雪の中で
冬将軍が居座り、テレビや新聞では連日のように大雪のニュースが伝えられています。ここ富士北麓は、氷点下10℃を下回る冷え込みが続くものの、日本海側の地域に比べて雪は少なめ。温暖化の影響で年々雪の量が減っていることもあり、この冬の一回の積雪量は30~40cmといったところでしょうか。それでも、都会からの移住組である私たちにとっては、雪かきは結構な重労働。
森をおおう一面の銀世界は目を洗われるほどきれいですが、暮らすとなると、見とれてばかりというわけにもいきません。
「今日は忙しいから、また後でね」と言えないのが雪かき。降り積もって時間のたっていない雪なら、まだ軽くて扱いやすいのですが、時間がたつほど固まり重くなって、手に負えなくなってしまうからです。そして、その上にさらに次の雪が降り積もったりしたら・・・もう、お手上げ。
固く締まった雪は、1立方メートルで400~500kgもの重さになるといいます。
実際、この森の中でも、定住していないお宅の家屋の一部が雪の重みでつぶされてしまったのを何度か目にしました。自然の力は、人間の想像をはるかにしのいでいるのです。
雪かきは、大変と思えば限りなく大変な作業になってしまいますので、ここは発想の転換。運動不足になりがちな冬場に、天から与えられた無料のジムと考えることにしています。(もっとも、わが家でダイエットの必要があるのは私のみですが・・・) 実際、氷点下10℃を下回る外気の中でする雪かきは、とても気持ちのいいものです。
とはいえ、あまりたび重なるとそんな呑気なことも言っていられません。やっと雪かきを終えた直後にまた降り積もり、天を仰いでため息をつくことも。この冬、豪雪に見舞われている地域の方々のご苦労はさぞかしとお察しします。
雪の季節は、「つらら」の季節でもあります。「つらら」は漢字で「氷柱」と書きますが、森に移り住んでみて、まさに「その通り」と実感。一度できた氷の柱は春まで融けることはなく、冬の間だんだん成長していきます。そして、寒さが厳しい年には、軒下から地面までつながる大きな氷の柱へ。この冬は、まだそこまで大きなものは見当たりません。
右:子どもが小さい頃は、つららを剣に見立ててよく遊びました。
雪かき作業が一段落したら、やっと雪景色を楽しむ余裕も出てきます。キーンと冷えた空気の中で雪をかぶった木々は、遠目には満開の桜のようにも見えて、木の花と呼びたい美しさです。
そしてそんな中でも、目を凝らすと、木々の枝先についた芽がふっくらとふくらみ、春の準備が進んでいることがわかります。春は、もう近くまで来ているようです。
雪の上に動物の足跡を見つけるのも、この季節ならではの楽しみです。その詳細は、また次回のブログでお伝えします。