連載ブログ 富士山麓通信

冬仕度

2011年08月17日

高原の夏は、エアコン不要の涼しさです。逆に言えば、冬はそれだけ寒いということですから、そのための準備を夏の内から始めなければなりません。
知り合いの工務店さんが丸太を届けてくれたので、今年も冬仕度が始まりました。暖炉や薪ストーブで燃やすための薪づくりです。

左:工務店のトラックで運ばれてきた丸太。
中2点: チェーンソーと薪割りには「男手」が不可欠。
右:白樺の丸太。燃えるとき、「いい香り」を出します。

長い丸太はチェーンソーで切り揃え、それを一本ずつ斧で割り、積み上げて干していく。どれも、体力のいるチカラ仕事です。 「よくやるねえ」と地元の職人さんたちも半ば呆れ顔ですが、これが、大変だけど楽しい。やっただけの成果が目に見える達成感、この労働が明日の糧(冬場の暖)になるという満足感、労働という形で汗を流した後の充実感...こういったものは、現代の都会暮らしではなかなか手に入らないものかもしれません。それに、斧が丸太の芯に当たってスパッと割れたときの爽快感といったら。何よりのストレス解消です。
もっとも、女の私にできることは高が知れていて、こういう場では「男手」のありがたさを実感します。そして、薪を乾かしてくれるお天道様のありがたさも。自分たちが汗を流した分だけ、暖をとれる──森の中での暮らしは、いたってシンプルです。

薪づくりの作業場と化した庭

至る所に薪を積んで干していきます。家のグルリを薪の壁で囲まれる感じ。

薪割りの後のご褒美は、夏の夜の焚火。時間がゆっくり流れます。

森の中で暮らしていると、季節に敏感にならざるを得ません。その日のお天気が、季節の移ろいが、そのまま日々の暮らしに直結しているからです。
8月半ばになると、森には、そろそろ秋の気配。次の季節に向けて、自然はもう動き出しています。

左から、色づいた落ち葉、落ちたクルミ、山ぶどうの蔓。

  • プロフィール くらしの良品研究所所員
    M.Tさん

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