお母さんへのプレゼントとされるカーネーション。
その準備は前の年の秋から始まっています。
準備が始まってしばらくした11月の初旬に、カーネーションの生産農家を訪ねてきました。

9月の終わり頃から、何回かに分けてオランダからカーネーションの苗が届きます。
10月いっぱいは届いた苗をポットに移す作業を行います。
苗をポットに移す作業にもコツがあって、それによって苗が蒸れて傷んだり、
根が病気になりにくくなりますので、最初が肝心です。
訪問した11月初旬は、ちょうどポットへの移し変えが終わって、
これからピンチという作業を行うところでした。

これが移し替えが終わった苗です。まだまだ小さいです。
これからピンチを行うわけですが、ピンチというのは株を充実させるために、
あえて枝や幹の途中を切ってしまう作業です。

植物は放っておくと、早くたくさんの日光を浴びようとして、上へ上へと成長していきます。
そうすると背は高くなるのですが、枝数が少なくて見た目が寂しくなります。
枝数が減るのでお花数も少なくなります。
なのでちょっとかわいそうなようですが、枝や幹を切ってしまうことで、
横に広がろうとして枝数が増えていき、
母の日を迎える頃にはこんもりとして、花芽のたくさんついたカーネーションに仕上がります。

ピンチ待ちの苗たちです。
ピンチも品種によっては1回だけでよいものもありますし、
2回しなければいけないものもあります。
そして、何千何万とある苗のピンチを、カーネーション農家のお母さんが
たった一人で行っているのです。

ピンチにもコツがあって、色んな人がピンチをしてしまうと、
大きさがまちまちになって不ぞろいになってしまいます。
なので、この作業だけはお母さんが一人でやることになっています。
お父さんも手伝わせてくれないとのことで、ちょっと寂しそうなお父さんでした。
たった一人でやるとはいっても慣れたものですので、
全部終えるのに10日程度しかかからないとのことです。

ピンチはさせてくれませんが、お水やりではお父さんが活躍します。
ひとつひとつの苗の土の乾き具合を観察して、必要な量のお水を与えます。
カーネーションに限りませんが、植物はお水を与えすぎると根がしっかりと張りません。
土が乾燥する期間を設けることによって、根が水を求めて土中に伸びていきます。
根がしっかりと成長していないと、株が成長したときに自分の体重を支えることができなくて
グラグラしてしまうこともあります。
甘やかしてはいけないのは、植物も人間も同じです。

「母の日」が近づいてきました。
昨年の秋から一つ一つ丁寧に育てられたカーネーションが
全国のお母さんのもとに届けられるまで、あとひと月ちょっとです。

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