山椒の若葉
山全体を淡いピンク色でおおっていた遅咲きの富士櫻も終わり、森は新緑の季節です。息子がまだ幼いころ、この新緑を見て「緑が爆発してる!」と言ったことがありますが、まさに、そんな感じ。山椒の若葉も、爆発するような勢いで出てきました。種が落ちては芽を出すので、あちこちに膝下丈の若木もいっぱい。それでなくても空気が澄んでいる森の中ですが、山椒が香気を放つこの時季は、ひときわ澄んで感じられます。
「この時季の若葉は、おひたしで食べられるよ」と地元の人に教えてもらって以来、病み付きになりました。摘んでいると、指先まで山椒の香りに染まりそうです。
枝の先端、若葉の中の若葉だけ、いただきます。茎も気にならないやわらかさ。
このぐらい収穫しても、ゆでると、わずかな量に。これだけ使えるのは、「山の贅沢」です。
さっとゆがいてオカカをのせ、お醤油をかけるだけ。ちょっと辛みを含んだ独特の味を生かしたいので、おだしは使いません。
冷奴にのせるときは、手のひらでパンパンと叩くと香りが立ちます。
一輪挿しに活けてみました。山椒の香気は、ルームフレグランスの代わりにも。
すり鉢ですり、白味噌とあえれば、香り高い山椒味噌。ご飯や風呂吹き大根などに、よく合います。