連載ブログ 富士山麓通信

最後の蕗の薹(ふきのとう)

2011年05月25日
この時季、ふつうに見かけるものは薹が立って、こんな感じ。

今年はじめて蕗の薹を見つけたのは4月10日。被災地の遠野や釜石でも蕗の薹が顔を出したという知らせが届いたのと、ちょうど同じころでした。天麩羅や蕗味噌のほか、スパゲッティやピッツァにも入れて楽しんできましたが、最近見かけるのは薹(とう)の立ったものばかり。「今年は、もうおしまい」と思っていたら、数株だけ見つけました! さすがにやや開き気味ですが、まだまだ香りは充分あります。おそらく、これが今年最後の蕗の薹。大事に摘んで、早速、いただきます。

蕗の薹だけでは少ないので、他の山菜と組み合わせて天麩羅にしました。ヨモギ・ユキノシタ・ヨメナの若葉、イタドリの若芽、タンポポの花も。野菜の天麩羅はやや低めの温度で揚げるのが普通ですが、山菜の天麩羅は、衣を薄くして高温で。あるホテルのシェフから教わったコツですが、たしかに、その方がカラッと揚がる気がします。

盛りのころにつくった、蕗味噌。みじん切りにして、味噌や味醂などと練り合わせました。白いご飯にのせると、ご飯が進み過ぎて、ちょっと怖い。瓶詰めにして、春の常備菜にしています。

こちらは、地元のイタリアンレストランで出していた季節限定メニューを真似た、蕗の薹と浅蜊のスパゲッティ。思いっきり、春の組合せです。

蕗の薹が終わるころになると、イタドリや山椒の若芽、ヨメナの若葉、コゴミなどが顔を出してきます。まだまだ続く山の恵みについては、また次の機会に。

  • プロフィール くらしの良品研究所所員
    M.Tさん

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