おからづくし
仕事で出かけた京都で、おいしいお豆腐屋さんに出会い、珍しい三色のおからをいただきました。白いおからは、どこのお豆腐屋さんでも見かけますが、京都で見たのは、青大豆のおからと赤大豆のおから。赤・白・緑と並ぶと、まさに「春の色」です。レシピも付いていたので、家に帰って早速、トライ。富士山麓の食材も加えて、春のおからメニューをご紹介します。
おからといえば、お惣菜売り場でもよく見かける煮物が定番ですが、今回いただいたレシピには、生のまま使う「おからサラダ」や「酢の物」、そして卵でとじる「おから丼」までありました。
お豆腐屋さんでおからを目にしても、「今日は忙しくて時間がないから、止めておこう」と思うことも、しばしば。でも、生のままで使えるとなると、話は違ってきます。「え、それだけでいいの?」という簡単さで、これから「おから使い」が増えそうです。
おからサラダは、ポテトサラダのポテトの部分をおからに替えた感じ、と言えばいいでしょうか。ポテトサラダより、やや軽い食感です。火を使わずに出来ますし、何より思い付いた時すぐに作れる簡単さが嬉しい。おからの質が良いのか、パサパサ感やモソモソ感はまったくなく、しっとりしたおいしさです。
酢の物は、味付けモズクか味付けメカブに、適量のおからを入れて混ぜるだけ。「料理」と呼ぶのもはばかられるような簡単さです。さっぱりした口あたりで、するすると喉を通ります。
定番の煮物には、家にある材料を何でも放り込むのが常ですが、今回は庭で摘んだ蕗の薹を加えてみました。それだけで、なんとなく「春の味」になります。
この煮物を油揚げに詰めて焼くと、いつものお惣菜も、ちょっとした「あて」に変身。日本酒によく合います。
そして、こちらは「おから丼」。親子丼の鶏肉の代わりに、おからと天かすを使います。京都の老舗料亭・菊乃井の賄い料理で、テレビでも紹介されたレシピ。菊乃井では、このお豆腐屋さんのおからを使って作るそうです。
週末のブランチには、赤大豆のおからを入れたホットケーキを焼いてみました。こういうものにおからを入れると、なんとなくボソボソするイメージがあるのですが、予想に反してしっとり、なめらかな口あたり。赤大豆の色がきいて、春らしい仕上がりになりました。
おからは、お豆腐を作るときの副産物としてできるものですが、最近は需要が少ないため捨てられることも多いと聞きます。そもそも、畑の肉と呼ばれる大豆でできたもの。栄養もたっぷりですから、ぜひ気軽に試してみてください。