連載ブログ 富士山麓通信

花梨酒と花梨はちみつ

2011年11月30日

この季節になると、たまに道の駅で花梨(かりん)を見かけます。「かりんのど飴」に入っている、あの花梨です。大きいものはラグビーボール近くもあり、初めて見た時はびっくりしました。武骨な姿で、触ってみると硬いし、フルーツの常識で考えると、あまりおいしそうには見えません。渋みもあって、生では食べられないとのこと。でも、香りは抜群です。
「果実酒や蜂蜜漬けにするといいよ。咳止めにもなるしね」と聞いて、それ以来、見つけたら仕込むことにしています。今回購入したものは、小さい方で約500g、大きい方は約650gありました。

花梨の実の特長は、ともかく香りがいいこと。買って1週間はそのまま部屋に置き、追熟させながら芳香を楽しみます。
1週間後に、作業開始。果実酒と蜂蜜漬けを仕込みました。どちらも工程はシンプルなものですが、花梨は実が硬いので、切るには少々「腕力」が必要。レシピによっては、「電子レンジでチンしてから切ると楽」と書いたものもあるほどです。

まず縦半分に切り(左)、2~3mm幅に薄くスライスし(中)、切ったはしから瓶に放り込みます(右)。果実酒は、芯も種も捨てずに一緒に入れます。

果実酒の方は、氷砂糖を加えて(左)ホワイトリカーを注ぎ入れます(右)。

蜂蜜漬けの方は、かぶる程度の蜂蜜を加えます。

仕込み完了。蜂蜜漬けは1~2ヵ月後から、果実酒は2~3ヵ月後から飲めるようになります。半年後には実を引き上げて、熟成すればするほど深い味わいに。

のど飴にも入っているように、花梨は民間療法で咳止めやのどの痛みに使われるもの。体も温めてくれるので、わが家では、ちょっとした風邪なら花梨酒や花梨蜂蜜で済ませてしまうことがほとんどです。そんなわけで、花梨酒も「熟成」までに至らず毎年飲みきってしまうので、今回はグラス入りをお目にかけることができなくて残念。
花梨酒の飲み方は、お湯割り、炭酸割り、水割り、オンザロックと、いろいろ。花梨はちみつは、お湯割り、炭酸割りの他、紅茶に入れたり、ヨーグルトにかけてもおいしくいただけます。

【特別番外編】イノシシの子ども公開

家の近くを散歩していたら、がさごそと落ち葉を踏む音がして、イノシシの子ども2頭が出現。何の警戒心もなく、短いシッポをふりふり、無邪気に近づいてきました。体の縞もようが消えているので「うり坊」と呼ぶには育ち過ぎているのかもしれませんが、明らかに「子ども」とわかる体格と表情です。このところ地面が掘り起こされていることが多かったのは、彼らがミミズを探した跡だと判明しました。食べものが少なくなり冷え込みもきつくなるこれから、彼らにとっても厳しい季節が始まります。元気に春を迎えられますように。

おそらく兄弟と思われる2頭連れ(左)。くんくんと地面に鼻をこすりつけながら、ミミズを探します(右)。

「くんくん」の跡。キャタピラーが通った後のように、土が掘り起こされています。

  • プロフィール くらしの良品研究所所員
    M.Tさん

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